（掲載日：09/29/2025）

　今回ご紹介する「Roanoke」は、Chicago Loop の金融街の中心に位置しており、ビジネスでの利用はもちろん、近隣にシアターがあるため観劇前のディナーにも最適なスポットです。店内は高級感がありながらも親しみやすい雰囲気で、銅の装飾やロティサリー、ブリックオーブンといった異素材のデコレーションがアクセントになり、洗練された落ち着きある空間を演出しています。また、温かみのある照明がオープンキッチンをより際立たせており、料理が仕上がる臨場感を楽しむこともできます。中央には気軽に立ち寄れるバー、奥には暖炉付きのシートを備えたダイニングがあり、シーンに合わせて選べるレイアウトも魅力のひとつ。「落ち着き」と「活気」が心地よく調和した独特の空間は、訪れる人を惹きつけてやみません。

　 まずは、店員にすすめられたカクテル“In the Loop”で乾杯しました。これはオリーレイのシナモンウォッカをベースに、アップルチャイコーディアル、ライムジュース、クランベリーを合わせた一杯。シナモンのスパイシーな香りに、アップルチャイのやわらかな甘みが重なり、そこへライムの爽やかさとクランベリーのほのかな酸味がアクセントに効いています。秋から冬にかけて楽しみたい、深みのある味わいでした。

　メインの前にオーダーしたNew England Clam Chowder は濃厚すぎず、かといって淡泊でもない、絶妙なバランスです。ベーコンの旨みとクラムの潮の風味が見事に調和し、添えられたチャイブ入りチェダービスケットのサクサク感がよいアクセントになっています。人気メニューのBurrata Saladは、ルッコラ、いちご、ピスタチオ、薄切りフェンネルを合わせ、エクストラバージンオリーブオイルとバルサミコドレッシングでシンプルに仕上げた一皿。サイドには大きなブルラータチーズが添えられており、下にはピスタチオとバジルペースト、上にはトマトジャムがトッピングされています。香ばしくほろ苦いクロスティーニに、サラダと甘酸っぱいソースのかかったチーズをのせていただけば、甘み・苦み・酸味が一度に広がり、口の中で豊かなハーモニーを奏でます。

　メインに頼んだPrime Ribは美しいミディアムレアの焼き具合で、シャープなステーキナイフを必要としないほど柔らかく、ひと口ごとにジューシーさがあふれます。濃厚で風味豊かなオージュソースと、香り高いトリュフ入りマッシュポテトが絶妙に絡み合い、さらにホースラディッシュの爽やかな辛味が全体をきゅっと引き締めるバランスの良さにも感動。肉の旨みとソースの奥深さが重なり合い、ひと口ごとに贅沢さを堪能できる一皿でした。

　食後のデザートには、ピスタチオアイスクリームをオーダー。濃厚でクリーミーな口当たりは舌の上で心地よく溶け、一口目から広がるナッツの香ばしさが印象的です。後味にはほんのりとした塩気が残り、甘みとの対比が絶妙な奥行きを生み出します。シンプルながらも上質さを感じさせる味わいで、コースのフィナーレにふさわしい存在でした。

　同店ではアラカルトメニューに加え、毎日、夕方四時から六時限定で３コースのプリフィクスディナーが楽しめます。内容は季節ごとに変わりますが、取材時は前菜にニューイングランド風クラムチャウダーまたはミックスグリーンサラダ、メインにロティサリーチキンまたはブラックンドサーモン、デザートにはジェラートが提供されていました。ドリンクメニューも豊富で、エスプレッソマティーニやケンタッキーコーヒーのほか、オールドファッションドやマンハッタンといった定番カクテルも揃います。さらにハッピーアワーには、シアターメニューやバッファローカリフラワー、チーズカードなどの小皿料理をお得に楽しめるのも魅力です。詳しくは公式サイトをご覧ください。

店員さんお勧めの “In the Loop”は、秋らしさを感じるシナモンウォッカをベースにしたカクテル	ベーコンの旨みとクラムの潮の風味が見事に調和たNew England Clam Chowder	甘味、苦み、酸味などの素材の様々な味のハーモニーを楽しめるBurrata Saladは同店の人気メニュー
Prime Ribは肉の旨みと風味豊かなソースの奥深さが重なる贅沢な味わい	クリーミーで濃厚なピスタチオアイスクリームは、後味にほんのりとした塩気が残るのが印象的	高級感がありながらも親しみやすいインテリア。たくさんのお客さんで活気があります