シカゴ市北部には美味しいチキンサンドイッチのお店が少ない中、今回は2016年のChicago's Best Sandwichにも選ばれた、チキンサンドイッチで有名な「Mother Cluckers」をご紹介します。Elston AvenueとFoster Avenueが交差する細い三角地帯に位置する小さなお店は、こぢんまりとしていますが食事やテイクアウトに訪れるお客さんが絶えないほどの人気ぶり。ドアを抜けたすぐ先にカウンターがあり、その上にはメニューとおいしそうな料理の写真が載ったスクリーン・メニューも設置されているので、それを参考にしながら注文をします。

店員さんによるとシグネチャーのフライドチキン以外にも、ポー・ボーイ(Po Boy)と呼ばれるルイジアナ州のサンドイッチや、BBQリブなども人気があるとのことですが、今回は看板メニューのフライドチキンサンドイッチとチキンパルメザンサンドイッチ、そしてスタッフがお勧めするクラブケーキ・ポー・ボーイを注文しました。シグネチャー・メニューのフライドチキンサンドイッチはチキンの衣がカラリと揚がっていて、中はしっとり、そして鶏肉のジューシーな味わいが詰まっていて納得の美味しさ。チキンにはしっかりと下味がついているのでそのままでも十分美味しいですが、Remoulade Sauceと呼ばれるオレンジ色のソースをかけて食べるのがこのお店のオリジナルなのだとか。かなり辛めのソースですが癖になる味わいなので、辛いのが大丈夫な方は是非つけてみられることをお勧めします。サイドディッシュのコールスローは酢の効いた酸味があるタイプなので、スパイシーなソースで熱くなった口の中を落ち着かせるにもちょうど良いです。チキンパルメザンサンドイッチは、フライドチキンにモッツァレラチーズとマリナラソースをBBQロールに挟んだもの。サイドに注文したベイクドビーンズは三種類の豆を使っているのが特徴で、かなり濃厚で甘めの味付けがされています。クラブケーキ・ポー・ボーイはニューイングランド・ロブスター・ロールの上にクラブケーキをのせて、上述したRemoulade Sauceで味を整えています。ただ、豪華な具材に期待していた一品でしたが、クラブケーキが冷凍品のような単調な味わいだったので、ソースの味でごまかして食べている感があると取材班の間では不評でした。

このお店のフライドチキンがあまりにも美味しいので、どんな方法で作られているのか調べてみたところ、プレッシャー・フライヤーといわれる専用の圧力フライヤーを使ったBroasted Chickenと呼ばれるものだと知りました。「Mother Cluckers」の場合は下味のついたチキンをかごに入れて、キャノーラ油を入りの専用フライヤーの中に沈めて蓋を閉め、圧力を加えて揚げているので鶏肉の旨味と水分がチキンの中にグッと凝縮されるそうです。そのため、フライドチキンよりもチキンがしっとりとジューシーに仕上がるという訳です。

キッズメニューにはフライドチキンやマック＆チーズ、コーンドッグなどがあり、デザートにはピカンパイやキャロットケーキ、スイートポテトパイ、フライド・ツインキー、それにブレッド・プティングなどこれぞアメリカン！といったものが勢ぞろいしています。また、BYOBのお店ですので、お酒を一緒に楽しみたい方はお好きなアルコールを持参されるのを忘れずに。ただし、閉店時間が午後８時や９時と比較的早いのでご注意ください。パーティー用のケータリングメニューもありますので、フットボール観戦やバースデー・パーティーなどにも利用できます。土日の７時から１２時まではブレクファ−ストもやっていて、パンケーキやオムレツ、それにエッグベネディクトなども定評があります。

(02/18/2019)

看板メニューのフライドチキンサンドイッチは、さすがに鶏肉のジューシーな味わいが詰まった納得の美味しさ。	チキンに加えてモッツァレラチーズとマリナラソースを一緒に挟んだチキンパルメザンサンドイッチ。	クラブケーキ・ポー・ボーイは豪華な具材を使っている割には単調な味わいでちょっと期待外れでした。
三種類の豆を使ったベイクドビーンズはアメリカ人受けする甘めで濃厚な味付け。	酢を効かせた酸味が強めのコールスロー。	カウンター上には写真付きのスクリーンメニューもあります。