アーリントンハイツにある韓国レストラン「 Hanshin Pocha」のご紹介です。交通量の多い通りに面していますが、お店自体はあまり目立たない造りで一見すると飲食店だと気付かないような質素な佇まいです。店内は30席ほどの大きさで、取材に訪れた夜は照明が暗めに落とされており、BGMにK-Pop、それに店内に設置されたテレビ画面にもK-Popのミュージックビデオが流れています。また、壁のあちこちにはハングル語のメニューが貼り付けられているなど、アメリカにいることをつい忘れてしまいそうコリアンな雰囲気。そんな韓国らしさを全面に押し出したムードとオーセンティックなお料理に惹かれてくるお客さんの大半は、やはり韓国の方々のようです。メニューの品数が多いので注文に迷いますが、まずは前菜にBrisket Saladを頼みました。オーダーを終えるとお通しにダシで煮たFish Cake(魚のすり身と小麦粉を混ぜたはんぺんのようなもの)が出てきました。まるで日本のおでんを思わせるような味わいで、もう一本頼みたくなる美味しさ。Fish Cakeはそのまま食べてもよいですが、一緒についてくるピリ辛いネギ醤油タレにつけるとまた違った味わいで楽しめます。一番最初に出てきたBrisket Saladはアペタイザーとは思えないような大きなお皿に、4人前くらいはあろうかという量がのっていて、そのボリュームにビックリ。サラダにはグリーンレタスときゅうりの千切り、レッド・グリーンペッパー、紫玉ねぎにそれにブリスケット(牛の薄切り肉)が入っていて、ごま油と唐辛子を使った韓国風のドレッシングで和えています。ピリッとした辛さの中にも砂糖の甘みが効いていて、きゅうりやペッパーなどのシャキシャキとした食感に、柔らかい薄切りの牛肉がピッタリ。たっぷりの量にもかかわらず、野菜とお肉がいくらでも食べらる味のバランスの良さも魅力です。

　メインにはディナー・メニューからCodfish SoupとChicken Gizzard with Garlicをオーダー。Codfish Soupはタラの入ったチゲ鍋のようなスープで、キムチベースのスパイシー・スープにタラやアサリ、きゅうり、エノキ、白菜、ネギ、豆もやし、それに豆腐が入っています。魚介のダシが効いたスープはあっさりとしていてサラッとした喉越しが食べやすく、こちらもボリュームはありますがアッという間に食べられてしまいました。たっぷりの野菜やお豆腐、魚介などのヘルシーな具材に、キムチやにんにくなどのパワー食材を同時にとれる栄養価も高い一品ですので、ちょっとお疲れの時や免疫力をあげたい時などは特にお勧めです。バンチャン（韓国の小鉢料理）にはわかめとパプリカの酢の物、キムチ、それに緑野菜の唐辛子和えが出てきました。甘酸っぱくて冷たい酢の物は熱々のスパイシースープにピッタリで箸がすすみます。Chicken Gizzard with Garlicは鶏の砂肝をにんにくやハラペーニョと一緒に炒めて、ごま油と塩コショウで味付けしたものです。砂肝はコリコリとした食感がよく噛めば噛むほど鶏の旨味を感じられますし、ゴロゴロと入った丸々のニンニクや輪切りのハラペーニョでスタミナがつきそうです。塩コショウでしっかりと味付けされていますが、お好みでサイドに付いてくるゴマ塩醤油をつけると、コクが出てまた違った味わいを楽しめます。

　シカゴ郊外にいながらも、本場に負けない韓国の味と雰囲気が楽しめる「Hanshin Pocha」は、本格的な味に加えて食べ応えのあるボリュームもポイントの1つ。ガッツリ食べたい時には大満足間違いなしの韓国料理店ですので、是非トライしてみてください。

(08/06/2020)

お通しに出てきたFish Cakeはまるで日本のおでんを思わせるような懐かしい味わい	グリーンレタスやきゅうり、ペッパー、紫玉ねぎ、ブリスケットにごま油と唐辛子を使った韓国風ドレッシングで和えたBrisket Salad	Codfish Souphは魚介の旨みたっぷりのスープがあっさり＆サラッとした喉越しで◎
丸々のニンニクや輪切りのハラペーニョ入りでスタミナがつきそうなChicken Gizzard with Garlic	お料理と一緒に出てきたバンチャン（韓国の小鉢料理）	アメリカにいることを忘れてしまいそうなコリアンな雰囲気