突然ですが、「中東料理」と聞くとみなさんはどんな食べ物を思い浮かべますか？あまり馴染みのない方も多いかと思いますが、今回ご紹介する『Sultan's Market』は、イスラム教5大預言者のアブラハムやムハンマド、さらにモーゼまでが食べたと言われる歴史深い食べ物「ファラフェル」が人気のレストランです。

安い・旨い・早いと3拍子揃ったこのお店は、ウィッカーパークの若者やアーティストなどのネイバーフッドでいつもにぎわっています。人気の秘密は、最近話題のビーガン料理も用意されている点で、野菜や豆をふんだんに使った体に優しい料理を楽しむことができます。ヨルダン出身のオーナーさんのセンスが光る内装もまた、訪れた人の目を楽しませてくれます。ファーストフード店のように、注文して会計を済ませてから自由に席に着くスタイルです。

それではここで、今回取材班がトライしたメニューを紹介しましょう。

Falafel Sandwich
	お店の看板メニューとして一番人気を誇るこのサンドウィッチはビーガンのひとつで、値段が一番安いうえに食べ応えも抜群という、取材班一押しのピタパンサンドです。ファラフェルは、すりつぶしたひよこ豆にパセリやスパイスを混ぜ合わせて油で揚げた、コロッケの様な食べ物のこと。ファラフェルの他には、キュウリとトマト、そしてパセリを合わせたJerusalem Saladと、ヒヨコマメ・ペーストのHummus、そして辛さが選べるホットソース（spicy/medium/mild）が入っています。サラダの爽快な歯ごたえにハマスのコクが加わり、さらにファラフェルのサクッとした食感のコントラストがパーフェクト！健康的かつ、お腹もお財布も喜ぶオススメのサンドウィッチです。
Chicken Shawerma
	シャワルマはアラブを代表する料理のひとつで、串に肉を刺し、その大きな塊をじっくりと調理したものをピタパンにはさんである、ファーストフードとしても有名な食べ物です。中に入っているローストチキンが柔らかくジューシーで、その肉汁がハマスとジェルサレム・サラダによくからまってバランスの良い味が楽しめます。　ファラフェル・サンドとは一味違った個性のあるサンドウィッチです。
Grandma Zarifa's Lentil Soup
	赤レンズマメに赤ピーマン、そして玉葱と独自のスパイスを使って作られたスープはアッサリと食べやすく、調度良い塩加減のおかげで美味しくいただけます。レモンをギュッと絞れば爽やかさがグッと増してイイ感じ。
Tabuli
	このお店のタブーリは、パセリ、レタス、トマト、きゅうり、そして玉ねぎを細かく刻んで、レモン汁とオリーブオイルで味付けしているサラダです。ミントが入っているタブーリが多いですが、こちらのサラダには入っていませんでした。レモンの酸味とパセリの強い香りが抑えられていて一般的には食べやすいかもしれませんが、せっかくならもう少し酸味とクセがあっても良かったように思います。
Rice & Lentils WITH Jerusalem Salad
	茶色のレンズマメと風味の良いスパイスを使って炊いたご飯に、ジェルサレムかタブリサラダのどちらかをトッピングとして選べる一品です。うっすらと色づいているスパイスご飯と、ふっくら炊かれたレンズマメの風味が香る、シンプルなサイドメニューです。
Dates
	ナツメヤシの果実であるデーツは、聖書で「生命の樹」という説から古来の伝承説にたびたび登場し、伝統儀式から民族の主食にいたるまで歴史深い果実です。干し柿に近い食感で、まろやかで濃厚な甘味があります。
Dried Fig Rings
	乾燥イチジクもまた、旧聖書に登場する中東では歴史ある果物として有名です。食物繊維たっぷりで、レーズンの様な歯ざわりと甘さに加え、中にたっぷり入っている種のプチプチとしたアクセントが面白いフルーツです。

遥か昔から、中東は世界中の人々の交流・貿易地点として栄えてきました。そうした濃い歴史の中で培われた食文化は、世界の食文化の基礎となっています。このような背景を考えると、異文化料理をますます楽しめると思います。

(05/25/09)