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新年あけましておめでとうございます。今年も様々な旅情報をお伝えしたいと思いますのでよろしくお願い致します。アメリカにいるといつもわからなくなりますが、今年は平成22年、干支は寅年です。年末年始は、特番が多いなか、いつも話題に上がるのは大河ドラマです。2010年の大河ドラマは、オリジナル作品・“龍馬伝”。坂本龍馬が主人公になるのは42年ぶりだそうです。人気俳優が主人公に加え、名脇役の俳優など、普段見られない豪華な顔会わせで毎年楽しみにされている方も多いでしょう。まったく無名の俳優が大河ドラマで脚光を浴びたり、ロケ地には観光客が殺到します。この龍馬伝による経済効果は、234億といわれています。そこで今回は、アメリカでは放送が少し遅いので、今月に最終回を迎える天地人の舞台の中心地となった新潟、山形、そして福島よりドラマゆかりの地を幾つかご紹介したいと思います。
主人公直江兼続は、上杉家の家臣でありながら、豊臣秀吉や徳川家康などの名将らを魅了し、そして恐れられたといわれ、その波乱に満ちた生涯のなかで彼は「民・義・故郷への愛」を貫き通したと言われます。利を求める戦国時代において、愛を信じた兼続の生き様は、私たち現代人にさえ鮮烈な印象を与え、そして失われつつある日本人の義と愛を思い起こさせてくれます。数ある大河ドラマのなかでもその内容は非常に好評を得ました。
新潟県南魚沼市は、兼続の故郷であり、まさに後に上杉家の一時代を築く始まりの地です。当時、町東にそびえる坂戸山には城が築かれ、越後と関東との国境を守っておりました。また、1300年の歴史をもつといわれる雲洞庵は、戦国時代、越後四大寺院のひとつとして栄え、兼続もまた、この寺で学び幼少時代を過ごしたといわれます。また南魚沼といえば、コシヒカリの名産地として有名、もちろんそれを原料にした日本酒も有名です。アメリカで白米が手に入るといっても、比べ物にならないですね。
新潟県上越市は戦国時代、越後の政治の中心であり、京の都との交易で大いに栄えました。天地人ドラマのなかでもなくてはならない存在、「上杉謙信」が少年時代に修行した林泉寺があり、そして彼がそこで培った「義の精神」は、後に兼続へと引き継がれていきました。海岸から2キロ余り内陸にある春日山は、上杉謙信が城主として治めたといわれ名高いです。
城下町、山形県米沢市には、その上杉謙信を祀った上杉神社があります。境内にある稽照殿には、兼続所用と伝わる甲冑が残されており、兜の前立てにある「愛」の文字は、仁愛や愛民の精神を表わすといいます。そのほか、兼続が信仰した愛染明王や、戦国武将が信仰した戦の神・愛宕権現に由来するともいわれます。歴史ある古民家の雰囲気のなかで、まさに「天地人」の時代に思いをはせて見たい方は、赤湯温泉の瀧波旅館はいかがでしょうか。瀧波の母屋は、350年前米沢上杉藩時代の大庄屋の屋敷を移築復元したものです。米沢牛と温泉が楽しめ、また毎朝、庵主自ら作った手塩米にて、目の前でお餅をついてもらえます。
次の里帰りには、日本らしさを感じられる上越・東北地方を訪れてみませんか。歴史あふれるゆかりの地で義と愛の精神に感銘を受けてみては如何でしょうか。
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