“I
left my heart, in San Francisco” でおなじみのカリフォルニアの街、青い海の色に映える真っ赤なゴールデンゲート・ブリッジやアザラシの声も聞こえてくるフィッシャーマンズ・ワーフ。そして最近では「IT産業のメッカ」ともいえる発展のために、地価高騰でも話題になっていますね。
アメリカ国内でも一大都市の仲間入りをしているサンフランシスコは、地理的にも非常に観光しやすい場所。家族みんなで楽しめる場所もたくさんあります。「サンフランシスコ初めてさんにオススメのスポットを中心に、年間300日ほどが快晴(霧は出ますが)、とまで言われている爽やかな港町をご紹介していきます。
<簡単な歴史を知ろう>
サンフランシスコの街は、カリフォルニア州で起こった「ゴールドラッシュ」の歴史と深く関係しています。1848年の1月にコロマという場所にあったアメリカ川で金が見つかり、それを期に30万人ものパイオニア達が陸路や海路を使ってサンフランシスコに集まってきたそうです。1849年にやってきた採掘者が一番多く、彼らは49ersとよばれました。そう、今でもこのニックネームは地元フットボールチームの名前になっていますね。金が見つかる前は人口200人程度の街だったサンフランシスコが、1852年にはなんと3万5千人以上の都市となり、インフラストラクチャーが整い、学校や教会などが創設されていきました。そして1850年には、カリフォルニア州が31番目の州としてアメリカ合衆国に加盟の流れとなったのです。
「ゴールドを見つけて一攫千金」を願った人たちが集まった場所、ということで、カリフォルニア州のニックネームは“ゴールデン・ステート”であり、州章にはEUREKA(私達がそれを見つけた!)という文字が入ってます。ちなみに、ギリシャのミネルバ女神様のまわりには、カリフォルニアを象徴するグリズリーベア、船、美しい山並、ワイン作りのための葡萄、そして金鉱堀り達が使った道具などが描かれています。ちなみにこの州章、キューバ生まれのアーティストRosa
Estebanezによる大きなものが、サンフランシスコ市内のシヴィック・センターで見ることができます。
<基本情報>
世界中からの観光客が集まる都市だけに、空港設備もしっかり。ヨガルームや動物用のリラックスルームもあり、またカリフォルニア・ワインを楽しめるバーや、サンフランシスコ・近代アート博物館の支店もあり、トランジットとしても利用しやすいエアポートと言えます。「LGBTQ文化発祥の地」としても知られるリベラルな街を象徴するかのよう、大きなレインボーの旗が飾られているのもサンフランシスコならでは。この旗をデザインしたギルバート・ベイカーはカンザス州出身、1978年にサンフランシスコで行われたGay
Freedom Dayの日に初めて利用され、以降この“レインボー・プライド”というムーブメントの元に、世界中に広がっていきました。ちなみに、空港内の違うターミナルを行き来するためには、Air
Trainという無料シャトルを利用すると便利。
空港には、BART(Bay
Area Transitの略)が直結しており、この高速鉄道を利用すれば、サンフランシスコ名物とも呼ばれる交通渋滞に入ることなく、ダウンタウンへ約30分で向かう事ができます。使い方はとっても簡単。国際線・出発ターミナル階につながっているBARTのサインに向かい、自動販売機から目的地までのチケットを購入するか、Clipper
Cardと呼ばれている7つの公共交通機関で利用できるプリペイドカードを購入します。このクリッパーカード、非常に便利なもので、Bart以外にも市営鉄道&バスの(Muni)や、ケーブルカー、郊外向け通勤列車Cal
Train などでも利用可能。3ドルの発行手数料はかかりますが、滞在中に何度も公共交通を使う予定の場合はオススメです。Clipper
Cardにお金を加算する場合も、駅構内の自動販売機でおこなえます。またカード自体は、サンフランシスコ・ダウンタウン内で「石を投げたらあたる」ほどの数を誇るドラッグストア、Walgreensでも購入可能。
<やっぱりここに行かなきゃ!サンフランシスコ編>
●フィッシャーマンズ・ワーフ
サンフランシスコの観光ブックのどれにも載っているのがフィッシャーマンズ・ワーフ。埠頭部分には、シーフードレストランはもちろん、様々なお土産屋さんや観光名所が目地通し。しかもあのケーブルカーに乗ればダウンタウンからひとっ飛び、思いっきりガチなツーリスト気分になりますね。「漁師の波止場」と訳せる場所だけに、茹でたての蟹やロブスターに目移りしながらピア45へ向かい、ちょっと小粋なThe
Grotto Restaurantで真っ赤に美しいゴールデンゲート・ブリッジを望みながらのお食事はいかがでしょう?1939年創業の老舗の味、ここでのクラブ・メルトは、たっぷりの蟹の身ととろけるチーズがたまらない美味しさ!お腹がいっぱいになったら散策開始、まずはすぐ横のレトロゲームが集まっているMusee
Mecaniqueへ。入場は無料ですが、実際に300を超えるアーケードゲームの各種を体験したければ、両替機を使ってコインをゲット。レトロだけに、技術的にも美的にも???なものもありますが、ちょっとした遊び心で異色のゲームを楽しむのもいいのでは?
香ばしい美味しそうな香りに沿って歩いていけば、そこはBoudin
Bakeryの本店。ここではサンフランシスコ名物であるサワードー・ブレッドを実際に製造しており、また購入もイートインもできます。ガラス窓から製造工程を覗けるので、ちょっとした「社会科見学」気分。こちらの酸っぱいパンは、ヨーグルト菌と同じもので発酵するためだとか。それだけで食べるとちょっと「ん?」という感じですが、クラムチャウダーなどのスープと一緒だと、かなり美味!道を挟んだところに見つけたチョコレート屋さん、大きな牛が真ん中にドバ!っと待っていてくれますが、とろけるようなファッジやアイスクリーム、世界各国からのチョコレートに、そう、「ベーコン・チョコ」はいかがでしょう?
ピア39まで歩いていくと、そこはもう「遊園地」状態。2階建て回転木馬などのアトラクション、水族館、お土産やさんもいっぱい。そして何よりも、不思議な鳴き声の宝庫。。。そう、アシカたちがわんさか所狭しと集まってきています。実は90%ほどが男の子、怪しい鳴き声は、雌のアシカちゃん恋しさのためなのだそうで。ちなみに妊娠した雌アシカちゃん達は、このハーレムから去り、もっと静かな場所で子育てに勤しむらしい。ピア39から反対方向に歩いて行く道のりにも、蝋人形館や様々なブティック、レストランが並んでいますが、これらを振り切ってでも向かいたいのが、泣く子もだまる「ギラデリ・スクエア」。スイーツ大好き女子&男子、必見の場所であり、大きなテーマ・パークのようにもなっています。イタリア移民のギラデリ・ファミリーによる濃厚であま〜いチョコレートやパフェ。試食もできますが、やっぱりトライしていただきたいのは、World
Famous Hot Fudge Sundae!
大きさにびっくりですが、意外と完食できちゃう自分にもびっくり?ギラデリ・スクエアの前は、公園になっていて、眺めも最高!海洋・船舶関係にご興味のある方は、ぜひMaritime
Museum へも足を運んでみてくださいね。
●ゴールデンゲート・ブリッジとゴールデンゲート・パーク
海岸から簡単に見つけることのできるこの美しく偉大な吊橋は、サンフランシスコのアイコン的存在。実際の橋の色はゴールデンではなく、「鮮やかな赤」である理由は、霧の深い日にも見つけやすいから、だそう。1937年に完成した橋は、車の移動用だけでなく、自転車や徒歩でも渡ることができ、観光客で賑わう場所です。アクティブに行くなら、フィッシャーマンズ・ワーフあたりで自転車レンタルをし、吊橋を渡る(40分くらい?)はいかがでしょう?ただ、風が強い場所になりますので、なにか羽織るものをおもちくださいね。サイクリングしながらの眺めは最高!
あまり時間のない方は、バス停にもなっている“ビジターセンター”に直行。インフォメーションセンターとお土産屋さん(Bridge
Pavilion)、そして筒型のカフェ(Round
House)なdもあり、このカフェから眺めるブリッジもなかなかのもの。橋の仕組みを表した模型や、実際に使われているケーブルの展示などもあります。
日比谷公園の28倍とも言われるゴールデンゲート・パークは、市民の憩いの場としても、観光地としても愛されている場所、横5キロに広がる大きな公園です。博物館や日本庭園、水族館に美術館、そしてバッファロー牧場も!パークの中にある湖や池の周りには、たくさんの野鳥達が集まるため、バードウォッチングの宝庫としても名高いようです。週末になると、家族連れや友達同士でピクニックを楽しみ様子が見られますが、観光客的に足を運びたいのが
「カリフォルニア科学アカデミー」。エコ設計で知られており、環境に優しいハイテク科学を学べる場所、として世界中からのビジターで賑わっています。地下に水族館、中心部には熱帯雨林の植物園、そして、“世界一大きい”と言われているプラネタリウムは大人気。混雑している日は、まずこのプラネタリウムに入る整理券をゲットしてから他の展示物を回るのがベスト。外観からはわかりにくいのですが、屋根の上もエコを考えてあり、この地域で育ちやすい200種類近くの植物で覆われています。
●アルカトラズ島
サンフランシスコ沖にぽっかりと浮かぶ小さな島、かつては「監獄島」と呼ばれていたこの島が、あのアル・カポネも投獄されたアルカトラズ島です。現在は
連邦刑務所としての役割はありませんが、国立公園として指定され、実際に利用されていた刑務所内を見物することができます。南北戦争時代から監獄として使われていた場所だけに、なんとも背筋が伸びる!場所ではありますが、ご興味のある方は国立公園のウェブサイトで予約するもよし、各社が出しているオプショナル・ツアーに参加するもよし、どちらにしても、ぜひ“早めの予約”をオンラインなどで済ませてプランしてください(大変な人気です)。ピア33にはカフェやお土産屋さん、レストランもありますので、こちらにも時間にたっぷり余裕を持って到着してオッケー。
まずは予約時間に合わせてピア33へ。フェリーの所要時間は約15分間、世界中からの観光客としばしの船の旅。船上ではビデオによりアルカトラズ島の歴史などの説明もあります。島に到着してすぐにパーク・レンジャーによる簡単なオリエンテーションがあり、その後、各自で出発!上り坂がなかなかきついのですが、この道から眺めるサンフランシスコのスカイスクレイパーもなかなか。途中、教会跡や火葬場跡などを横目に、海風にあたりながら「セル・ハウス」入り口に到着。そこでヘッドセットが配られますが、日本語チャンネルもあります。なかなか‘演技派’オーディオツアーの声、この説明に従って独房や、逸話の残る箇所、図書館、キッチン、監視室などを回ります。最後はもちろん、「ギフトショップ」で終了。ギャグ狙いなのか、ミニ・手錠や、囚人用の食器なども購入できますよ。
●美味しいダウンタウン!
ハイテクな街、サンフランシスコですが、食の都としても楽しめます。大都市ならではの「世界の味」が楽しめ、また仕事バリバリで忙しい人達を賄うためか、Quick
& Easy & Affordableな場所もたくさん。ダウンタウン・サンフランシスコは歩きやすい街ですので、みなさんもぜひ徒歩でお楽しみください。もちろん、あの!ケーブルカーに乗る停留所もダウンタウンにありますが、観光シーズン中は長蛇の列。ケーブルカーが方向転換する時は、現在でも「人力」で行われていますので、その様子を覗くだけでも価値あり!ですよ。
ゴールドラッシュ時代の流れを残す、ガス灯や石造りの豪華なWells
Fargo Bankなどが美しい街並みですが、そのあたりには、ネパールのスナック餃子に似た“Momo”の屋台(Bini
Nepalise Momo)や、インドのクレープ”Dosa”のお店(Dosa
Boys)に列ができています。お昼のアイデアに困ったら、大きなイベントホール、Moscone
Center近くにある“Meteron”がおすすめ。4th
とミッション・ストリートというダウンタウンの真ん中にあるフードコートには、和洋折衷の味が楽しめるお店が並んでいますが、この中でも筆者のおすすめはWAFL。香港スタイルのワッフル、甘い系からお食事系(ワッフル・ピザ!)など、焼き立ての味が楽しめます。フードコートで購入したTo
Go Lunch を持って、すぐ目の前のYerba Buena Gardenでちょっとしたピクニックはいかが?
夜はテーブル・サービスで、という方には、美味しいイタリアンはいかがでしょう?Hotel
Abriの一階にある“Puccini
& Pinetti”では、本格的なパスタから、カリフォルニア的な新鮮イタリアンメニューまで、幅広く選べます。なんと行っても、サンフランシスコ内で「ワインの種類が一番多い」レストランとしても知られている場所、近郊のナパやソノマのワインも豊富に揃っています。
●フェリービルディング
“西海岸のウォール街”とも呼ばれるエリアだけに、以前は観光地としては知られていない場所ではありましたが、2003年からこのフェリーターミナルの内部を「おしゃれで美味しいマーケット」として新開発。それ以来、地元のグルメな人たちや、美味なモノや流行りモノに敏感なビジター達も集まる、人気の場所に成長。オーガニックな食材や、こだわりを持つアーティサンなお店、話題のレストランやカフェがならんでいます。もちろん、フェリーターミナルとして、現在もまだ機能している場所ですので、時間帯によっては、フェリー通勤・通学をされている方たちの長い列をみかける事も。
マーケットストリートを東に進んだ先にあるターミナルは、外観もとても美しい建築物。白い塔の中に入ると、室内型のマーケットとなります。日本でも有名なブルーボトル・コーヒーや、ダンデライオン・チョコレート、そしてアイスクリーム好きにはぜひトライしていただきたい、Humphry
Slocombeというショップも。ここのアイスクリームの味は、一瞬奇妙、ではありますが、新鮮な味わいでいっぱい。どの味にするか悩んでしまうあなたは、ぜひ“Secret
Breakfast”を試してみてくださいね。
サンフランシスコ内の有名レストランがオーダーするという、Acme
Breadというパン屋さんでは、完全オーガニックの焼き立てパンが楽しめるし、Cowgirl
Creameryのイートイン・スペースではぜひグリルド・チーズ・サンドイッチを。他にも、オイスターで有名なHog
Islandや、コールドカット肉専門店など、お腹をすかせて向かいたいフェリー・ビルディングです。火・木・土の午前中は、ターミナル外でも「ファーマーズ・マーケット」が開催。サンフランシスコの“今!”を知る食材やアートの数々が楽しめる場所になります。
●シビック・センター
シビックセンターと呼ばれるエリアは、サンフランシスコの行政関係の施設が集まっている場所。一番注目をあびるのが美しいドームのサンフランシスコ市庁舎。公共施設なので、建物の中にも入れます。まるでヨーロッパのお城を想像させるような豪華なインテリア、あのマリリン・モンローもこのシティ・ホール内部で結婚式を行ったんですね。世界で5番目の大きさを誇るバロック式のドーム天井、美しくデザインされた階段など、本当に「絵になる」シティ・ホールです。
シビックセンターエリアには、他にも、1951年に「サンフランシスコ講和条約」が結ばれたオペラハウス、州政府のオフィスが入っているビル、シンフォニー・ホール、そしてアジア美術館が建っています。実は、アジア美術を特化したミュージアムとしては、アメリカ最大と言われているだけあり、「あ!これ歴史の教科書でみた!」的な嬉しい再発見があるかもしれません。
毎月第一日曜日は無料で入館できるという嬉しい企画もあり。
●ツイン・ピークスとカストロ地域
レインボーな旗を目にする事も多いサンフランシスコですが、その中でもカストロと呼ばれる地域は、LGBTQのメッカと呼ばれ、またツイン・ピークスという眺め最高!な小高い丘にも近いため、観光客もたくさん訪れる場所です。公共バスMuniに乗れば10分ほどで到着するこのエリア、メインストリートとなるカストロ通りを歩けば、あまりそちらの世界になれてない方には「あらまぁびっくり!」的なアダルトショップが並んでいたり、セブンイレブンにもレインボーな旗が掲げてあったり、と、やはりここがメッカと呼ばれる場所なんだ、と再認識させられます。非常に穏やかで、フレンドリーなゲイのお兄さんと小話をし、まだ様々なマイノリティとしてのプレッシャーを感じつつ生活している皆さんの強さに感銘し、、、特にこの分野にご興味の有る方、もっと学んでみたい、と思われる方におすすめなのが、GLBT博物館。歴史やバックグラウンド、そして将来への問題や改善策など、様々な目線からLGBTQの世界を知ることができるミュージアムです(http://www.glbthistory.org/museum/)。カラフルな出で立ちのおしゃれなカフェやレストランも並び、サンフランシスコに来たら、ぜひおとずれたいエリアの一つ。
カストロ街から近い「ツイン・ピークス」に上がれば、サンフランシスコ全貌を見渡せます。名前からわかるように、2つの丘でできているこの高台、カストロエリアからはミニバス#37でアプローチ可能ですが、麓までしかいかない、、、頂上までは歩く。というわけで、レンタカーがあると便利です。電波塔を目指して登ると、そこからの景色はまさに「ザ・サンフランシスコ!」、お天気の良い日でしたら、ゴールデンゲート・ブリッジまで確認することが可能。昼間もきれいなのですが、おすすめは夜景、カップルのイチャイチャを尻目に、瞬く光の中のサンフランシスコを楽しんでみてください。
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