近年、本離れが進んで、活字に関する業界が苦戦し、新しい挑戦を試みているという話をよく耳にします。そんな業界の一つが図書館です。皆さんは図書館に何をしに行きますか？勿論本を借りに行くという人が多いと思いますが、最近の図書館は様々な方面に視点を変えて、利用者を増やす努力をしているようです。沢山ある図書館の中からシカゴ郊外にある幾つかの図書館をご紹介します。夏休みも近いという事で子供達が利用する機会が増えそうなキッズコーナーを中心に取材してきました。

お得情報！ ＜ Museum Adventure Pass＞ イリノイ州の各図書館では、図書館カードを持っていると、近郊のミュージアムのチケットを先着順で安く、または無料で提供しているプログラムがあります。最近は、オンラインで申し込みが出来るところもありますので、ウェブサイトからお住いのZipコードを入れて、詳細をご確認ください。

様々なアワードを受賞しているArlington Heights Memorial Libraryは、書籍の数は勿論、キッズコーナーやテック、スタジオも完備しています。

2024年1月には$745,000をかけてリニューアルしたKids' Worldがオープンし、子供達の好奇心や想像力などをやしなうスポットになっています。キッズのストーリータイムでは、ダンスやシャボン玉、鈴などを使っての体感的な内容が多いのが特徴です。

インターナショナルのコーナーでは、日本の雑誌が3種類程定期購読されています。また、毎月話題の本やお勧めの本が何冊も購入され、書籍の裏に緑色のシールでNEWと貼られているのが目印となっています。その新刊を目当てに借りに来られる人も多く、人気のコーナーとなっています。

様々なアワードを受賞しているだけあり、書籍の種類の豊富さは勿論のこと、ティーンのコーナーでは、専用のスペースやイベントもあり、日本の漫画の英語版は他の図書館よりも断然多く取り揃えています。Kids' Worldも充実していますので、オーディオ関連や映画、ゲームなど様々なジャンルで図書館を活用できます。

市町村によっては、その図書館のカードを使ってArlington Heights Memorial Libraryの本を借りる事も出来るので、お持ちのカードが使えるかどうかは、受付にお問合せ下さい。そしてクラスなどのイベントに参加希望の場合は、Arlington Heights Memorial Libraryで何時間かボランティアをして一年間有効のカードを作るか、有料で作るという方法もありますので、ご確認下さい。カードの詳しい情報は、こちらからご確認いただけます。

Kids' Worldの入口は奥のコーナーへと続くワクワクした空間	ティーンの部屋に入れないGrades4-6の子供達が使える専用のスペース	小さい子供達が自由に遊べるコーナーにはブロックやオモチャがたくさん！
色塗りやお絵描きなどの用紙やペン、ブロックなどが備え付けられたテーブル	遊びの空間の手前には子供用の書籍がたくさん並んでいます	小さいお子さんでも夢中になれるブロックのコーナーは いつも人気
コンピュータールームでは無料のクラスで様々なソフトについての体験が出来ます	最低でも2時間は借りられる2階のミーティングルーム	有料でコピー機などの設備が使えるので便利
日本語の雑誌は常に3冊あり、最新号以外は貸し出しをしています	日本語のコーナーは他国のコーナーより断然広く、沢山の書籍が揃っています	数か月に一度行われるブックセールは人気。

2年前には別館のMakerplaceがオープンし、その施設には日本のミシン、3Dプリンター、アイロン、レーザーカッターなど様々な機器やクラフトガジェットなどが豊富に揃っており、それに伴う無料のクラスが毎月開催されています。

地域のレストランシェフなどを招いて実際に作り、試食をする人気のクッキングクラスでは、様々なジャンルの料理のクラスが用意されています。

地下は広々としテーブルではペイントやクラフトなど色々なクラスが開催されます	ブラザーミシンが何台もあり、白黒糸が無料で使え、アイロンなど使用可能	毎月様々なクッキングクラスが開催されるキッチンは様々な設備が整っています

他の図書館に比べてキッズコーナーが充実していると言われているのがこちらのSchaumburg Township District Library。

1階のスペースの半分近くは子供専用のプレイエリアや子供用書籍コーナー、ストーリータイムの部屋などで充実しています。お子さん連れでプレイデートをしたり、親子で参加するイベントが多いので、交流の場となっているのが特徴です。

インターナショナルにも力を入れ、ウクライナや日本語、スペイン語、ポーリッシュ語など様々な言語のストーリータイムを開催しています。授乳スペースの完備や、キンダー前までに1000冊本を読むチャレンジプログラムがあり、登録時にトートバッグがもらえ、100冊クリアする毎にご褒美としてプレゼントがもらえる楽しい企画が人気です。書籍には日本語の本も冊数は少ないながら設置されているので要チェックです。

2023年には2階スペースにStudy roomがオープンし2時間使用することが出来ます。他には無料で参加できるESLクラスやマンツーマンのクラスはいつも人気です。オンラインで読める新聞のアーカイブも人気で、シカゴ界隈の主要な新聞やアメリカ他州の新聞、その他の新聞など莫大な量の情報が閲覧できるのはSchaumburg Township District Libraryならではと言えます。

メインの建物以外にHanover ParkとHoffman Estatesの2か所にも小さいながらちゃんとした施設と書籍を伴った支店があります。

キッズコーナーの一角にある楽しい空間への入り口	可愛らしい絵本の中の世界のようなデザイン	はらぺこあおむしが絵本の世界へ引き込みます

Mt. Prospect Public Libraryでは、キッズ向けストーリータイムが週に3回も開催され、カードがなくても参加できます。カード保持者は様々なサービスが受けれますが、2024年から自分のアカウントに白黒コピー200ページ、カラーコピー80ページが無料で使用することが出来るクレジットが追加されています。

キッズにも優しい図書館ですが、Mt. Prospect Public Libraryではティーンやアダルトの皆さんにも楽しんで貰えるアイディアが幾つかあります。今年一年を通してチャレンジできるBook BingoやMovie BingoなどBingoが大好きなアメリカならではのイベントかもしれません。

ADA (Americans with Disabilities Act)では、障害を持った方がより良く図書館を活用できるサービス、車椅子、歩行器、視覚補助ディバイス、拡大鏡などが利用できます。

館内には50台のコンピュータや6台のiPads、4台のラップトップなどが使えます。15人まで入れるStudy Roomsやイベント会場として利用する事ができる15人〜100人まで入れるMeeting Roomsもあります。

テーブルが低く使いやすそうなコンピューターコーナー	子供達が夢中になるような 知的玩具	小さいお子さんが必ず遊びたくなるショッピングカート
子供達はオモチャなどを通してすぐに仲良くなります	絵本などの書籍で作られた 小さな魅力ハウス	壁には可愛い絵が描かれて明るく華やかなコーナー

こちらの図書館も子供に優しくキッズエリアのスペースが他の図書館に比べて広く使われています。館内のみならず、外のエリアでは公園の様なプレイエリアがあり遊具も備え付けられているので外の日差しを浴びながら声や動きなど気にせず遊ぶ事が出来ます。

他の図書館と同じようなイベントや設備を行っていますが、サイトにあるサービスの所を見るとYouth、Middle School、Hight schoolなどカテゴリーに分かれてサーチしやすくなっています。

The Launch Pad、Digital Media Labsと呼ばれるコーナーでは様々なツールや機材を使って思う存分勉強やプロジェクトなどを進める事が出来ます。

毎日何かしらのクラスやイベントがあるので様々な年代やシーンで参加して楽しめそうです。

こじんまりしたキッズコーナーは広くシンプルな作り	子供達が夢中になって踏み歩くペイントコーナー	水の中に浮かぶネオンのボールを

今回は各図書館のキッズプログラムや施設などの特徴を中心にご紹介しました。どの図書館も利用者数を増やす努力に力を注いでいるようです。お子さんを遊ばせたい時、時間の出来た時や、調べものがある時、雰囲気を変えて本を読見たい時などに、是非図書館を利用してみてください。