今回特集するのは好評企画「Neighborhood街歩きシリーズ」の第6弾、リンカーンパーク(北東部)です。リンカーンパークはこれまでご紹介した街の中でもひと際大きくて見どころも多いので、今回は街の中央を横断しているFullertonよりも北のエリアの湖側に限定してお届けします。このエリアには住民の憩いの場である自然溢れる大きな公園とヨットハーバーがある事で知られており、湖沿いのお散歩コースであるシカゴ・レイクフロント・トレイルは、長いルートの中でもおそらく一番ダウンタウンの景色が綺麗に見える場所なので、波風を受けながらウォーキングがとても楽しいエリアです。もちろん、アップスケールなレストランやカフェ、ショップなども多く週末ウォークにはぴったり。今回も先輩とたまちゃんのコンビがローカル・シカゴの魅力を皆さんにお届けします。
リンカーンパーク
このエリアは1865年まではLake Parkと呼ばれていましたが、1865年の4月に暗殺されたエイブラハム・リンカーンの業績を称える目的でLincoln
Parkと改名されました。その名にもあるように街中に公園や緑地が多く、歴史的な建造物、特に教会が多い事でも有名です。街の多くは閑静な高級住宅地ですが、街の大動脈とも言えるクラークストリート沿いにはショッピングディストリクトとしての側面の他に、レストランやバーなどのビジネスが広がっており、近郊のデポール大学の学生などで賑わいを見せています。また、劇場や博物館も多く、エンターテイメントの中心としても人気が高いエリアです。 |
たま:先輩、おはようございま〜す!今日はどこに向かっているんですか?
先輩:今日は年に一度の「Neighborhood街歩きシリーズ」の取材だよ。これまでもウィッカーパークやアンダーソンビルなど、週末に街歩きをするのが楽しいエリアを紹介してきたけど、今回はリンカーンパークを選んだんだ。
たま:あ、いいですね。お洒落なレストランやバーも多いので、私にとってリンカーンパークはナイトライフの街っていうイメージがあるんですが、意外とお昼間に行った事は少ないので楽しみです。でもそれにしてもリンカーンパークって広いから取材も大変じゃないですか?
先輩:そうだね。確かにひとくくりにリンカーンパークと言ってもかなり広いので、今回は街の中央を横断しているFullertonの北側エリアで、しかも湖に近いルートに絞って取材するつもりなんだ。出来るだけ一般受けしそうなお散歩コースを紹介する感じかな。で、色々考えたんだけど、スタート地点はこのカフェ・ヴィエナにしたんだ。
たま:ここは私も知ってます!ウィーン・オーストリア系のカフェですよね。自家製のパンを焼いているから店内の香りが凄くいいんですよね〜。
先輩:そうそう。まずはここで朝ごはんを食べる事にしよう。
■カフェ・ヴィエナ・Cafe Vienna
2523 N Clark St, Chicago, IL 60614
(773) 244-9922
http://cafeviennachicago.com
先輩:さて、お勧めはやっぱりこのウイーナーシュニッツエル。ドイツやオーストリアの有名な肉料理の一つで子牛肉のカツレツってところかな。カリッカリッに焼いてあるカツにレモンをぎゅっとしぼって食べるとさっぱり食べられて美味しいぞ。
たま:朝からなかなかのガッツリ料理ですが、確かに元気が出ますね〜。今日はいっぱい歩く予定ですし、これ位がちょうどいいですね。あ、このサイドについてくるポテトのフライ!これもカリカリしててメチャクチャおいしいじゃないですか!
先輩:うん、僕もこのシーズンドフライは大好きなんだ。今まで色んなフライを食べてきたけど、僕的にも5本の指に入る味だと思ってる。それから、こっちのクロワッサンサンドも食べてみてね。クロワッサンは普通のバタークロワッサンかプレッツェルタイプのどちらかを選ぶ事が出来るんだけど、僕のお勧めはこのプレッツェルタイプなんだ。
たま:うわあ、トマトの酸味とサクサクしたプレッツェル・クロワッサンが確かに良く合ってますね。卵の焼き具合もいいし、とろりとしたマッツォレラとあわさってまったり感が抜群にいいですね。
先輩:だよね。ちなみにたまちゃんも言っていた通り、このお店はベーカリーでもあるのでパンやケーキをテイクアウト出来るんだけど、ストゥルードルやトルテ(ドイツの焼き菓子)の種類が多いのでも有名だね。
たま:あと、ウィーン・オーストリアのカフェなので、こだわりのコーヒーも美味しいんですが、意外と知られてないのが美味しい紅茶のお店だってことです。フレーバーティーやハーブティーのセレクションも豊富なので、美味しいペイストリーと一緒にお気に入りのお茶を楽しめるお店でもあるんですよ。
■オレンジ・Orange Restaurant
2413 N Clark St, Chicago, IL 60614
(773) 549-7833
https://orangerestaurantchicago.com
先輩:さて、このスタート地点でもう一軒紹介しておきたいのがカフェ・ヴィエナのすぐ近くにあるオレンジっていうお店。こちらも昔からあるお店で、このエリアではかなりの人気店なんだ。カフェ・ヴィエナよりお店の中が広くて、テーブル間のスペースもゆったりとってあるからストローラー組やファミリーの方々にお勧めなんだ。
たま:確かにカフェ・ヴィエナは時間帯によっては待ち時間が長くなっちゃう事があるのに比べると、オレンジは気楽には入れそうですね。
先輩:店内はその名の通りオレンジ基調になっていて明るいし、ベンチシートもあるからリラックスできるのがポイントだね。お店の人達の対応もとってもキッズフレンドリーなんだ。あとね、この壁に貼られている絵画は全部子供達が描いたものなんだよ。
たま:あ、ホントだ。描いたお子さんの名前も書いてあるんですね。あそこのお子さんも飾ってある絵を観ながらお父さんと楽しそうに何か話していますね。なんかとっても素敵な雰囲気です。
先輩:勿論、コンセプトだけじゃなくって食べ物も美味しいよ。特にお勧めはこのパンケーキのフライト。ワインのフライトのように少し小さめのパンケーキを4種類食べ比べが出来るものなんだけど、常にパンケーキのセレクションが変わるのでいつでもユニークなパンケーキを食べる事ができるんだ。あ、そんな話をしてたら早速運ばれて来た。
たま:え〜!これまた超絶カワイイんですけど!四つに区切られた白い角皿に4種類の小さなパンケーキが入って出てくるんですね。プレゼンテーションがいいなあ。えっと、今回の4種類はピーカン、マシュマロ、レモンチーズケーキ、それからケイジュンケーキですね。どれどれ、さっそく食べてみます。えっと、このピーカンペーストがのったパンケーキは香ばしさがいいですね。確かピーカンって良質の脂質が取れるダイエット食としても注目されてるんですよね。
先輩:へ〜、そうなんだ。こっちのマシュマロは生クリームとのほんのりした甘さがいいね。僕はこれが一番好きかも。で、このレモンチーズケーキはその名の通りとっても爽やか。甘さも抑えられていてこれもいけるなあ。
たま:そして注目なのがこのケイジュンケーキですね。ケイジュンってあのスパイシーな南部料理ですよね。どんな味なんだろう?あ、なるほどコーンがパンケーキの中に練りこまれてるんだ。このプチプチしたコーンの食感がいいです。うん、美味しい。勿論、このケイジュンケーキタイプだけを何枚も食べたら飽きちゃいそうだし、フライト向きって事なんでしょうね。
先輩:確かに。4種類を食べ比べる事が出来るからこそ食べたいコンビネーションって事だね。
たま:きっと家族や仲間と食べにきて、みんなで少しづつ突きながら、ああだこうだとコメントしたりするのが楽しいんでしょうね。
先輩:オレンジには他にも沢山の料理があるけど、色んな材料を選んでつくってもらうフレッシュジュースも人気の秘密なんだ。僕はこのスイカときゅうりのフレッシュジュースが好きでね。飲んでみる?
たま:スイカときゅうりですか?う〜ん、、、これは私にはちょっと微妙かも(笑)。(小声で)私カブトムシじゃないし。。。
先輩:ん?なんか言った?
先輩:さ〜て、朝ごはんも食べたし、早速街歩きを再開しようか。今、僕たちのいるクラーク・ストリートはリンカーンパークだけでなく、近郊の街を縦断するメインストリートなんだけど、この道沿いは昔からアート好きな人達の間で人気が高いんだ。だからお洒落小物を売ってる専門店なんかも多いし、ウィンドウショッピングをするだけでも楽しいと思うよ。例えば日本へのお土産を探している人にはこのClimate(2462
N Clark St, Chicago ・ (773) 327-7717)っていうお店もシカゴのロゴ入りの品揃えが豊富で面白いだろうし、Dave's
Records(2604 N Clark St,
Chicago ・ (773) 929-6325)みたいに昔懐かしいビニールレコードの専門店みたいなのもあるしね。
たま:そういったショップとショップの間にカップケーキやドーナツのお店なんかもあるんですよね。ジュルジュル。
先輩:よだれ、よだれ。。。やっぱりたまちゃんは甘い物系なんだね(笑)。カップケーキのお店だとこの辺りではこのモリーズカップケーキが有名だね。人気があるのでシカゴでももう一店、その他にもニューヨークやアイオワでも展開しているそうだけど、オリジナルはこのリンカーンパーク店なんだ。
■モリーズカップケーキ・Molly's Cupcakes
2536 N Clark St, Chicago, IL 60614
(773) 883-7220
http://mollyscupcakes.com
たま:オレンジ色の店内にはカラフルなテーブルとイスがおいてあってポップでかわいい雰囲気ですね。さっそく色々と試してみますね。えっとこのChocochinoってのはコーヒークリームが真ん中に入ったチョコレートカップケーキですね。お、結構甘さ全開です。
先輩:うん、ここのカップケーキはどれも真ん中にクリームが入っているのが特徴でね、その分かなり甘いカップケーキではあるよね。こっちのWhite
Chocolate Rapsberryは、中に酸味のあるラズベリージャムが入ってるからまだ甘さが抑えられているけど、日本人好みの甘さ控えめタイプというわけではないかもね。
たま:確かにそうかも知れませんが、甘党の私としてはアリです。おっと、先輩あの通りの向こうに見えるのはドーナツ屋さんですよね。えっと、ファイヤーケーキドーナツかな。次はあそこに行きましょう〜。
先輩:早速スイーツのはしごなんだね。やれやれ。
■ファイヤーケーキドーナツ・Firecakes Donuts
2453 N Clark St, Chicago, IL 60657
(773) 666-5277
http://www.firecakesdonuts.com/
たま:へ〜、こじんまりとしたスペースなんですけど、とってもおしゃれなドーナツショップです。店内で食べられるだけじゃなくってアウトドア席もあるんですね。ではさっそくHoney
Glazedと、Valrhona Chocolate & Espresso
Cream、それからOld Fashionedと、Black &
White、それにLemon Creamを食べましょう。
先輩:え、それ全部食べるの?さっきみたいに甘すぎたらどうするの。。。!あ、全部買っちゃった。しょうがないなあ。たま:まあとりあえず食べてみてくださいよ。このハニーグレイズドなんてどうですか?
先輩:あ、でもここのはどれも甘さ控えめで上品な味わいだねえ。うん、美味しい!
たま:ですよね。これは穴場を見つけたかも。それにドーナツの間にアイスクリームを挟んだアイスクリーム・サンドイッチも食べられるみたいですよ。ただ、少々残念なのはお値段がかなり高めなことですかね。先輩、お支払お願いしま〜す。
先輩:あ、オイ!もう、しょうがないなあ。。。こんなにいっぱい取材費に認めてもらえるかなあ。。。
たま:先輩、なんだかんだでそろそろランチのお時間ですけどどうします?
先輩:え、さっきドーナツ5個食べたとこじゃ。。。ま、いっか、この企画はたまちゃんの鉄の胃袋に支えられてるんだしね。もともと食べ物屋さんが密集してるこのエリアはラーメンの有名なJINYA(553
W Diversey Pkwy, Chicago, IL 60614・(773)
857-5140)もあるし、カルビの入ったタコスやキムチフライズといった韓国料理を一風変わったアレンジで出してくれるDel
Seoul(2568 N Clark St, Chicago, IL
60614・(773) 248-4227)みたいにランチ系のレストランは沢山あるんだけど、今日はこの後で僕がシカゴのレストランの中でも一番好きなお店の一つであるノースポンドっていうカフェにたまちゃんを招待しようと思っているから、いくらたまちゃんでもあまりガッツリは止めておいた方がいいと思うんだ。そこで、今回は軽めのランチを食べるお店としてシカゴホットドッグの名門であるウイーナーズ・サークルを紹介しておこうかな。
■ウイーナーズ・サークル・The Wieners
Circle
2622 N Clark St, Chicago, IL 60614
(773) 477-7444
たま:いいですね、先輩お勧めのレストランが後に控えているんだったらちょっと軽めのホットドッグはちょうどいいかもです。
先輩:ははは。で、このウイーナーズ・サークルだけどシカゴスタイルのホットドッグを紹介する上では絶対に外す事の出来ない有名店だよね。これまでも色んなメディアに紹介されてきたから知らない人も少ないと思うけど、やっぱりこの店のChar
Dogという炭火で焼いたホットドッグはいつ来ても満点のおいしさだと思うんだ。シカゴにいるうちに絶対一度は食べて欲しいよ。
たま:確かマックスウェルスタイルっていうんですよね。炭火で焼いたポーリッシュソーセージの上にグリルオニオンとマスタード、それからレリッシュと大きなピクルスそしてトマトのスライスとペッパーの上にセロリ・ソルトがまぶしてあるんですが、とにかくここのドッグは全体のバランスが抜群にいいんです。週末の夜なんかは朝の5時まで開いてるからシカゴ中の酔っ払いが美味しいホットドッグを求めて集まってくるって言いますよね。
先輩:確かにたまちゃんの言う通り、このホットドッグの最大の魅力はバランスだよね。カラマライズド・オニオンがたっぷり入っていて、口の中で全ての具材が混じった時の美味しさだけは一度で虜になっちゃうこと間違いなし。お腹が空いてなくてもつい食べられてしまうよね。
たま:いやあやっぱりチャードッグ、美味しかったですね。さて、ウイーナーズ・サークルを出て、今度はどちらに向かうんですか?
先輩:うん、ClarkとDiverseyの角をDiversey沿いに湖に向かって東に進もう。このDiversey沿いにはさっき言ったJINYAの他にもストリートフードをアートのレベルにまで昇華したとして話題になっているThe
Peasantry(2723 N Clark St・(773)
868-4888・thepeasantry.com)なんていうお店もあったりして面白いよ。
たま:あれ、このDiverseyとCannon
Driveの角にある歴史的な建物はなんですか?なんかすごく厳格で壮大なんですけど。
先輩:ああ、これはエルクス慈善保護会(elks.org)のグランドロッジだよ。
たま:グランドロッジ?も、もしかしてそれはあのフリーメ・・・
先輩:え?フリーメーソン?違う、違う。まあ、似たような社交クラブの一つだけど、ここは中も一般公開されていて、入る事もできるんだよ。今日は残念ながら改装中で入れないけど、煌びやかなインテリアの装飾は一見の価値があるよ。そっか、たまちゃん都市伝説系好きなんだね(笑)。
たま:ははは、ええ、まあ。。。で、この前に見える大きな公園がリンカーンパーク(公園)ですね。これがずっと南はOhio
Streetまで繋がっているシカゴで一番大きな公園なんですね。
先輩:そう、その通り。で、今から僕らが散策しながら向かうのが、その北部にあるノースポンドという大きな池のほとりにあるレストランで、その名前もそのままノースポンドっていうんだ。このノースポンドっていう池は、昔は決して綺麗な池では無かったそうなんだけど、シカゴ市民たちの熱心な水質浄化活動のおかげで今では都心にあるとは思えないような素晴らしい水質になっていてね、今では野生動物の保護区域として色んな野生動物が人間と共存しているんだ。
たま:本当に綺麗な水なんですね。他では見たこともないような蝶々がたくさん飛んでいます。
先輩:そうだね、で、このレストランが僕の一押しのノースポンドっていうお店なんだ。本当ならフラリと散策の途中に立ち寄りたいようなお店なんだけど、この素晴らしい立地とレストランの食事のクオリティーの高さから完全予約制のお店でね、ブランチなんかは随分前から予約を入れる必要があるところなんだ。
■ノースポンド・North Pond
2610 North Cannon Drive, Chicago,
IL 60614
(773) 477-5845
http://northpondrestaurant.com
たま:なるほどドレスコードもビジネスカジュアルになっているんですね。だから先輩、ちょっと今日はお洒落して来いって言ってたんだ。先輩も珍しくカーキのパンツなんかはいてるし(笑)。それにしてもホント、都会のオアシスっていう感じの静けさがいいですね。
先輩:うん、このお店を今回の散策コースに入れるかどうか迷ったんだけど、ノースポンド(池)は絶対紹介しておきたかったからね。そうなるとレストランの方についてもちゃんと紹介しておかないと実際にこのルートで遊びに来た読者が予約がなくて入れなかったら残念に思うと思ってね。だから、もっとカジュアルな街歩きを楽しみたい人はこの公園に入る前に食事を終えておいた方がいいだろうね。
たま:確かに一度リンカーンパーク(公園)に入ったらお食事するところは無さそうですものね。
先輩:もしくはピクニック的にランチを持ってくるのもいいね。ただし、どんなに可愛くても野生動物にエサをあげるのは絶対にやめてね。特にここは保護区域だから、見つかると罰せられる可能性もあるからね。
たま:はい!それにしてもこのレストランの外観はとっても可愛らしいですね。
先輩:このお店の建物はもともと1912年に建てられたものをリノベートして使っているそうなんだけど、当時は冬にアイススケートを池で楽しむ人達の休憩所だったんだって。
たま:そうなんですね。本当に都会とは思えないほどのリラックスした空間に迷い込んだ感じはとっても新鮮です。レストランに行くのに森の中を抜けるっていう感覚ですよね。あ、シカゴのダウンタウンのスカイラインも見えますね。
先輩:今日は昼間だけど、夜のスカイラインの雰囲気もとってもいいんだよ。さあ、店内に入ろうか。
たま:店内は木目調の落ち着いた自然な雰囲気ですね。大人の雰囲気ではあるんですけど、ブランチだったら子供連れでも気後れしなくても大丈夫そうです。
先輩:天気の良いお昼間はあの大きな窓を全部開放するから湖からの風がスッと入ってくるんだよ。で、ブランチメニューはプリフィックスのコースだけで、季節の美味しい食材をふんだんに使った前菜、メイン、デザートの3つからなるコースになっているんだ。それぞれ4種類のセレクション中から自分の好きなものを選ぶことができるスタイルなんだね。
たま:お子さん向けにはフレンチトーストのような朝食メニュー一種類だけってのもあるんですね。ところで先輩、この最初に出てきたレーズンの入ったフルーツスコーンなんですが、これ甘さ控えめでめちゃくちゃ美味しいですよ。おかわりしたくなっちゃいます。
先輩:確かにね。ここのチーフシェフのシャーマンさんはシカゴ出身のシェフなんだけど、ここに落ち着くまでに世界中のレストランで修行を積んできた人でね、厳選した旬の食材をローカルの農家から買い付けて料理しているんだって。まあ、今日の取材の趣旨はリンカーンパークの街歩きだから、細かくレストラン・レポートをするのは避けるけどね(笑)。
たま:あ、でも一応食べたものくらいは紹介しておきましょうよ。まず前菜はソフトシェルクラブとどっちにするか迷って、結局海老とレタスのサラダにしました。プリプリした食感のエビがシャキシャキしたレタスに添えられたサラダで、緑色が鮮やかな『緑の女神ドレッシング』
というのがまるで緑のカーペットのようです。
先輩:メインはビーフ&ビーンにしたね。かみごたえのある牛肉はビーンズソースとよく合ってる。ちょっとスパイシーなチミチェリソースが食欲をそそるので、もう少し牛肉がやわらかく仕上がっていたら申し分なかったかもな。スリラチャソースも添えられているからお好みでもっとスパイシーに食べることもできるのがポイントだね。ステーキと一緒に添えられていたカラメライズド・オニオンもいい感じだった。
たま:デザートは本当に迷いました。ラズベリーとレモンのシャーベット、イチゴのムースとチョコレートのタルト、それからマンゴーのムースと各種スイーツの盛り合わせ。。。迷いに迷って、結局この『盛り合わせ』という響きに負けてマンゴームースを頼みましたが、これがもうとっても上品なプレゼンテーションでうっとりです。
先輩:確かにマンゴーのムースはエキゾチックなおいしさが良かったね。香ばしいゴマのパリパリしたお菓子や、はちみつの入ったバニラアイスとか、どれもかなり凝ったつくりになっていてびっくりしたよ。
たま:本当に素敵なお店でのランチをありがとうございました。
先輩:どういたしまして。それじゃあ食後はこのノースポンド(池)のまわりをグルリと散歩コースを紹介しようかな。都会の街中とは思えない閑静さと自然がミックスしてとってもリラックスした時間が過ごせるよ。ほら、あそこ見てごらん、カメの親子が並んで日向ぼっこをしているよ。
たま:え、ほんとだ!もしかしてあの泳いでいるのってビーバーじゃないですか?あんなのもいるんだ。それにあそこでアウトドアの結婚式をしていますよ。素敵ですねえ。あんな風にも使われるんですね、ここって。池の周りにはメインの歩道の他に小さな小道が色んなところにあるから散策も楽しいです。あれ、あの建物は何でしょう?
■Peggy Notebaert Nature Museum
2430 N Cannon Dr, Chicago, IL 60614
(773) 755-5100
http://www.naturemuseum.org
先輩:あれはPeggy
Notebaert Nature Museum 。建物の周りにも色んな工夫がしてあるから、急いでいる人はお金を払ってまで中に入らなくても十分楽しめるけど、博物館の陳列も手が込んでいるし、プレゼン自体には蝶の放し飼いなんかもあって興味深い物も多いから時間がある人はチェックしてみるといいと思うよ。子供達が触って遊べる展示物も多いので子供たちにも人気だしね。それに中にはカフェがあってね、もしもお散歩で疲れたらカフェだけ使いたいって言えば中に入る事もできるんだ。
たま:あ、先輩あれはなんですか?池に船着き場みたいなのがせり出してますね。チェアもあって気持ちよさそうです。
先輩:うん、あそこは誰でも行けるウォークウェイみたいな感じかな。このエリアのランドマークの一つだよ。それにしてもこの辺りは木漏れ日がとっても爽やかだし、色んな野鳥の声が聴こえるね。
たま:そうなんです。さっきの賑やかなクラークストリートから数ブロックしか離れていないというのが嘘のようです。
先輩:確かにね。さて、それでは最後にこのルートのメインセクションでもあるディバーシー・ハーバーとレイクフロントトレイルのコースを紹介しよう。ノースポンド(店)の東側にあるCanon
Driveを渡ると反対側にヨットハーバーへの入口があるんだ。あそこだね。
たま:時々レイクショアドライブをドライブしていると見えるところですね。実際には今回初めて足を運びました。なんか優雅なお金持ちの雰囲気がプンプンしますね(笑)。
先輩:ははは、僕たち庶民には縁遠いエリアに思えるけど、ハーバー自体には誰でも入る事が出来るし、ジョギングしたりピクニックしたりしている人も多いんだよ。僕はこういう船着き場の雰囲気が好きでね。カモメが飛んでて、旗が風に舞うみたいな感じには癒されるんだ。
たま:確かにここは自然も豊かで公園っぽくなっているので散歩には適していますね。海風ならぬ湖風も吹き込んでとってもさわやかです。
先輩:そうだね。で、このハーバーを北東に歩いていくと、道がレイクショアドライブの下に入っていくトンネルに繋がっている。それをさらに道なりに歩いていくと湖沿いの道、レイクフロントトレイルに出るんだ。
たま:うわあ、暗いトンネルから一度に視界が広がりました〜。おお!とっても綺麗な湖の景色です〜!
先輩:だよね。ここからずっとシカゴのダウンタウンまでトレイルが繋がっているんだけど、僕的にはダウンタウンの北側で一番綺麗なスカイラインを観る事ができるのはこのトレイルからだと思うんだ。ハイライズとの距離感、自然との一体感、トレイルを走ったり歩いたりしている人達の躍動感、この街の色んなエッセンスがギュッと集まっているようでいいんだよね。
たま:シティーにお住いの方なら誰でも知ってるトレイルなんでしょうけど、郊外組には知らない人も少なくないんじゃないかな?そういう意味でも今回ご紹介できて良かったですね。シカゴにいるうちに一度は眺めたい風景の一つですよね。それにしても、こんな所を日常的にジョギング出来る人達が羨ましいなあ〜。
先輩:そうだね。では僕らは荷物もあるし走るわけにいかないから今回の特集の南の境になるFullertonまでゆっくり歩くことにしよう。このトレイルは殆どのエリアで十分の幅があるけど、スピードを出して走っているサイクリストもいるので、歩く方向や、子供さんのことは注意して歩いた方がいいよ。
たま:あと、途中に飲み物を売っている所が無い場所も多いので、水分補給には注意したいですね。ああ、それにしても気持ちイイ〜!最高の街歩き日和でしたね。
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