シカゴ市北部のGladstone Parkにあるスパニッシュ・レストラン「Cafe Marbella」のご紹介です。Milwaukee Avenue沿いにある同店は、オレンジ瓦にレンガ壁という南欧をイメージさせる建物で、中は奥行のある造りになっています。白を基調にしたシンプルな店内ですが、スペイン国旗のデコレーションやBGMに流れるスパニッシュ音楽が、落ち着いたタパス（スペイン風居酒屋）の雰囲気を盛り立てています。同店ではシカゴ市内のスパニッシュ・レストランで経験を積んだオーナー・シェフのTrujillo氏が手掛ける、伝統的なスペイン料理の数々を楽しむことができます。

食事酒としてサングリアを注文しました。少し甘めの赤ワインに細かく刻んだフルーツを漬けてあるサングリアは、果物のフルーティーな味と香りがワインに染みわたっていて、とてもまろやかな味わい。赤ワインだけでなく白ワインベースのサングリアも用意されています。

冷たいお料理と温かいお料理に分かれている前菜のタパス（小皿料理）メニューから、まずは揚げたてのフライドポテトにブラバスソースと呼ばれるスパイシーなトマトソースをかけた、Patatas Bravasをオーダーしました。こちらはお酒がすすむ取材班のお気に入りメニューなのですが、トマトベースのブラバスソースには赤パプリカやカイエンペッパーがたっぷりと使われているのでかなりスパイシーです。子供や辛いものが苦手な方はソースをサイドで頼むことをお勧めします。次に出てきたアンダルシア風ガスパチョは、トマトやキュウリ、玉ねぎ、ピーマン、それにニンニクを合わせたスペイン料理を代表する冷製スープで、程よい酸味と新鮮なオリーブオイルの香りが魅力的です。シェフによると時期によって野菜の甘みが変わるので、それに合わせて調味料や食材のバランスを変えているとのことでした。特に夏野菜が旬のシーズンは、野菜の旨みと甘みが凝縮した冷たいガスパチョがイチオシだそうです。

メインには本日のスペシャルメニューにあったNYステーキを注文しました。グリルの焼き色が綺麗に入ったお肉にはマッシュルーム入りのブラウンソースがかかっています。肉汁とマッシュルームのうまみが伝わるソースはとても美味しかったのですが、残念ながらお肉がちょっと焼けすぎていたので、焼き具合をレアで頼めばちょうどよかったかもしれません。スペイン風ミートボールのクリームソース煮は優しい味つけが子供にも人気で、同様のクリームソースで炊いたリゾットとの相性も抜群でした。グリルしたカラマリは、味付けのパプリカとガーリックがしっかりと効いており、パプリカ好きにはたまらない一品なのですが、かなり大量にかかっているので、こちらは好みがわかれるかもしれません。その点オリーブオイルとガーリックのみでシンプルにグリルしたエビは、身がプリプリとしていて味付けのバランスもバッチリでした。締めに頼んだパエリヤはアサリやイカ、エビ、ムール貝、それにチョリソ・ソーセージなど具沢山で、それぞれの具材から出た豊かな旨みと芳醇なサフランの香りがお米にしっかりと染み込んでいて美味。パエリヤは出来上がるまでに４５分ほどかかりますので、オーダーの最初に頼んでおくのがお勧めです。

デザートにクリームブリュレをオーダーしたところ、少し焦げめのついた表面のカラメル部分と、甘さ控えめのクリーム部分がしっとりと合っていて、パエリアでお腹がいっぱいだったにもかかわらず、あっという間に完食してしまいました。

タパスは色んな魚介料理や肉料理を小皿で楽しめるので家族やグループで行くと、より多くの料理をトライできそうです。オーセンティックでありながらも、シェフのセンスと素材の良さを活かした美食メニューが勢ぞろいしており、特に評判のデザートメニューも見逃せないものばかりなので、是非食後にお試し下さい。その日のおすすめや旬の食材を使った限定メニューについては、ホームページをチェック、またはスタッフの方に訪ねてみてください。

(01/27/2020)

たっぷりの果物を漬けた自家製サングリアは、フルーティーでまろやかな味わい	フライドポテトをスパイシーなブラバスソースで味わうPatatas Bravas	程よい酸味と新鮮なオリーブオイルの香りが魅力的なアンダルシア風ガスパチョ
マッシュルーム入りのブラウンソースがかかったNYステーキ	スペイン風ミートボールのクリームソース煮は優しい味付けが子供にも人気でした	パプリカとガーリックがしっかりと効いたグリルド・カラマリ
グリルしたエビはシンプルだけど身がプリップリで味のバランスもバッチリ	アサリやイカ、エビ、ムール貝、チョリソ・ソーセージなど具沢山なパエリヤ	香ばしいカラメルと甘さ控えめなクリームがしっとり合ったクリームブリュレ