『汚れちゃだめって 言わないで』
〜 汚れるのは学びの証拠 〜
『ただいま!』『お帰り・・・あ〜!こんなに汚れてきて...』と言うのが私の小さい頃の日常の会話でした。 母は子ども達に『こんなに汚れちゃって。』と、口ではいいますが、けしてその汚した服に対して、子ども達をしかる様な事はありませんでした。遊び盛りの兄弟4人分のお洗濯、毎日大変だったと思います...それでも、『もう、この遊びは汚れるから、やめなさい。』とは絶対に言わず、私達の遊びを見守ってくれていました。
先日雨上がりの公園で、一人の3歳ぐらいの女の子が、しゃがんでじーっと、水たまりをのぞき込んでいました。しばらくすると、その子は小さな指をだして、水たまりの水をつつき始めたのです。『これ、なんだろう? なんで、こんな所に水があるんだろう?』って、色んな事を考えているようでした。 水たまりに触れる指が1本から3本になり、ついには両手を入れてぴしゃぴしゃと、水の感触を楽しんでいました。『これって、楽しい!新しい感触だ!』って、嬉しそうに立ち上がり、今度は両足ごと水たまりへ。 嬉しそうにばしゃばしゃしているその子をみて、ママは、『あ〜!なにやってるの〜!』とママの慌てた声に一瞬ビクッとして止まってしまった女の子。 ママは急いでその子を水たまりからだすと、困った顔をして注意していました。 洋服などが汚れる事をとても気にする大人を後ろに遊ぶ子ども達は、
知らず知らずのうちに泥や自然に触れる事、身体で感じて学ぶ機会を失っているのではないのでしょうか? 残念な事に、汚れる事は『いけないこと』と思っている子が最近増えてきた様に思えます。
絵本も大事ですが、子ども達が実際に体験しないと理解できない事って、沢山あります。この女の子の様に、水に触れ、水の暖かさ、柔らかさを身体で学び、『おもしろい!不思議!』と思う事が学ぶ喜びなんですね。子ども達の新しい発見を大切にしてあげたいですね。
今日も『先生、みてみて!』と、嬉しそうにホースを抱きかかえ、豪快に水を砂場へ入れていく子ども達。茶色く染まった大きな水たまりに、裸足でドブンと嬉しそうに浸かる子ども達。 その子達の顔はすごく生き生きしていて、とてもたくましく成長している様にも見られます。幼児期の子ども達は好奇心旺盛です。色んな事に挑戦し、失敗と成功を重ねながら、一生懸命に身体で学んでいるから汚れるのです。 汚れて帰ってきら、『沢山学んだんだね!頑張ってきたんだね!』と、誉めてあげて下さいね。