●シカゴで買い物:食料品店（グローサリー）

■エスニック・グロッサリー: Uni Mart-The Original Baker's Delight-

Uni Mart-The Original Baker's Delight-（旧Philippine Plaza）はフィリピンの食料品を扱うお店として10年前に開業して以来フィリピンを中心とした東南アジアの人たちに愛され続けており、現在ではシカゴ市内、郊外あわせて4店舗あります。その人気の理由は素晴らしい品揃えにあり、アメリカでは珍しいアジアのスパイスや食品はもちろん、東南アジア料理には欠かせない生鮮食品からフィリピンの手作りベーカリーやデザート、お惣菜まであらゆるものが用意されています。

ロケーションにもよりますが、取材班が訪れたナイルズの店内は中規模サイズで、食料品もそれぞれカテゴリーごとに分かれているので買い物がしやすくなっています。まず入って左手には生鮮食品コーナーがあり、手前にはフィリピン料理に欠かせない野菜や果物が所狭と並べられています。どれも新鮮そうでしっかりとしていますが、中でもびっくりしたのが巨大なレモン！普通の大きさのものに比べて2〜3倍以上の大きさで、果汁がたっぷりと詰まっていそうなずっしりとした重みがありました。
その奥には氷のたっぷり入ったショーケースに鮮魚がずらり。この日はフィリピン料理でよく使われるティラピアやミルク・フィッシュをはじめ、ベビー・ツナ（子マグロ）やイカがホール売りされています。頼めばさばいてもくれますし、フィリピンでは魚を揚げるか煮るのが一般的なので、Uni Martでは買った魚を揚げるサービスもあります（週末は追加料金がかかりますが、平日は魚の料金分だけでしてくれます。）肉類のセクションには豚肉と鶏肉がメインで（一般的にフィリピンでは牛肉は食べない為）、種類はあまり豊富ではありませんがスープに使う豚の血やレバー、豚足などレアな食材も手に入ります。

入り口から右手すぐには、量り売りのお惣菜コーナーとベーカリー・コーナーがあります。お惣菜のほとんどはフィリピンでは一般的に食べられているもので、特に大人数が集まるパーティなどでケータリングとして重宝されているそうです。お惣菜とベーカリー・グッズは全てナイルズ店のキッチンで手作りされているので味もフレッシュ。特にベーカリーものは午前中に行くと、焼きたてのものが次々に運ばれてきます。スナックや朝食にぴったりの菓子パンから、フィリピン特有のバター・クリームを使ったケーキやハロハロなどのデザートもあり種類も数も豊富です。さらに奥には冷凍＆冷蔵食品コーナー、乾麺や調味料品や乾物などがありますが、ここでは棒寒天やお豆腐や厚揚げ、いりこなど私達に身近な食材が割安な値段で売られていて、面白い発見がありますよ。

そんな中から取材班がフィリピン人の友人のお勧めを中心に気になった食材や食品をいくつか購入してみましたので、ご紹介します。

Camote Leaves
さつま芋の葉でフィリピンでは塩茹でしたり油炒めにしたりして食べるそうです。取材班はとりあえずシンプルに茹でてソテーしてみましたが、ほんのりとした甘みのある味ととろけるような柔らかい食感が心地よく、気に入ってしまいました。苦味や癖といったものがないので、和え物、炒め物やお味噌汁の具として使えそうです。葉っぱのほうがさつまいもより栄養価が高く、免疫力を高めてくれるそうです。
Pancit Bihon
お惣菜セクションから選んだPancit Bihonはフィリピンの代表的な麺料理「五目ビーフン」です。お醤油や魚醤でしっかり味つけされていますが、濃すぎず薄すぎずちょうどよい味加減。またビーフン独特の麺の弾力もほどよく感じられました。具には白菜、セロリ、にんじん、魚のつみれ、豚肉や海老が入っています。
Lechon Kawali
豚肉の三枚腹肉をフライパンで揚げたフィリピンの代表的な豚肉料理で、皮は北京ダックのようにパリパリとしているのが特徴です。付けあわせの豚レバー・ペーストを使ったソースをかけて食べるのですが、コクのある豚レバーに甘酸っぱさが加わったソースが非常においしくて、食がすすみます。ビールのおつまみにもぴったり合いそうな一品です。
Pichi-Pichi
ピチピチというかわいいネーミングをもつこのお菓子はキャッサバを使った素朴なケーキで、フィリピンではごく普通に食べられるおやつです。まわりにはココナッツフレークがたっぷりとまぶされていて味はトロピカルですが、キャッサバ生地のもっちりとした食感や素朴な甘さは日本のウイロウにそっくりで、日本人の口にも合うお菓子です。
Kalihim
ベーカリーの中でも特にお勧めだという、紫芋を使ったパンはミルクと卵、バターがたっぷりと使われているので、袋を開けると風味豊かな甘い香りが広がります。舌に優しく残る鮮やかな紫芋ペーストの優しい甘みや生地のしっとり感がなんだか懐かしい気持ちにさせてくれるミルク・ブレッドです。
Soybean Gelatin Dessert（豆腐花）
フィリピンの友達が大量に購入していたお豆腐のデザートがこちら。現地ではTahoと呼ばれていて、あちこちの屋台で売られているそうです。ゼラチンを使った豆腐生地はトロトロに柔らかく滑らかな舌触りで、味も食感もまさに絹豆腐。これにブランシュガー・シロップをたっぷりかけて食べるのですが、これがびっくりするほどおいしい〜！甘さ控えめなミルクゼリーのような感覚でツルツルといくらでも食べられます。プロテインが豊富な上、脂肪分もカロリーも低いのでダイエット中の女性にも人気なおやつだそうですが、当取材班もこれを目当てに当分お店に通っちゃうかも、、、。
Gina Mango Nectar
フィリピンの人は水よりも果物から水分をとるほうが多いというくらい果物好き、というだけあってマンゴーやココナツなどのトロピカル・フルーツ・ジュースも多種多様。中でもフィリピンでも絶大な人気を誇っているGinaブランドのマンゴージュースはベスト！ということでこちらをチョイスしました。まるで完熟マンゴーそのまま食べている（飲んでいる？）ような錯覚に陥るほどマンゴーの甘さとうまみが凝縮されていています。キンキンに冷やしてから飲むのがオススメ。
Halo Halo（フィリピン風カキ氷）
寒天、タピオカ、タロカスタード、豆などがたっぷり入った容器に牛乳、練乳、そしてクラッシュアイスを加えたフィリピンのかき氷です。色鮮やかな寒天や大粒の黒タピオカ、固めの小豆などがたっぷり入っていて、食感、味ともに最後まで飽きることなく食べられますが、たっぷり入ったトッピングでボリュームがあるので、かなりお腹が一杯になっちゃいます。でも味は比較的さっぱりしているので、夏には最高のデザートです。

この他にもまだまだ紹介したい面白い食品や食材が目白押しですが、長文になるので今回はここまで（笑）。フィリピン料理は、お醤油やお酢を中心とした味付けで食材も似ているので日本人の口に合うものが多いように感じました。デザート類もシンプルで甘さも控えめなので、どれも抵抗なく食卓に取り入れられそうです。気になる商品があればフレンドリーな店員さんが親切に教えてくれますので質問してみてください。

（5/24/10）