シカゴ市とパークリッジ市の境にある「Cafe Touche」は、本格的なフランス料理をちょっとリーズナブルに楽しめるカジュアルなフレンチビストロです。オーナーシェフのJoe Calabrese氏は、ニューヨークのCulinary Institute of Americaを卒業後、シカゴの名店と言われる「Ambria」や、「Spiagia」、「Un Grand Cafe」、パークハイアットホテルなどでシェフとしての経験を積み、今回ご紹介する「Cafe Touche」だけでなく、同ブロック内にあるイタリアンレストラン「Zia’s Trattoria」のオーナーシェフも務めています。

白黒のストライプ柄の屋根とカエルのイラストが描かれた看板が目印のお店は、こぢんまりとした造りですが、高い天井と大きなガラス窓のおかげで、それほど窮屈感はありません。照明を暗めに落とした大人っぽい雰囲気ではありますが、誕生日を祝う家族連れや女子会のグループ、デートを楽しむカップルや老夫婦など客層は様々で、中にはお忍びで来ているニュースキャスターや警察幹部なども見かける事も。

まずはオードブルに、大好物のエスカルゴとVol au Ventというシーフード料理を頼みました。ぐつぐつと煮立ったニンニクのきいたバターソースの中に入ったエスカルゴは、丸々と肉厚で、歯ごたえがあります。トーストはついてきませんが、テーブルサービスに白い紙袋に入った、焼きたてのフランスパンが出されるので、それをちぎってエスカルゴをのせたり、バターソースをたっぷりと浸して食べるのもお勧めです。エビと貝柱、それにザリガニをクリームソースで和えたVol au Ventは、ふっくらとしたパイがお皿の中央に添えられています。肝心の貝柱とエビにプリプリ感がないのは残念でしたが、バターとシーフードのうま味が濃縮された濃厚なソースは絶品。また、サクサクとしたパイと一緒に食べるとリッチ感が増すのでお勧めです。

メインには鶏肉料理のPoulet Forestiereと仔牛肉を使ったVeau Cordon Bleuを頼みました。Poulet Forestiereは鶏の胸肉とマッシュルームをマディエラワインとクリームで煮たお料理で、サイドにはゴートチーズとチャイブ入りのマッシュポテトを添えています。鶏胸肉はしっとりとしていて、マッシュルームも生の風味を残したシャキシャキ感がよく、濃厚なソースの中でも素材の味わいが活きています。綺麗に絞り出しされたマッシュポテトも、チーズとハーブが味のヒントになっていて、飽きの来ない味わい。Veau Cordon Bleuは叩いて平たくした子牛肉にエメンタールチーズとハムをミルフィールのように重ねて、油とバターで揚げ焼きにしたもので、こちらもサイドにはマッシュルームとマディエラワインのソースがかかっています。ナイフを入れると、中からエメンタールチーズがらとろけ出てきて、塩味のきいたハムと子牛肉をソースに絡めて食べると、思わず笑みがこぼれてしまう一品です。

デザートには店員さんがライスプリンを勧めてくれましたが、メインディッシュのソースが濃厚なクリーム系だったので、果物を使ったアップルパイをオーダーしました。甘さが控えめで、さっぱりとしたりんごの甘酸っぱさにバニラビーンズのたっぷり入ったバニラアイスがよく合います。メイン料理でかなりお腹は一杯でしたが、ふと気づけば完食している美味しさでした。

「Cafe Touche」のお料理はどれもボリュームたっぷりで、本場の味わいなのにお値段はお手頃、しかもサービスも素晴らしいとあって、取材班がリピートしたいお店の一つになりました。週末にはミモザやブラディーメアリーが飲み放題のブランチもやっているほか、曜日によってはワインが半額になるスペシャルや、ライブ演奏なども行っているそうですので、行かれる前に一度ウェブサイトのほうも覗いてみてください。

(11/06/2017)

バターソースに入ったエスカルゴは、丸々と肉厚で歯ごたえがあります。	Vol au Ventはシーフードのうま味が濃縮されたソースが絶品。	鶏肉とマッシュルームをマディエラワインとクリームで味付けしたPoulet Forestiere。
Veau Cordon Bleuはエメンタールチーズとハムを重ねて揚げ焼きにしています。	デザートのアップルパイは、さっぱりとしたりんごの甘酸っぱさが食後にピッタリ。	落ち着いた大人っぽい雰囲気の店内。