（掲載日：12/09/2024）

　シカゴアンの間でも評判の高いクロアチア料理のお店「Rose Mary」に行ってきました。クロアチア料理と聞いて具体的なイメージが湧かない方も多いかもしれませんが、クロアチアの食文化は、地理的・歴史的背景から、オーストリアやハンガリー、イタリア、中近東などの影響を受けており、独自の進化を遂げています。特に新鮮な魚介を使った料理が有名で、ひき肉とチーズを使ったパイ「Burek」や、チョリソーに似たソーセージ「Cevapi」は、クロアチアを代表する料理として知られています。また、クロアチアは黒トリュフだけでなく、希少な白トリュフの産地としても有名で、トリュフを使った料理もあります。

　お店はお洒落なレストランやバーが軒を連ねるFulton Marketエリアの角地に位置しています。店内はシンプルモダンなデザインで洗練されつつも落ち着いた雰囲気が漂い、奥にはオープンキッチンがあり、キッチンスタッフとホールスタッフのやりとりが店内に活気を与えていました。左手にはバーカウンターがあり、シグニチャーカクテルやビールに加えて、珍しいクロアチア産のビールや、クロアチアを含む周辺諸国のヨーロッパワインが豊富に取り揃えられています。

　まずはシーフードメニューから「Baby Octopus-Peka Style」を注文しました。これはタコとポテトをたっぷりのオリーブオイとニンニク、香草とともに煮詰めたもので、スペインのアヒージョを彷彿とさせます。シンプルながら素材の旨味が最大限に引き出されており、タコもしっとりと柔らかくて美味でした。続いて白トリュフが贅沢に乗った「Tagliatelle」を試しました・タリアテッレは卵を加えたフェットチーネのようなパスタで、ブラウンバターを絡めてから、仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノチーズをふりかけています。こちらも、シンプルな構成ですが、目の前で削りかけられる白トリュフの芳醇な香りが際立つ特別な一皿でした。肉料理からオーダーした「Pork Ribs Pampanenella」は、ポークリブにアメリカン・バーベキューソースとスイートチリソースをミックスしたような甘辛いソースがかかっています。お肉だけでは味が単調になりがちですが、添えられたキャベツとヨーグルトのレリッシュと一緒に食べると、爽やかなアクセントが加わって豊かな味わいが楽しめます。さらにアメリカでは珍しい「イカ墨リゾット」にも挑戦しました。このリゾットは程よい酸味が効いており、ギリシャ料理のレモンチキンスープを思わせるような風味が特徴的。上には香ばしくグリルされた小さな串刺しのイカが乗っていて、見ためにも味覚にも満足感のある一品でした。

　最後にデザートメニューから「Toffee Zelten」を選びました。これはプルーンとデーツで作られたケーキで、パンナコッタとバニラジェラートが添えられています。ケーキ生地にはたっぷりのナッツが練り込まれており、かなり甘めの仕上がりですが、濃厚なパンナコッタや滑らかなバニラジェラートと一緒に食べることでクリーミーさが加わって、絶妙なバランスを楽しめます。

　同店では季節ごとにメニューが変更されるため、今回ご紹介した料理が提供されていない可能性もありますが、足を運ぶ度に旬の食材を活かした新たなおすすめメニューに出会える楽しみがあります。どの料理も洗練された味わいと美しいプレゼンテーションで、特別なひとときを彩る一品ばかりですので、記念日や特別なディナーにぴったりのお店ともいえそうです。店内には40名以下のゲストに対応したパーティールームが用意されており、貸切での利用も可能。最大125名の着席ディナー、または最大200名のレセプションスタイルでイベントをカスタマイズしてくれるので、ウェディングや会社のイベントなどのベニューとしても最適です。年末のイベントやパーティなどの候補先として検討してみてはいかがでしょうか。

タコとポテトをたっぷりのオリーブオイとニンニク、香草とともに煮詰めたBaby Octopus-Peka Style	Tagliatelleはブラウンバターとパルミジャーノ・レッジャーノチーズでシンプルに仕上げています	Pork Ribs Pampanenellaはお肉に添えられたキャベツとヨーグルトのレリッシュと一緒に食べると美味
程よい酸味が効いたイカ墨リゾットはギリシャ料理のレモンチキンスープを思わせるような風味でした	プルーンとデーツで作られたケーキのToffee Zeltenはパンナコッタとバニラジェラートがついてきます	モダンレトロなダインングは天井が高くて広々としています