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日本人といえばやっぱり温泉。身体の芯から暖まり、心も体もリラックスな極楽が恋しいー、なんていうあなた。ここアメリカにも温泉(ホット・スプリングス)といわれるものがあるのをご存じでしたか。
そこで、今回は、こんな「温泉」もありなのか、というアメリカ版温泉をご紹介します。その名もホットスプリングス。ここはクリントン元大統領の故郷でもあるアメリカ南部アーカンソー州に位置します。州都リトルロックから車で約1時間。実は国立公園のひとつでもあります。
日本の火山地帯から沸く温泉とは違い、雨水が、山岳地帯に露出した鉱脈の気孔や岩の割れ目に導かれ深く大地に浸透。鉱物の分解熱で温められた雨水は自然に殺菌され、ミネラルをたっぷり含んだ温水となって再び地上へ姿をあらわします。ホットスプリングス最盛期の1820年代から19世紀後半にかけては湯治場と人々に知られ、トルーマン、ベーブ・ルースも訪れ、現在も、軍事病院などのリハビリテーションに利用されているほか、航空宇宙博物学の分野においても活用されているそう。
さて、それでは実際に足を踏み入れてみましょう。宿泊先としてお勧めなのはArlington
Resort Hotel&Spa。1924年創業の歴史があり、アルカポネも泊まったことのあるというゴージャスなホテル。映画にでてくるような手動式エレベーターに乗せてもらい、いざ、バスハウスへ。意外にもいつも予約でいっぱいなので、事前予約をお勧めします。選ぶはもちろんフルコース。まず、ロッカーで服を脱ぎ、バスタオルにくるまりながら、担当のおばさんにいわゆる風呂場に連れて行かれます。そこで、みたものは、日本のわが家にある、バスタブ。そう、ちゃんと肩までつかれるやつです。しかもジャグジーつき。一つ一つ、カーテンで仕切られており、そこに身を沈め、15分間リラックス。のぼせないようにおばさんが冷たい水も運んできてくれます。ちょっとフラフラになりながら、今度は、顔だけ出る銀のスチームボックスに入れられます。身体が完全に暖まったところで、ベッドに寝かされ、全身を布に覆われ、首、肩、腰など、凝りを感じる部分に熱いタオルを集中的におかれます。顔には冷たいタオルを置いてくれるので、そのギャップが何とも言えない、気持ちよさ。うとうとしてきた頃に、シャワータイム。リフレッシュしたところで、今度はヒンヤリとした、クーリングルームへ。ちょうどいい暗さで、ベッドに横になり、締めのマッサージを待つのみ。名前が呼ばれた頃には、いい感じで身体もクールダウン。
アロママッサージで、まさに心も身体もうっとりのアメリカ版極楽体験。半分夢気分で、バスハウスを後にできる、バスハウスフルコースです。
まだまだ温泉が物足りない。と言う方はご安心を。ホテルの上階から通じる離れに屋外ジャグジーバスがあり、フレッシュなミネラル水を片手に夜空を観ながら温泉気分。なんていうことも可能です。ここはアメリカ。水着も忘れずに。
次回の旅は食べ物も人の雰囲気も中西部とはちょっと違う南部で、ちょっと変わったアメリカ体験はいかがでしょうか。 |