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アメリカでホームパーティーなどをするときに、けっこう気にしなければいけないのが「ゲスト達の中に、ベジタリアンがいるか、食べ物アレルギーは?」と言った事。人種のるつぼのアメリカだけに、様々な宗教や教えを守っている方たちがいるわけで、彼ら&彼女らの中には、毎日の食べ物に対してもたくさんのこだ
わりを持っている方々も多い。という訳で、自然と「あぁ、この人はお肉は食べないからお魚料理にしよう!」とか「卵は食べない人が大勢来るから、すき焼きに卵はなし、でいいか。」などとあらかじめ準備をするようになります。
さて、ベジタリアンといっても『野菜を食べる人』『肉を食べない人』というだけではないんです。実は細かいカテゴリーはたっくさんありまして、全部を理解している人は、栄養士さんだとかその他健康関係の勉強をしている方々、あるいは世界各国の宗教と食物の関係のエキスパートな方などだけではないかしら?どうしてベジタリアンなのか、どの食物は大丈夫で、どれはだめなのか、など実はかなーり奥が深いみたい。こちらの会社でホリデーイベントなどを開催してお食事を出す、でも、かなり厳しいベジタリアン主義の方がいらっしゃったりすると、その設定メニューを決めるのになかなか頭を使います。という訳で今回のホクホクでは、そんなベジタリアン文化をできるだけご紹介してみたいと思います。アメリカで生活していく中で、いつか役立つかもしれない「知って得する菜食主義文化」です。
■ Vegan ビーガン
”純粋菜食主義社”と呼ばれる人達。お肉類はもちろん、卵や魚介類、それらをもとにしたもの(乳製品やゼラチン、お出汁)なども摂取しない。さらには、蜂蜜さえも拒否する人もいるし、そうそう、口にするものだけでなく、薬品や化粧品にも動物性のものが入っているならNGという方も。毛皮も真珠もシルクもぜーんぶ拒否(動物や貝からできてますからね)など、食生活を超えた部分でも、かなりのこだわりを持つ
方が多い。
■Dietary Vegan ダイエタリー・ビーガン
Veganの考え方から、最初の食べ物部分だけを大切にし、他の製品にや衣料品に関してはおおらかな方たち。
■Lacto Ovo Vegetarian ラクト・オボ・ベジタリアン
お肉や魚は食べないけれど、乳製品および卵は食べる人たち。
■Lacto Vegetarian ラクト・ベジタリアン
お肉や魚は食べないけれど、乳製品は食べる人たち。
■Fruitarian フルータリアン
基本的に木の実や果物、木になる野菜しか食べない方たち。ようは、「植物の成長をとめてしまうもの、あるいは殺してしまうような摂取の仕方をする食べ物には手をださない」、木になった桃やバナナは食べるけれど(実をとっても木は死なないですからね)、にんじんは食べない(根っことして抜いてしまうから、それでは苗の生長に必要な根っこを絶やしてしまう、という考え)。逆に、トマトやきゅうり、ナッツ類はオッケー。ベジタリアンの中でも、かなり極端なもの、となっています。
■Non Meat Eater ノン・イート・ミーター
お肉は食べない、でも、魚や乳製品などは全てオッケー。
■Pesco Vegetarian ペスコ・ベジタリアン
肉、乳製品、卵は食べないけれど、魚介類は食べる人達。
■Pollo Vegetarian ポロ・ベジタリアン
鳥類の肉(にわとり、ターキー、あひる、など)は食べるベジタリアン。
■Semi Vegetarian セミ・ベジタリアン
とくに厳しいルールには従わず、とにかく”お肉はなるべく取らないよういしています”という人達。
ちなみに、Pesco Vegetarian と Pollo Vegetarian
の2グループは、このSemi Vegetarianになるそうです。
■White Vegetarian ホワイト・ベジタリアン
お肉の赤い部分(牛肉、豚肉、羊肉など)をとらずに、ホワイトミート(鳥類系のお肉や魚介類)は摂取する人達。Semi
Vegetarianのひとつとなる。
■Macrobiotic マクロバイオティック
有機栽培や産地選択(なるべく近場で収穫された農産物)が考え方に入っていて、”菜食主義”ではあるけれど、若干他のベジタリアニズムからはずれる。一種の’食事法’であり、玄米を主食にして野菜や乾物などを多くとり、肉や卵、乳製品は極力とらない。
■Indian Vegetarian インディアン・ベジタリアン
ヒンデゥー教に基づいて行う菜食主義。お肉やお魚は食べないが、多少の乳製品はとるらしい。
■Strict Indian Vegetarian ストリクト・インディアン・ベジタリアン
お肉、魚介類、乳製品、根菜類もとらない。
■Jain Vegetarian ジェイナ教ベジタリアン
ジャイナ教という宗教を信じている方に多い。不殺生&不所持という教えから、移動する生き物は食べないし、根菜類も取らない。虫などの殺生をさけるため、漁業も農耕も行わない。タマネギやニンニクも、「その部分を食べてしまったらその植物の成長を絶つ事になる」という理由で食べない。マッシュルームや蜂蜜も禁止。更には、水を飲むときも、水の中の微生物を殺さないように、布でろ過してから飲む。逆に、乳製品類は摂取してよい事になっている(牛からミルクを
とっても牛は死なない、という考え)。つまり、Lacto Vegetarianを更に厳しく極端にしたもの、という考え方。
こちらにあげたリストはあくまで一般的な捉え方であって、実はもっともっといろんなルールがあったりするようです。また、個人、個人でのベジタリアニズムに対する考え方で、摂取する食べ物の種類も変わって来ますし。ちなみに、国によってのデーターを比べてみると、やはり一番ベジタリアンが多いのがインド(31%)、つづいて台湾が10%、イギリスが9%、だそうです。日本でも昔から「精進料理」など、仏教の影響などからくる菜食主義がありますよね。身体
を一番に考えて、どの食生活が自分にあっているか、そして、信じている宗教の教えにそっての決断、、、ベジタリアンと一言でいえども、たくさんの意味がある、という事ですね。
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