●シカゴで買い物：Aya Pastry

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　ペイストリーコンペティションでファイナリストに選ばれただけでなく、ペストリーシェフ・アワードにもノミネートされたこともある話題の日本人ペイストリーシェフ、Aya Fukai氏のお店「Aya Pastry」へ行ってきました。同店はYelpのBest Pastry in Every State and ProvinceでIllinois州代表として選ばれているだけでなく、2023年の3月発行のChicago Social Magazineでは“The 22 Best Bakeries in Chicago”で名前が挙げられているなど、その実力と人気の高さはお墨付き。そんなお店のオーナのAyaさんは笑顔がとっても素敵な方で、とても27人もの従業員を率いるビジネス・オーナーとは思えないような素朴で気取らない人柄が魅力的です。Ayaさんは日本出身ですが9歳の時にボストンへ移住し、その後ボストン大学でビジネスを専攻した後、エグゼクティブパティシエとして活躍。14年前にシカゴへ引っ越しした後は、シカゴのハイエンドな名店で経営とシェフとしての様々な経験とスキルを習得しました。開店当初はレストランやカフェなどの卸売りを専門にしていましたが、コロナ禍によりレストランなどの卸先がどんどん閉店してしまったため、必要に迫られて小売りもはじめたそうです。現在は一般販売と卸売りの両方でビジネスを継続しています。

　お店では「自分自身の好きなものをお客さんにも喜んで食べてもらいたい」というAyaさんのモットーに基づいて、彼女のインスピレーションを元に自身が厳選した材料を使ったオリジナルの商品を提供しています。特に味の要となる材料の質にはこだわっていて、ベイクグッズの風味を左右するバターやチョコレートにおいてはAyaさんが信頼しているヨーロピアン・ブランドの製品しか使わないのだそうです。

Chewy Matcha Mochi Cake
	米粉を使ったモチケーキはまるで求肥のようなモッチリ感があり、中にはハチミツ入りの濃厚なクリームが入っています。翡翠のようは鮮やかなグリーンの色合いも美しく、食べるのがもったいないくらいの仕上がりです。
Banana Chocolate Peanut Butter Cake
	ピーナツバターソースとバナナのムースを使ったケーキは甘さが控えめで、ナッツがいっぱいトッピングされています。鏡のように艶々としたチョコレートのガナッシュでコーティングされていて見た目もとても上品。
Yuzu Vanilla Cake
	スポンジと柚子クリームを何層にも重ねたケーキを、甘さを控えめのバタークリームでコーティングしています。爽やかだけどほんのりと苦みのある柚子の味わいにさっぱりとしたバタークリームのハーモニーが最高です。 和風スイーツの美味しさをもっと知ってもらいたい、怖がらずに食べてもらいたい、というAyaさんの思いが込められたスイーツです。
Samoa Cake
	このSamoa CakeはAyaさんが大好きなガールスカウトクッキーからヒントを得て出来たそうです。しっとりとしたチョコレートケーキをドルチェ・デ・レチェのバタークリームでコーティングし、トースティッド・ココナッツをたっぷりとまぶしています。一口食べると手が止まらない危険な美味しさ。
Paris Brest
	プラリネ（焙煎したナッツに加熱した砂糖を加えてカラメリゼしたもの）をムース状にしたものをシュー生地で挟んだお菓子です。ナッツの香りが高く、特にヘーゼルナッツ好きにはたまらない一品。
Kouign Amann
	外側に施された砂糖とカリカリとしたカラメルソースのザクザク感が、バターたっぷりのクロワッサン生地にピッタリです。程よい甘さ具合も良く、取材班のお気に入りアイテムの1つになりました。パティシエの高い技術が必要とされるクイニーアマンですが、Ayaさんの手にかかるとさすが！極上の仕上がりです。
Blood orange bun
	クリーム入りのメロンパンもあります。毎月フレーバーが変わるのですが、取材時は元気な色合いが目を惹くブラッドオレンジ味でした。クリームも円やかな味わいで、子供にも大好評でした。
Butter Croissant
	高質のバターを使ったクロワッサンは切るとバターの層が見事な美しさ。外はカリッと中はしっとりしていて、サワードウの風味で味に深みがあります。
Scallion Cheddar Biscuit
	刻んだネギとチェダーチーズをミックスして焼いたビスケットは、バターをたっぷりと使っているので風味がとっても豊か。朝食にもスナックにもぴったりです。
食パン
	外側はこんがりと焼いてあるのに中はしっとりとキメ細やな食パンは、熱廻りをコントロールするために三つの山形に形成しているのだそうです。トーストやサンドイッチなど、どんな食べ方でも最高です。

　仕事をする上でAyaさんは「家族」とも呼んでいるスタッフ達と密に話し合い、アイディアを共有することを大切にしています。お互いへの尊重とコミニケーションを大事にしているので、スタッフ全員がとても和やかに積極的に仕事をしているのが感じられましたし、最高のベイクグッズが出来上がるのだなと納得。そんなスタッフ全員の情熱と知恵が詰まった、シーズンやイベントに合わせた新商品も次々と出てきますので、詳細については同店のインスタをフォローしてみてください。

（04/17/2023）

ナチュラル感溢れる落ち着いたインテリア。テイクアウトのみでイートインは出来ないのでご注意を	笑顔がとっても素敵なオーナーシェフのAyaさん	Ayaさんの長年のお客さんがプレゼントしてくれたというアンティーク調のオーブン