船長の薦めMAGGIE'S |
島からベイフィールドに戻って来た僕らは船長の薦めでMAGGIE'Sというレストランへ。シーズンオフで人も少ないというのに、寒中、列が出来るほどの人気店。僕らも30分ほど待って入店したのだが、噂通りガーリックのよく効いたガーリック・ポレンタ・フライやちょっと辛めのコーンチャウダーが抜群。冷え切った体を温めてくれる。ここでもWHITEFISHを試してみたのだが、シュリンプとクラブミートのソースが絶妙だった。お店の人も愉快で遠いシカゴからシーズンオフに来た珍客である僕らにドリンクを振舞ってくれた。
MAGGIE'S
257 West Manypenny Avenue
Bayfield, Wisconsin 54814
715.779.5641
|
3日目にしてようやくミシガン州に入る。ここからが有名なミシガン州のアッパーペニンシラだ。ミシガン州はこのアッパーペニンシラとローワー・ペニンシラに分かれており、アッパーの方は一年を通して自然の美しさを堪能できるバケーション・デスティネーションとして知られている。特に大きなものだけでも100近くある美しい滝と灯台巡りは毎年多くの人々を惹きつける。この辺りを訪れる時は必ずインフォメーションセンターにより、トラベル・ガイドを入手しよう。写真入りで滝の高さやロケーションを紹介しているだけでなく、そこまでのアクセスも載っている。中にはかなり歩かないと行けないところもあるのでプラニングが必要だ。僕らはまずミシガン州の最北端にあたるコッパーハーバー岬を目指した。この岬までのUS-41はブロックウエイ・マウンテンドライブと呼ばれる中西部でも常にベスト5に挙げられるドライブ名所だ。終点にある岬は湖から約750フィートほどの高台になっており、そこからの景色は壮観。秋の美しい様相に溜め息をついていたら、隣にいた老夫婦にここは花の溢れる春もまた美しいと教えてもらい、次回はGFと来る事を誓い合った男二人であった。(僕らは時間の都合で見れなかったが、老夫婦の話ではサンセットも素晴らしいとの事)岬を後にした僕らはそのままムース(あのデカイ鹿)も生息しているというマーケットを経て、ミュニシングという街にあるPICTURED
ROCK NATIONAL LAKESHOREという広大な国立公園に針路を取った。ここまでの道のりは最初はもみの木、マーケットを越えた頃からは北欧に見られるような背の高い尖った樹々達が色とりどりの素晴らしい景観を楽しませてくれる。ミュニシングの街からH-58というローカルロードでピクチャードロックを目指した。10月を過ぎるとシーズンオフになってしまうが、夏の間はミュニシングの街からボートクルーズも出ており、自然が作り出した美しいランドスケープを楽しめる。特に三日月湾から飛び出したように聳え立つマイナーズ・キャッスルはとっても幻想的だ。そこまでの道のりも短いトレイルになっておりカエデのカーペットや滝が楽しめる。そこからはこの旅行のもう一つの目的でもあるタクアメノン滝を目指して車を走らせた。この滝は幅200フィート、高さ50フィートと、ミシシッピー川より東ではナイアガラに次いで2番目に大きな滝で、タクアメノンという名前はインディアンの言葉で「琥珀の水」を表す。その名の通り轟音を立てて滝壷に注ぎ込む水はアンバー色だ。これは上流にあるシードルの木々が水に溶け込んでいるのが理由なのだが、それに因んで近くのマイクロブルーワリー「タクアメノン・フォール・ブリューワリー&パブ」では琥珀色のビールが楽しめる。
|
|
|
静寂な水面に反射する色彩豊かな木々たち |
この辺りは地層学的にも大切な場所 |
夏に来るとクルーズで遊覧もできるPICTURED ROCK国立公園 |
滝の写真の撮り方 |
最近のデジカメにはナイトモードの付いているタイプが多いが、流れる様子を柔らかく撮影するにはこのナイトモードを使用するのがイイ。手軽にカレンダーのような写真が撮れる。ただし少しでも揺れるとブレてしまうので三脚は必携。 |
さて、僕らは轟音を立てるタクアメノン滝を後にして、アッパーペニンシラとローワーペニンシラを繋ぐ吊り橋マッキナク・ブリッジに向かった。このマッキナク・ブリッジ(通称マイティーマック)は1998年に日本の明石海峡大橋とデンマークのグレート・ベルト・ブリッジに抜かれるまでは世界一の長さを誇る吊り橋だったそうだ。この橋を超えてローワー・ペニンシラに入ってと直ぐにマッキナウ・シティーにあるインフォメーション・センターに寄り、地元の人たちの知っている紅葉スポットが無いか聞いたところ、年配のおばさんに『TUNNEL
OF TREES』という場所を教えてくれた。そこハイウエイを降り、US-31とC-66を使ってミシガン湖まで出たところにある119号という道を湖沿いに南下するローカル・コースなのだが、そこまでのC-66沿いのカントリーロードだけでも途中で広がる盆地が壮大で素晴らしいドライブ・コースなのに、119号に乗ってからの美しさは僕らの想像を絶していた。本当にあの美しさを表現する言葉を僕らは知らない。時速20マイルほどでしか走れない湾曲した道は「TUNNNEL
OF TREES」という言葉からも想像できる通り、木洩れ陽が少し差す以外は真昼だというのに少し暗くなっている。鮮やかに色を変えつつある樹々達が風に揺られて色とりどりの葉っぱを僕らのクルマに降り注ぐ。その様は不思議の国のアリスのエンディングのような感じだ。そしてその延々と続く美しいトンネルの隙間から時折右に見える真っ青なミシガン湖の澄み渡った美しさといったら本当に溜め息ものだ。この辺りは高台になっており、道の直ぐ向うは湖よりも100フィートほど高い所にある崖になっている。だから木々の向うは砂浜ではなく、湖そのものが見おろせる。そんなわけで、この辺りを走る時のBGMは絶対ジャズがいい。出発前に必ずCDコレクションに入れておこう。またここを走る時は出来るだけ昼下がりの4時以降がいい。というのもこの「TUNNNEL
OF TREES」には所々クルマを止めて崖の上からミシガン湖を見下ろせるところがあるのだが、ご丁寧にもベンチも据えつけてあって、夕陽が沈むまでの静かな時間を丘の上から過ごす事ができるのだ。都合、僕ら取材班は今までにもかなり多くの中西部の美しい夕陽スポットを取材してきたが、ここからの夕陽が一番平和で、静寂で、限りなく雄大だった。確かにシカゴからは随分と遠いかも知れないが一度は皆に訪れて欲しいスポットの一つである。
|
|
|
琥珀色の水が特徴のある大きなタクアメノン滝 |
マッキナク・ブリッジ |
カラーでお見せできないのが残念。TUNNEL OF TREES |
ここからシカゴまでの帰路にもマリーナのある素敵な街ハーバースプリングや、ビーバー・アイランドに行く事のできる高級感溢れるシャルルヴォアなどまだまだお洒落なスポットがいっぱいあるのだが、誌面の都合で今回はここまで。是非次回のミシガン特集にご期待ください。
NEXT
|