シカゴのLincoln Squareにある「Gather」は、店名からもわかるように、家族や友達と集まって食事やワインを楽しむことをコンセプトにしているお店で、メニューには地場の食材を使った料理や気軽に飲めるワインを中心に揃えています。お店は賑やかなお店が立ち並ぶLincoln Streetに面していますが、「Gather」は看板もなくて外観もシックな色使いなので、一見するとギャラリーのような印象を受けます。入口すぐには忙しく働くシェフ達の様子を見ることができるキッチンカウンター席と、カジュアルな感じのテーブル席があり、さらに進むと少しフォーマルな感じのするエリア、それにグループでワイワイと楽しめるベンチテープルの席が一番奥にあります。セクションや部屋ごとにがらりと雰囲気が違うので、色んなシチュエーションに対応できそうです。

　メニューは「gather & share」という皆で取り分けて楽しむものと、それぞれでオーダーする「entrees」の二種に分けてあり、品数はそう多くないので選びやすいようになっています。今回はシェア・メニューからGathering BoardとCrispy Cauliflowerを選び、アントレからRoasted Sturgeonをオーダーしました。ギャザリングボードは木の板に自家製の燻製肉が2種とチーズが3種、ローストアーモンド、レバーパテ、はちみつ、季節のジャム、ピクルス、それにバケットがのっていて、豪華な盛り合わせの数々に早速ワクワクさせられます。細かいメニューの内容はその時々によって変わるそうですが、今回は燻製のお肉にさっと炙ったベーコンとサラミ、チーズにはブルー系と白カビ系、それにパルメジャーノがあり、ジャムはイチジクのもので、レバーパテや出汁の効いたピクルスはどことなくアジアっぽい味つけがされてありました。一つの食材だけでなくチーズをつけたり、ジャムと合わせたりとお好みのコンビネーションが楽しめるので、この一品だけでワインがどんどんすすみます。ローストしたカリフラワーとパプリカ、あられ、2種類のパクチー、それにローストピーナッツがのったクリスピー・カリフラワーは、赤と白、そしてグリーンと鮮やかな色使いで、味付けはスイートチリソース的なものでアジア風に仕上げています。メインのローステッドスタージュンはトマト味のリゾットにソテーしたチョウザメがのっており、チョウザメだけ食べると少し油っぽい気がしましたが、リゾットと合わせることでコクが出るのを楽しめました。ただサイドのパールオニオンとサラダの両方はかなり甘めの味付けだったので、甘さが口に残り味のバランスの悪さが気になりました。

　「Gather」は少しフォーマルな感じはありますが、ちょっとお洒落なお友達の家のパーティにいるようなアットホームな居心地のよさもあります。また受付の人からウェイターの方までとても接客がとても丁寧で、サービスにも大満足できたのもポイントです。日曜日はブランチもやっていて、そちらも好評のようですし、選りすぐりのワインに限らずオリジナルのカクテルも人気なようなので、近いうちにまた訪れてみたいと思います。

（01/25/2016）

豪華なアンティパストの盛り合わせが楽しめるGathering Board。	Crispy Cauliflowerは全体をスイートチリソース的なものでアジア風に仕上げいます。	トマト味のリゾットにチョウザメのソテーをのせたRoasted Sturgeon