連日の雪でシカゴも冬のど真ん中。そんな中、10月25日から新機種ボーイング777-300ERを導入するJALのお食事メニューもお冬バージョンに変わったというニュースが入りました。お正月を意識した色鮮やかなビジネスクラスのお食事の試食会に参加してきましたので、ご紹介いたします。ちなみにこれらのメニューは日本から送られてくるのではなく、開発の段階からシカゴの日本人シェフによって考案されているそうです。
まず最初に出されたのは、季節感たっぷりの有名な小鉢膳8品、名づけて八つの肴『旬味彩菜』。旬の食材を使った彩り豊かなお料理のプレゼンテーションの鮮やかさが光ります。特に今回は正月バージョンという事もあり、いつもにも増して彩が豊かで、贅沢な素材が使われているように感じました。この『旬味彩菜』は、お酒を嗜まれる方だけでなく、飲まれない方や外国人の方にも楽しんで頂けるように考慮しておられるのだそうです。
<白和え>
具沢山で、とてもネットリとした風味の濃い和え物。低カロリーな一品で、箸やすめにちょうど良い感じです。
<烏賊とびこ和え>
つるつるとした歯ごたえのあるイカの上にトビコがのっています。
<数の子土佐和え松前漬け>
パリパリした大き目の数の子が二つ入っています。数の子は松前漬けになっているので適度なヌメりがあって美味しいです。
<青菜しらすまぶし>
使われている青菜は中華野菜の油菜(ユーチョイ)というアブラナのようです。シャキシャキした油菜にしらすがまぶしてあるさっぱりしたお料理です。
<錦玉子 田作り 黒豆>
色取りが良く、微妙な甘さを感じる錦玉子にはポロリとくずれるような柔らかさと面白い食感があり美味。田作りや黒豆もお酒がすすみます。
<あさり山菜旨煮>
プリプリとした下味のしっかりついた味の濃い目のあさりと一緒にぜんまいが入った旨煮。何につけても出し汁の味がグッド。
<焼き茄子 そぼろあんかけ>
ふわりとしたコクを感じる味噌味。しっとりした茄子のこげ味がよく、その香りがまたいいかんじです。
<ほっき膾(なます)>
色もあざやかで、飾りつけも良いのですが、今回の8品の中ではそれほど際立ったところのない一品でした。酸味があるので元気は出ると思います。
次に今回のメインですが、チョイスは若鶏の野菜あんかけと、からす鰈の柚庵焼き。機内で炊きたてのこしひかりと一緒にサーブされます。
<若鶏の野菜あんかけ>
一度から揚げ風に仕上げて、そこに野菜あんかけが掛かっています。チューイーですが、とてもしっとりしている若鶏は、決してコロモがあまり分厚くないので、お腹に優しく、だしの味もちょうど良いです。
<からす鰈の柚庵焼き>
前回の秋バージョンでは同じからす鰈が唐揚げになってサーブされましたが、今回は醤油とお酒、そしてみりんを全て同率で合わせ、それに柚子の輪切りを加えてつくった漬けダレに漬けこんでから焼く柚庵焼きでした。焦げめがとても香ばしく、みりんとお酒の上品な甘みが良く出ていて鰈はとてもジューシー。箸を入れるとホロホロとくずれるほどに繊細です。いつもながら日本酒とのペアリングの良い一品です。茄子と人参、そして大根の煮物が添えられています。
今回のお料理は12月中旬から2010年の3月までの約3ヶ月間
JALのビジネスクラス、シカゴ−東京便でご賞味頂けます。
最近のJALのビジネスクラスの機内食は、和食が6割、洋食が4割の配分で搭載されているそうですが、ずっと昔はその比率が反対で、和食が4割、洋食が6割だったそうです。もしかしたら昔の日本人にとってはステーキなどのお肉料理が贅沢の象徴だったからなのかも知れませんね。そうやって考えると日本人の食生活や、『贅』に対する考え方の変化を感じます。
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(12/28/09)