アメリカ国内には、山あり海あり都会あり、いろ〜んな楽しみ方がありますが、いつも同じような所を選んでしまいがち。今回はそんな読者の為にちょっと変わった旅のプランを旅行のプロ、アムネットさんと近鉄さんにご協力いただき紹介してもらいました。新しいアメリカの魅力を発見してください。
アムネットのオススメ
夢が叶う街、ナッシュビル
▼新入社員A…「支店長、今回のお勧めの都市はどちらですか?」
▼支店長…「今回はズバリ『ナッシュビル』です!」
●A…「ナッシュビルですか?
カントリーミュージックの聖地ですね。」
▼支…「そうそう、カントリーミュージックの聖地としてとしてアメリカ各地から、はたまた世界各国からファンが訪れる町です。もちろんファンのみならず、カントリーミュージックスターを目指して、街のバーで歌う人も集まります。『夢を持つものが集まる町』『夢が叶う町』、そして『いつもどこかで音楽が流れている町』、そんなナッシュビルに関して今日はご案内させていただきます。」
●A…「でも支店長って、言っちゃなんですけど、音痴ですよね…。音痴でも行って楽しいんですか?」
▼支…「何を言う!
音痴だって音楽を聴くのは自由です! 音痴でも聴く音楽は楽しめるのです!」
●A…「失礼しました…」
▼支…「そんなナッシュビルですが、まず町の情報を…。ここ数年はアメリカ各地から引っ越して住みたい町として人気度も高く、人口も増え続けてるんだ。町を歩いていると、いろんなところで新築の建物の工事をしていたよ」
●A…「そう言えば、旅行ニュースでも見ました!
ナッシュビル空港は利用客が昨年、前年比11%増で、利用客も増えてるって。」
▼支…「そうそう、良く知ってるね。えらいぞ!
空港もどんどん改築して、ショップも充実してたよ。ターミナルにはお寿司屋さんもあって、日本人には嬉しいね。」
●A…「空港から、メインの観光地へはどのぐらい掛かるんですか?」
▼支…「カントリーのバーやレストランが並ぶBroadwayへは車で15分ぐらい。だから近くて便利!」
●A…「そのBroadway
行ってみたいなぁ。」
▼支…「ここには、いろんなお土産屋さんや、レストラン、バーが並んでるよ。」
●A…「お勧めのレストランってありますか?」
▼支…「まぁ、やっぱり基本アメリカなので、どこのレストランでもお勧めはピザやハンバーガー(笑)!」
●A…「じゃ、日本人にはそれほど惹き付けられないですね。」
▼支…「いや、でもね。ここでのレストラン選びのコツはやっぱり音楽。Broadwayを歩いていると、道まで音楽が漏れて聞こえてくる。自分の気に入った音楽や、声を発見したら、素直にそこに入って、音楽を楽しみながら、ハンバーガーをがぶっと食べると、それはそれは美味ですぞ!」
●A…「いいですね、それ!
カントリーミュージックを聴きながらハンバーガー。なんか、アメリカにいるって感じがでますね!」
▼支…「だよね。僕も実際に自分の好きな声を見つけて、入ってハンバーガーと地ビールを飲んで、ゆっくりと過ごしたよ。音楽もすごく良くてね。やっぱりアメリカ全土から、歌が上手い人が集まってくるから、本当に上手な人が多いんだよね。しかもほとんどの店でカバーチャージが無いから、こんな音楽をタダで聴けるなんて、贅沢だよ〜。」
●A…「え?
カバーチャージないんですか! それまた嬉しいですね!」
▼支…「そしてナッシュビルは実は日本とも縁が深い町なんだ」
●A…「え?カントリーミュージックってモロアメリカンって感じで、あんまり日本とはゆかりが無いようですが…」
▼支…「これ見てみて。」
●A…「Bridgestone
Arenaってありますね。これ、あの日本のブリヂストンですか?」
▼支…「そう!
町のど真ん中にあるアリーナ。それがこのBridgestone Arena。カントリー歌手のコンサートが頻繁に開催され、カントリーミュージックアワードもここから中継されてるんだ。」
●A…「カントリーミュージックと、日系企業の意外な接点!
面白いですね!」
▼支…「それから、繁華街からちょっと先にあるこの大きなスタジアム。テネシーのアメフトチームTitansの本拠地でもあるんだけど」
●A…「あーっ!!!
Nissan Stadium って書いてあります!」
▼支…「そう、日産の名前がついているんだ!」
●A…「え?!
すごいですね。ブリヂストンに日産。なんかすごい日本に近い感じがしてきました!」
▼支…「そうだろう!
僕もこんなにアメリカンな町なのに、なんか日本と繋がってるなって嬉しくなっちゃうよ」
●A…「それだけで贔屓目になっちゃいますよね。」
▼支…「それだけじゃないんだ。まだ僕が贔屓目になっちゃう理由が…」
●A…「なんですか?」
▼支…「ちょっと繁華街ははずれてWest Endという地区にね、お気に入りの地ビールがあるレストランがあるんだ。(現在リニューアル中で3月頃REOPEN予定)」
●A…「なんてお店ですか?」
▼支…「その名も『Blackstone』ですぞ!」
●A…「?なんか意味あるんですか?」
▼支…「もう鈍いなぁ!
ブリヂストンの名前の由来は知ってる?」
●A…「ええ、確か創業者の方が石橋さんで、その名前を英語の石=Stone、橋=Bridge、にしたと聞いたことがありますけど」
▼支…「でしょ?
じゃ、Blackstoneを日本語にしてみて」
●A…「Black=黒、Stone=石………石黒……って支店長の名前じゃないですか!」
▼支…「そうだよ、やっと気付いたね。そんなんで個人的にすごい愛着のある町なんだ(笑)」
●A…「なんかちょっと羨ましいです(笑)」
▼支…「えへへん!」
●A…「自分の名前の地ビール、私もあったらいいのになぁ」
▼支…「ビールと言えば、ナッシュビルは路上での飲酒はやはり禁止なんだけど、乗り物に乗りながらなら、お酒は飲めるんだよ」
●A…「ど、どういうことですか?」
▼支…「Pedal
Tavernという乗り物があってね。ペダルを漕いでうごく乗り物なんだ。」
●A…「面白いですね!」
▼支…「メインのドライバーが一人いて、その人が操縦をするのだけれど、原動力はペダルですので、みんな漕がなければいけません。でもお酒を飲みながら漕げるんです。屋外で飲める唯一の方法です!」
●A…「いいなぁ。友達と大勢で行って飲みながら騒ぎたいですね!」
▼支…「そうそう、僕が行ったときは、結構酔ってるグループがいたよ。女の子のグループが、町を歩いてる可愛いカップルに野次飛ばしたりしてた(笑)。
●A…「それは、野次飛ばされた方もたまったもんじゃないですね(笑)。」
▼支…「本当、たまったもんじゃないよね(笑)」
●A…「ところで、ナッシュビルにはその他に行くべきところってありますか?」
▼支…「巨大ホテルGaylord
Opryland Resort & Convention
Centerだよ」
●A…「そんなに大きいんですか?」
▼支…「カジノを併設しないホテルとしては、世界でも最大級。アメリカでは一番大きなホテルだよ」
●A…「へぇ。知りませんでした!」
▼支…「繁華街からはちょっと離れてるので、車でしか行けないけど、一見の価値ありだよ。敷地内の大きな吹き抜けが有名で、ホテル宿泊者じゃなくても、散策することができるよ。」
●A…「でもせっかくなら、そんな素敵なホテルだったら泊まってみたいなぁ。アムネットでももちろん手配できるから、自分で手配して行って見ようかな」
▼支…「是非是非、吹き抜けの部分にバルコニーがついている部屋もあるから、冬でも快適だよ」
●A…「今度の休み利用して是非行ってきます!」
▼支…「最後にナッシュビルと言えば、是非是非食べていただきたいお土産がふたつ。」
●A…「なんですか?
是非是非!」
▼支…「まずはMoon Pieといって、日本のチョコパイに似たお菓子。どこのお土産屋さんでも目にするよ」
●A…「アメリカってお土産にできるお菓子が意外と少ないので、こういうのって嬉しいですね!」
▼支…「そしてもうひとつがGooGoo」
●A…「なんか名前が可愛いですね。」
▼支…「こちらもチョコパイにナッツがぎっしり入ったお菓子。これまた美味で、どこのお土産屋さんでも大概売ってるよ」
●A…「やっぱ、お土産には無難な食べ物が喜ばれますよね」
▼支…「だよね。」
●A…「で、支店長。私まだお土産いただいてないですけど!
食べてみたいです! MoonPie に GooGoo!」
▼支…「ご、ごめん。買ったんだけど、帰りにお腹すいて食べちゃった……」
●A…「支店長、そんなんだから最近太り気味なんですよ!
気をつけてくださいね!」
▼支…「そうだね…。そんなこんなでナッシュビルへお越しの際は、お勧めホテルなど是非アムネットシカゴ支店にお問い合わせ下さい!」
近鉄のオススメ
8月21日の大天体ショー(皆既日食)
最近、日本では天体モノが非常にウケている。昔は天体関連といえば、クラスで「出来杉君」系男子が、星のことやら宇宙のことやらを語りだすと「へ〜〜」となるくらいの印象で、言うなれば、限られた趣味の範囲であった気がする。しかし最近は「静ちゃん」系の女子にまで、天体観測がウケていて、「天体女子」といった、新ジンルイも発生するくらいに妙に盛り上がっている。
先日も、「スーパームーン」なる言葉が巷に広がった時、われわれ昭和族は、また新しい、セーラー服を着たアニメキャラが誕生したのかと思ったものだが、実際は月が非常に大きく綺麗に見える日があった。別にわれわれにとっては、中秋の名月のような「お月見」程度のことではないのかと思いきや、やたら女子ウケしているようなので、普段は女子に見放されている、昭和のウスゲカゲロウ族(旅行系によく分布)は、ここはチャンスとばかりにやる気を出し、必至に最適な観測に適当な場所を探し出し、そこに蟻地獄のように、新ジンルイ「天体女子」を呼び込む作戦をとることにした。その結果、日本の小高い丘の展望台やら視界の開けた海岸、挙句の果てには都会のビルの屋上までも、多くの「天体女子」なる新ジンルイが双眼鏡片手に集まり、大盛り上がりになった。綺麗な星空の下で「さすが!
すご〜〜い! しらなかったぁ?! センスあるんですね! そうなんだぁ!」の昭和族撃沈のスーパー「さしすせそ」砲で「おしおき」されてしまう輩が続出し、天体女子パワー、おそるべしである。
しかし、これはあくまでも日本のハナシなので、日本から遠く離れた異国の地に住む、ウスゲカゲロウ族はただ、その状況をうらやましく思うしかなかった。そんなとき、いつもネタわけをしてくれるイジュウイン・アツノリ氏から新年早々、電話がきた。
「今年、皆既日食がイリノイであるのご存知でした???」
「『カイキニッショク?』そんなもん、ここら辺はどこにでもあるじゃないか。」
「違うって、怪しい日本食(怪奇日食)じゃなくて、太陽が月に覆われるやつ(皆既日食)だよ!」
「お、あのドリカムの歌の2012年の太陽のリングみたいなやつ?」
「そうそう、今回、イリノイで観測されるのは完全に太陽が隠れるやつで、それもイリノイで見れるやつは時間も長くて、良いらしいですよ。」
ってなことで、早速、いろいろ調べてみたところ、いやあ・・・出るわ、出るわ、インターネット上では相当な数の関連サイトが載っていた。(特に最初に見るといいサイトはwww.eclipse2017.orgで、ここでかなりの情報を手にいれることができる)それらをかいつまんでみると、
●今回はアメリカ合衆国としては1991年以来、本土では1979年以来、そしてアメリカの東はサウスキャロライナから西のオレゴンまで襷掛けに横断するのは1918年以来という、皆既日食であるこということ。
●皆既日食がおこるのは、中西部時間8月21日の午後1時20分頃である。(観測場所によって微妙に変わる)
●シカゴ周辺では南イリノイから西南ミズーリ州の辺りが最寄になる。
ということなので、残念ながらシカゴ周辺では観測できない(部分日食になる)のだが、シカゴから南に6時間ほど車で下った南イリノイ付近では21世紀に入って最初の大天体ショーになるわけである。実際、今回の皆既日食はかなり広い範囲で観測できるので、グーグルなどで出している「日食地図」を参考にして観測地点を探すこともできる。ただこの日食の帯のゾーンを見てわかることだが、最長の皆既状態が維持されるのは南イリノイであるので、南イリノイが観測地として非常に適していることがわかる。
さて、この南イリノイというのは実は私の母校、SIU(Southern
Illinois大学Carbondale校)がある地域だ。この辺りはShawnee
National Forestが大きく広がっており、湖や丘陵地帯も多く、自然豊かで、ちょっとした週末旅行にもいい場所である。そのため、この皆既日食はCPA(Certified
Party Animals)のSalukis(SIU生の愛称)には絶好の機会とばかりに、すでに大いに盛り上がりを見せている。実際、SIUもさまざまな一般向けイベント(www.Eclipse.siu.eduを参照)を用意している。
皆既日食でよく注目されるのが、野生動物などに起こる生態変化である。日常と違う環境の中で野生動物がどのように生態を変えるかが注目される。南イリノイは前述の通り、自然豊かなところから、野生動物も多く、また湖の魚影も濃いことから、野生動物の生態観測もできるのが面白い。突然、暗くなり、鹿が駆け回り、鳥が騒ぎ出し、大魚が大いに水面を跳ねだす・・・みたいなことがおきる可能性がある。ただ、だだっ広い平原で観測する以外にもこういった楽しみが期待できるのも南イリノイ皆既日食の特筆すべきところであろう。
ここまで、書いてくると今年の夏は!という気になるのだが、ここで考えられる旅行のリスクをあげておきたい。
●すでに南イリノイ周辺のホテル、キャンプ場は、皆既日食観測のための前泊日にあたる8/20は、満室札が多く、空いているところもSpecial
Event Priceが適応されているので、一泊300ドル以上にもなっていること。
●8/21は月曜日で多くの学校の始業日にあたっている。(お子様連れの方は学校に確認を!)
●メジャーな観測場所として考えられるGiant City ParkやSIUキャンパス内は相当な人出が見込まれているため、周辺での渋滞、駐車場不足などが予想される。
つまりはもうすでに、思いつきで行くというのが困難になりつつあるので、十分に準備した上で旅行計画をたてるのが望ましい。ホテル手配などは旅行代理店に連絡してアドバイスをもらうのもよいだろう。
日食観測で重要なのは観測装備関連だ。実際、ものすごい明るい太陽を直接見ることは大変危険なことで、最悪の場合は失明する可能性もあると警告されている。日本の国立天文台がこちらのサイトwww.nao.ac.jp
/phenomena/20090722/obs.htmlでわかりやすい日食の観測方法を紹介しているので、利用すると良い。ここに出ている日食グラスはアメリカでも購入可能ななので、あらかじめ用意しておくことをお勧めする。
最後にひとつだけ大きな懸念事項としてあるのは当日の天気である。南イリノイ周辺の8月は4月や5月ほど、突然天候が崩れることも少なくなるが、まだ残暑のある時期なので、突然の雷雨の発生は否めない。皆既日食もACT
of GODSであるのと同時に雷雨なども止むを得ない自然現象なので、こればかりは最良の状況下で観測できるように祈るしかないだろう。ただ、一生のうちで何回見られるかわからない天体ショーをみすみす見逃すのももったいないハナシである。ぜひ、この機会を逃さず、旅行プランを立ててみてはと強く推奨する。
ちなみに次にアメリカで日食が観測されるのは2024年の4月8日とのこと。近いようで、遠い7年後・・・また、そのときはそのときで考えることにしよう。
で、イジュウイン君は、
「・・・で、ツアー作るの??」
「う〜ん、この地で天体女子があつまるかどうか・・・」
「・・・で、作るの?」
「・・・・・・」
皆さん、8月21日に南イリノイで会いましょう!
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