実際に食べ歩いてみてわかったこと
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トルティヤは、メキシコ料理の主食である。トルティヤとは小麦粉やとうもろこしで出来た皮のことで、日本食でどんな料理にもご飯がついてきてもおかしくないのと同じように、トルティヤは包むのに使うだけでなく、スープにもそれをちぎってつけたりしながら食べる。 |
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サルサはメキシコ料理の調味料的存在である。日本食の多くに醤油が使われているように、サルサはメキシコ料理の基本の味付けである。基本はトマトと唐辛子で出来ているが、レストランによっては辛いものとまったく辛くないもの、具沢山のものとサラッとしているもの、いくつかのサルサを用意してあるところなど、レストランによってオリジナリティがある。 |
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メキシコ料理は辛くない。今回試したメキシコ料理で辛い味付けのものはほとんどなかった。好みに応じてサルサをかけて辛くして食べる形が主流のようだ。丸めて手づかみで食べられるメニューも多く、子供づれでも安心のメニューである。 |
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メキシコ料理は経済的。タコスはひとつ1ドル程度からあり、それを3つも食べればおなかいっぱいになる。また、ブリトーなどはお店によっては$3・79なんて値段からあるが、とても食べきれないようなボリューム。おなかのすき具合によって自分でアレンジして注文できるので無駄がない。ただ、安いと思って調子に乗って注文しすぎるとカロリーも凄いので注意だ。 |
町を歩いているとたくさんのメキシカンレストランがあるのをご存知だろうか? ちょっと注意してみるとメキシコ人の人口が多いだけあって本当にたくさんのレストランがある。その中には入りやすそうなものから、ちょっと怪しい? という感じのものまである。こんなにたくさんのレストランがあるのに、意外なことにメキシコ料理を食べたことがないという日本人が多いのに驚かされる。メキシコ料理は辛くて、どれもタコスみたいで同じものというイメージが強いのだろうか? メキシコ料理好きのぷれ〜り〜編集部としては黙っていられない、と今回メキシカンレストラン調査に乗り出すことにした。
今回レストランを選ぶにあたりメキシコ人のオススメのレストランを聞き出した。また、どれを注文していいかわからないという読者のために写真付メニューガイドも作ったのでぷれ〜り〜持参でぜひ一度試してほしい。
■ラロス Lalo's
425 S. Roselle Rd.
Schaumburg, IL 60193
847-891-0911
www.lalos.com
1971年にダウンタウンのメキシコ人街で小さなレストランからスタートしたこのレストランは今ではシカゴエリアに12店舗を展開している。アメリカ人にも広く受け入れられているこのレストランだが徹底したメキシコらしさを売りにしている。メニューにも他のお店では見かけない本格メキシカン料理がそろっている。
店に入ると、99の岡村君似のお兄ちゃんがにこやかに迎えてくれた。メニューの相談にのってくれながら、次々に新しいチップスやサルサを持ってきてくれる。チップスは厚めでチップスそのものの味が楽しめる。サルサは辛めだが具がたっぷり。サルサと一緒にから〜いピクルスもついてくる。
マルガリータで有名なこのレストラン、週末にはマルガリータ目当てのお客でいっぱいになる。甘すぎず、アルコールの強さといい絶妙のバランス。また、サングリアは、普通赤ワインとフルーツで作られるカクテルだがやけにアルコールが強いねっと話していたらそれもそのはず、ブランデー入りだそうだ。ブランデー好きの人はぜひお試しを。 週末の夜になるとマリアッチの登場だ。マリアッチとはドンタコスみたいな格好をして、ギターを抱えたおじさんたちが各テーブルをまわって歌を歌ってくれるあれのこと。リクエストに応えてくれるが、そんな勇気のない人たちも周りのテーブルのために歌っているのを横から見るだけでも十分楽しめて、メキシコ気分が味わえる。自分のテーブルで歌ってもらったときはチップをあげよう。
ここの料理で特にお勧めしたいのがSopa
Marinaだ。シーフードスープとあるが、実際はシーフードたっぷりのブイヤベース。一人で食べてもみんなでひとつとってスープにしてもよい。このレストランではお客さんすべてにチキンスープがついてくる。これもメキシカンらしくライムがついてきて意外なおいしさにおどろかされるのだが、それを食べてもさらにSopa
Marinaは食べる価値のある一品だ。
■パンチョス Pancho's
816 W. Golf Rd.
Schaumburg, IL 60195
847-885-4056
11:00 am〜9:00 pm
家族で始めて10年になるというこのお店はファーストフードスタイルのお店だ。店内は小さいがメキシコらしいかわいらしい机といすがならんでいて、ホッとさせてくれる。メニューはすべて手作りということで、アメリカ人からメキシコ人まで広く愛されている。お昼を食べるには最適のお手軽なお店だ。
お店の方に人気メニューを聞いてみると、アメリカ人に人気なのはボリュームたっぷりのBurritoとのこと。たしかに$4・50で2食分はいけるこの味、ボリューム、うなずける。
メキシコ人に人気なのは、SopesとGorditasだ。これは、伝統的なメキシコ料理で、ピタパンやマフィンのような丸くて厚いパンのようなものが使われている料理。Sopesはこれを油で揚げて、ピザ生地のようにクリスピーなった上にビーン、チーズ、野菜、サワークリーム、それにお好みのお肉をのせたもの。Gorditasはこの生地を油で揚げずにまんなかをわって間に具をいれたもの。他のレストランではなかなか食べられないメニューとあって、これを目当てにやってくるメキシコ人が多いとのこと。
さて、編集部も試してみた。というか、知らずに頼んでしまったのよ〜。Sopesときいて、Soupと勘違いした私たちはたっぷり一人前のお料理にプラスしてこれも注文したのでした。出てきたものは、生地はもちもちカリカリ感、大きさも手ごろでたっぷりの食材がのっていて満足の一品。その後の取材でもソペスを注文し続けてしまいました。ちなみに、Soupはスペイン語でSopaなのでお間違えなく。
もう一つ、ぜひ試して欲しい物がTortas。メキシカンサンドウィッチという表現が一番わかりやすいと思うが、大き目のコッペパンのような形のパンの間に具がはさまっている。どれもランチにはぴったりの大きさで美味しいが特にオススメはCuban
Torta w/beans。ハムとステーキカツそれにアボガド、トマト、レタス、チーズとボリュームたっぷりに入っている。カツサンドのソースを抜いたような感じだが、サワークリームとアボガドによりマイルドに仕上がっているところにサルサのスパイスが加わって絶妙なバランスとなっている。
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ぷれ〜り〜編集部一押しのトルタ。後ろはソペス
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いつも清潔で明るいパンチョスの店内 |
メキシカン王道のソフトタコス |
■ロス アルコス Taqueria Los Arcos
1707 Algonquin Rd. (Algonquin & Busse)
Mount Prospect, IL
847-439-3181
(M-F)10:00 am〜10:00 pm
(Sat & Sun)9:00 am〜10:30 pm
チョウダン豆腐のお店のならびにあるこのお店。一応レストランスタイルだし、店内はきれいなのだが、見た目はどう見てもファーストフード。他のメキシカンレストランに取材に行った時にそこで働いているメキシカンのウェイターにランチだったらどこに行くの?と聞いたところ教えてもらった穴場。私達が食事中来たお客さんはすべてメキシカンだった。これは期待できそうだ。サルサは、具がなくなるまでサラサラにペーストされた物でとても辛いが味わいがある。料理にかけるのにぴったりだが、チップスにつけて食べるには私にはちょっと辛すぎかな?サングリアはあるのか? と聞いたら出てきたのが瓶入りアルコールなしのサングリアSenorial。味はファンタグレープをさっぱりさせたような感じ。微炭酸。
メニューを開いてみる。変った物好きの編集者がまず目をつけたものは
Brains(脳みそ)!! お店の人に『コレ美味しいの?』と聞いてみると、彼女も食べたことがないそうだ。メキシカンにとっても珍味らしい。こわくなって、止めてしまったが、挑戦してみた人はぜひ編集部までご一報を。次に目をつけたのがCow
Head(ウシの頭)。これはウェイトレスの彼女『今、私も食べていたところ、とっても美味しいわよ』と言ってくれた。さっそく、これを注文してみる。お肉と軟骨が一緒に混じっていて結構イケる。もつ鍋好きには是非試して欲しい。
さて、このお店で色々試してみた結果、一番のオススメはVeal(子牛)だった。これは、タコスやSopesなどに入れたり、一品料理として頼むこともできるがビーフシチューのようにやわらかく味つけがされている。丁寧に煮こまれていてお袋の味という感じ。他のメニューもどれも美味しいがこれは絶対に試して欲しい。
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いろんなメニューを一つずつ注文するのがメキシカンの楽しみ方の一つ
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このボリュームで一人前のチミチャンガ(って、この写真では分かりにくいか) |
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■シェビーズ Chevy's
1180 Plaza Dr.
Schaumburg, IL 60173
847-413-9100
www.chevys.com
ウッドフィールドモールのすぐ近くにあるこの店内はコンクリートの高い天井にカラフルな飾りつけ、まるでお祭りに迷い込んだような楽しい雰囲気だ。ここはメキシコ人には邪道と言われるかもしれない。メニューはベイビーバックリブのファヒタやチキンウイングなどアメリカンにアレンジされた物が揃っている。ここのチップスとサルサは編集部一押しの一品。取材した中でも一番美味しいのがここなのだ。チップスは薄くて軽くできていて、サルサもマンゴとパイナップルやローストされたペッパーが入っていてジューシーで止まらない味。
マルガリータは17種類もあって楽しい。特にお勧めはSeasonal
Fresh Fruit。その季節のフルーツをふんだんに使ったフローズン・マルガリータはさっぱりしていて熱い日にぴったり。取材に行った日のフルーツはブラックベリーだったが甘酸っぱくて美味しかった。スモールを頼んだのだがジョッキで出てきた。ラージを頼む人っていったい・・・。
ここはアペタイザーにいくつかのタパスメニューがあり、充実している。バーセクションでは平日の2時から6時はアペタイザーが全て半額になるのでお酒を飲みながらチョット食事をしたいときには是非どうぞ。アペタイザーとはいってもメキシカンだけあって十分なボリュームがあるのでおなか一杯になるだろう。
それから、ここは子供連れやバースデ―パーティーにもオススメ。お子様セットのようなメニューが$3・99でそろっている。お店の一角ではトルティーヤをつくるマシーンがおいてあり、フレッシュトルティーヤが次々に出てくるところを見ることができるので、食事に飽きた子供達も楽しむことが出来るだろう。また、バースデーの人にはメキシカンハットをプレゼントしてくれる。
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見た目にも楽しいファヒタはTEX
MEX(アメリカン・メキシカンのこと)ならではのもの
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アメリカンにアレンジされたメニューは意外な取り合わせに驚かされる |
ここのチップス&サルサはサイコ〜!いくらでも食べられるぞ |
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■ラ・マグダリーナ La
Magdalena(エルク・グローブとシャンバーグ店は閉店。現在はAddison店のみ営業)
www.lamagdalenarestaurant.com
950 Town Center
Elk Grove
847-593-9970
216 W. Golf Rd
Schaumburg
847-310-8331
ブラボー・ベーカリー(Bravo
Bakery) |
メキシコ人がパン? と不思議に思う人もいるだろうが実はメキシコのベーカリーは安くて美味しくて有名なのだ。チュロスを作っているのはメキシカン・ベーカリーと聞いたらうなずく人も多いはず。ここBravo
Bakeryもその一つ。場所は鳥新のすぐ裏(南)にあり、パンだけでなくジャンボプリンやケーキも扱っている。写真のボリュームで$5.00しないのだから驚きだ。
1758 W. Algonquin Rd. (Algonquin & Busse)
Mount Prospect, IL 60056 847-640-0111
4:00am〜10:30pm
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シカゴ北西部郊外に3軒のお店を持つこのレストラン、どこのお店も基本的にはメニューは同じでお店の雰囲気はそれぞれに異なるがどこもいい感じ。3軒を回ってみて編集部が一番気に入ったのはElk
Grove店。ここは、店内が明るく、なぜか料理もおいしく感じた。雰囲気、味、メニュー、値段ともにバランスが取れていて一押しのお店だ。
さっそく、サルサとチップスを試してみる。サルサはフレッシュトマトの味がたっぷりでとってもおいしいのだがとにかく辛い。けれど、辛い物好きでメキシコ料理通のスタッフにはたまらないおいしさだそうで、食事が来ることを知りながらも手を止めることが出来なかった。一緒に出てくるピクルスも、すっぱくてなかなかイケる。
残念ながらここのサングリアは編集部には評判がいまいちであった。理由はその甘さ。ワインにお砂糖とフルーツを加えてあるというこのサングリアは酒飲みの編集部員には甘すぎるのだ。甘い物好きの方はお試しあれ。
ここも、ミネストローネが全員についてきてこれもおいしいのだが、ぜひそれに加えてでも注文してほしいのがCaldo
De Res Con Arroz。ビーフスープなのだがやわらかく煮てある大きなお肉がたっぷり入っていてアメリカでは珍しいビーフシチューのような感じ。シラントロが効いているので苦手な人は取り除いてもらう方がいいが、これがよいアクセントになっている。野菜もたくさん入っていて、疲れてあっさりしたものが食べたい時や、あったまりたいときには一押しのメニュー。ここのお店、ひき肉やチキンはちょっとパサパサしていたが、ビール(子牛)やステーキは何を食べてもおいしいので試してほしい。
もうひとつ、おつまみとしても食事としてもオススメはメキシカンピザ。メキシカンソーセージと野菜やチーズがトルティヤの皮に挟まっているもので、一見ケサディヤに似ているのだが細かく切られて入っているピーマンのピクルスにより、すっぱ辛さがピリッときいていてさっぱりしている。皮もパリッとしていてやめられないおいしさ。また、デザートにはぜひ、他のお店では見たことのないチョコレートトルティヤを試してみよう。フラワートルティヤでチョコレートを包んでフライにしてあって、アイスクリームが添えられているのだが、このコンビネーションがとてもよい感じ。ここは、ホームページに20ドル以上の注文で5ドル引きになるクーポンもプリントできるのでぜひ一度覘いてみてほしい。
■ラス・パルマス Las Palmas
86 W. Dundee Rd.
Buffalo Grove
847-328-2555
シカゴ内にいくつかあるこのお店、雰囲気も店舗によりまちまちなのだが、ここバッファローグローブ店は小さいながら明るい店内で気軽に立ち寄れるレストランだ。お昼時にはサラリーマン風の人々でにぎわう。それもそのはず、ランチメニューは手ごろな量と値段のランチセットが数多くそろえられていて、どれも味はしっかりしている。日本人にはトルティヤでもフラワーのものの方が人気で、コーンで出来たものは癖があって苦手な人が多いのだが、ここのコーントルティヤはとってもおいしい。チキンフラウタスを試してみたのだが、チキンをコーントルティヤでくるんで揚げたこのメニューはスナックのようにサクサク食べることができる。
今回取材した中で、ここが一番おいしかったものがマルガリータ。さっぱりしていて、酸味が利いていて、グイグイ飲めてしまう危険なおいしさ。アルコールが十分きいているのだが強すぎることもないので食事と一緒にたのしめる。甘いものが苦手な人にも楽しめるおいしさだ。
デザートにはフライドアイスクリームを試してみよう。これは、中華のフォーチュン・クッキーのように、アメリカならでは。本場メキシコには存在しないメニューなのだそうだが、シカゴの多くのメキシカンレストランで見かける。ここのフライドアイスクリームはコーンフレークをまぶしたアイスをフライにし、そこに蜂蜜とチョコがかかっているもの。クランチーさとチュウイーさが面白い。
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ステーキブリトーはジューシーな肉の味がサイコーの逸品
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フライドアイスクリームは子供から大人まで楽しめるデザート
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フラウタスはおつまみにバッチリ |
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いつもタコスとブリトーという定番メニューから一歩離れてみると面白い味に出会えるメキシカン。ついついコッテリなものに目がいってしまい、お酒も頼まずにはいられないのが人間の弱いところだが、ダイエット中の人もたまには自分にご褒美はいかが?
読者の為に用意しました写真付メニューガイドもご利用ください。 |