（掲載日：03/10/2025）

　オーセンティックなトルコ料理やギリシャ料理、レバノン料理などの地中海料理を長年手がけてきた経験豊富なシェフが、Morton Groveに新しくお店をオープンしたと聞きつけ、今回は「Cappadocia Mediterranean Grill」（発音：カッパドキア・メディテラニアン・グリル）を訪れました。お店は小さなストリップモールの端にありますが、目を引く赤い看板が目印です。店名の「カッパドキア（Cappadocia）」は、トルコ中央部に位置する歴史的かつ自然豊かな地域の名称で、火山活動と長年の風化によって生まれた奇岩群や洞窟住宅、地下都市が点在する、世界的に有名な観光地でもあります。また、古代シルクロードの重要な通過点としても知られ、多様な文化や食文化が交差してきたカッパドキアのように、同店では魅力あふれる様々な地中海諸国料理と、異国情緒漂う雰囲気を楽しむことができます。店内はベージュを基調とし、壁にはカッパドキアの工芸品や写真がさりげなく飾られ、素朴で温かみのある空間が広がっています。

　中東諸国の料理にはあまり馴染みがなかったため、今回はメニューの写真を見ながら気になるものを注文しました。まず、鮮やかなピンク色に目を奪われて、Pink Sultanをオーダー。これはローストしたビーツにヨーグルトとニンニクを合わせたディップで、口当たりがとてもまろやか。ビーツの甘さが上品に引き立ち、ピタブレッドと一緒に食べても、そのまま食べても美味です。

　ランチタイム（11AM-3PM）には、メインにサイドディッシュが付くお得なランチスペシャルがあるので、今回はその中からDoner Wrap SpecialとCombination Plate Specialをオーダーしました。Doner Wrapは、多種類のスパイスで味付けしたリブアイステーキをグリルし、赤玉ねぎやレタス、トマトとともに、メキシコのトルティーヤに似たフラットブレッドで包んだ一品。添えられたヨーグルトソースをお好みでつけながらいただくのですが、新鮮な野菜と香ばしく焼き上げたお肉の相乗効果で、旨みが引き立っています。Combination Plateは、チキンケバブとビーフケバブ、コフテケバブなど、さまざまなケバブを一皿で楽しめる贅沢なメニュー。さらに、潰したひよこ豆をコロッケ風に揚げたFalafelも添えられており、ボリュームたっぷりの満足感あるプレートです。ケバブ類はグリルの香ばしさに加え、クミンやパプリカなどのスパイスがしっかり効いており、本格的な味わい。一緒に提供されるシラントロ入りのライスは、爽やかな風味があり、肉料理との相性も抜群でした。

　デザートには、Kazandibiというトルコのカスタードプリンをチョイス。底にはカラメルが敷かれ、上にはウォルナッツとチョコレート、さらにアイスクリームが添えられています。なめらかなプリンに、香ばしいナッツとほろ苦いカラメルが絶妙に絡み、さっぱりとしたアイスクリームとの相性も抜群。甘さ控えめの上品な味わいで、取材班からも好評でした。

　対応してくださったオーナーさんは、終始笑顔を絶やさず、料理の具合を気にかけてくださるなど、心温まるサービスが印象的でした。ゆったりと落ち着いた居心地の良さも相まって、食事の時間がより特別なものに感じられました。シルクロードを通じて多様な文化が融合し、独自の豊かな文化形成のされてきたカッパドギアのように、同店では様々な地中海料理の魅力や歴史を、料理を通じて存分に感じることができます。どの料理も素材の新鮮さや、丁寧に調理された味わいが感じられますし、多彩なスパイスを使いながらも辛すぎるものはないので、家族でも安心して訪れることができるお店です。

鮮やかなピンク色が目を引く「Pink Sultan」は、ローストしたビーツにヨーグルトとニンニクを合わせたディップ	Doner Wrap Specialには、スパイスで味付けしたリブアイステーキと野菜をフラットブレッドで包んだラップサンドがのっています	チキンケバブとビーフケバブ、コフテケバブ、それにFalafeｌを贅沢にも味わえるCombination Plate Special
香ばしいナッツとほろ苦いカラメルが絶妙な組み合わせのKazandibiというトルコのカスタードプリン	落ち着いたベージュの壁には、カッパドキアの工芸品や写真が飾られています	素朴で温かみのある店内