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シカゴのエンターテイメント雑誌としてお馴染みのぷれ〜り〜誌を発行しいるmandarinorange

MGAのご好意で住むトコ.COMにぷれ〜り〜誌のバックナンバーを掲載させて頂いております。

2016年1月
小学生でもわかる アメリカ大統領事情

新年早々、若干ヘビーな題材ではあるのですが、読者の皆様は『アメリカの大統領制&その選挙システム』について、どのくらい興味をお持ちでしょうか? 日本からご駐在されている方や、まだ米国に在住されて間もない方々にとって、このまるでお祭り騒ぎ≠フような赤・青・白バリバリな様子は、正直、異様な雰囲気として映ることもあるのでは? Land of the free, Home of the braveとも歌われるこの広く多様なアメリカを、大統領としてまとめていくのは指南の技であり、と同時に、非常に誇り高い職業であるわけですが、さぁ、実際この米国大統領≠ヘ誰でもなれるのでしょうか? 大統領の権限は? 任期は? その選出システムは? 今年2016年は、来年度のからの新規大統領を決定する大事な年となりますが、新年をお祝いするとともに、これから白熱していくであろう「大統領選挙」をしっかりと理解し、また、アメリカ大統領という座の業務について詳しくなってしまおう!という特集を企画してみました。『小学生でもわかる、アメリカ合衆国大統領事情』、お屠蘇を飲みながらでも、おせちやお雑煮を召し上がりながらでも、のんびりと目を通されてくださいね。

●アメリカ大統領とは?

では、まず米国大統領って誰?≠ナす。はい、かなり基本的な質問になってしまいますが、意外と知られていないのが大統領の権限や規則、任期、などなど。まずは基本的な部分からお話していきましょうね。まず、アメリカ合衆国大統領 President of the United Status of America (略してPOTUSと呼ばれる事もあり)は、国の国家元首であり、行政の長である、と。つまりアメリカ国家の行政権は、大統領に帰属する(第2条第1項より)≠ニいう訳で、大統領が国の行政を一人で決定できちゃうわけです。さらには、法案拒否権という権限もあり、これは、議会が決定した法律に賛成しない場合は、その法案を議会に突き返せちゃうのです。大統領ったら…かなりワンマンですね。

さらに、アメリカ軍のCommander in Chief 要は最高指揮権もお持ちです。勘違いしてはいけないのは大統領は、戦争をいつでも始められる≠ニいうわけではなく(宣戦布告は、議会が権限を持つ)、アメリカ軍の動きや政策を、大統領が好きなようにコントロールできる、という事になります。良きにつけ悪きにつけ、アメリカが歴史上、様々な武力を駆使して国際政治に関わってきた理由がここにあるような気がするのは、筆者だけでしょうか?

「選挙人団」により、副大統領とともに選出され(*選挙システムについてはのちに詳しく説明します)4年で1期、続けて最高2期まで就任可能。 さてさて、大統領の1日ってどんな感じなのでしょう? 気になりますよねぇ。まず、サラリーマンのように朝9時から5時まで、それ以降はオーバータイム≠フようなスケジュールはなく「必要な時に必要なだけ働く」のが決まりらしいです。通常、朝一番のお仕事は国務長官や情報長官、首席補佐官、といった方達から日例報告≠聞く事からはじまるそうで。そして執務は、「オーバルオフィス」と呼ばれる部屋で行う事が多くお部屋の形が楕円形≠ニいうだけでこの名前がついているオフィスです。以前「West Wing」という題名のドラマがテレビで人気でしたが、この大統領をモデルにしたドラマからわかるように、オーバルオフィスは、ホワイトハウス内のウェスト・ウィングに存在します。

ここで、現在の44代目のバラク・オバマ大統領に関して、の情報。オバマ大統領は起床後すぐに45分の筋トレ!をして、頭をクリアーにするんだとか。他にも、大好きなバスケットで汗を流したり、お嬢さん達(マリアとナターシャ)と夕食をとる事を重視、iPadで音楽を楽しんだり…そうそう、ホワイトハウス内でビートルズの名曲「ミッシェル」が熱唱されたのも、愛妻家のオバマ大統領ならではのパフォーマンスでしたね。なかなかイキなハワイ出身の大統領、です。

白いからホワイトハウス

1600 Pennsylvania Ave. が大統領公邸&官邸(いわゆるホワイトハウス)の公式な住所。1812年、米英戦争中にイギリス軍に一部を焼かれてしまった外壁を、元どおりの白に塗装しなおした後から、このニックネームになりました。大統領の執務室はもちろん、閣議室や副大統領、首席補佐官、のオフィスがあるウェスト・ウィング、ファーストレディやその他スタッフのオフィスが作られているイースト・ウィング、そして大統領ご家族の公邸となるエグゼクティブ・レジデンス、が主要3構成。他にも、イベントなども開催されるお庭(ローズ・ガーデン、ジャクリーン・ケネディ・ガーデンなど)があり、また、行政府旧館、とも呼ばれるアイゼンハワー行政府ビルがみられ、国家安全保証会議事務局や行政管理予算局、といったハードコアなオフィス達がこのビルの中に存在します。

さて、ウェスト・ウィングの地下には、俗にいうSituation Roomが。これはケネディ大統領の時代に作られた最高レベルの情報管理室であり、大統領が世界に広がるアメリカ軍へ指揮管理をする場所、となります。まだ記憶にもあたらしい「オサマ・ビン・ラディン殺害」の模様を画面で確認している(と言われている)写真、が撮影されたのもこのシチュエーション・ルーム。ヒラリー・クリントン女史の手が口に…この様子が、なかなかリアルでショッキングだったのを覚えています。

また、イースト・ウィングには核シェルター機能を備えた大統領危機管理センター(PEOC:Presidential Emergency Operation Center、一般的にバンカー≠ニも呼ばれる)が作られており、必要に応じてエアフォース・ワンと連携して、大統領が非常事態に対応できるようになっています。9・11テロの時には、当時のチェイニー副大統領がこのシェルター内に入り、指揮対応をしたとの事。

Air Force One、Air Force Two

忙しい公務を行う大統領、専用飛行機での移動も多いのですが、その時にアメリカ空軍機が使用するコールサイン(識別信号)が『エアフォースワン』です。サイン名、という事で、そうです「大統領が所持している飛行機の名前がエアフォースワン」ではなく、あくまで、「大統領が乗っている専用機として識別するための信号の呼び方」なわけですね。任務中の大統領が搭乗している時のみ≠ノ使われるサインなので、専用機であっても、お客様だけ、あるいはご家族だけ、の搭乗であったり、はたまた、大統領任務がなんらかの理由で搭乗途中(空の上で!)で切れた、なんて時には、エアフォースワンとは呼ばれない、という仕組み。ちなみに、大統領が民間機に搭乗した場合のコールサインは『Executive One』、大統領の家族のみが民間機に搭乗した時には、『Executive One - Foxtrot』になります。Foxtrotとはなんでしょう? これは、FamilyのFをフォネティックコード(通信/通話時に、間違えやすい発音のアルファベッドを確実に理解し合うためのコード)を使って表しているから、でした。なるほど、なるほど…。

ボーイング社の747を改造したVC-25と呼ばれる機材を利用して作られた、大統領専用機。「空飛ぶホワイトハウス」なんてニックネームもあって、かわいいですね。機内は、といえば、とってもゴージャス。大統領の執務室はもちろん、会議室、シークレットサービス用オフィス、寝室、医務室、ビジネスセンター、キッチン…。機内食は大統領のご希望重視だそうですが、毒物などの混入防止から、訪問先の土地での調達は禁止されているのだそう。飛行機そのものが空中で給油できるようになっているため、必要とあれば、延々と飛んでいる事もできるハイテク専用機。また、副大統領が利用する飛行機のコールサインはAir Force Two、となるのですが、通常、大統領と副大統領は同じ目的地への移動の場合も、別々の飛行機に乗っての移動が進められています。これは、何かエマージェンシーが起きた場合を想定して、ですね。さて、大統領の車、はどうでしょうか? そうです、防弾ガラスが使われている、真っ黒なキャデラック。さすがアメ車、GMが誇る高級車であり、ニックネームは「キャデラック・ワン」です。公表はされておりませんが、こちらの大統領用に改造されたキャデラック・リムジン、約30万ドルくらいではないか?との事。さすがでございます。

●誰でも、
  「ヨッ! 大統領!」になれるの?

さてさて、ここで大切な質問です『アメリカの大統領がどのように選ばれるか、ご存知ですか?』当たり前じゃん!まずは州内で選んで、その後に国で選ぶんでしょ????いやぁ、実は、これがですね、なかなかユニークな選出方法をとっておりまして、本国アメリカ人でさえもしっかりと把握していない人が多い、という噂です。アメリカの50州がそれぞれ強い個性と独自のシステムを持つ国家なもので、一括して「一人のリーダー」を決めるのには、それなりの複雑なプロセスを要する、という事なのでしょうか。今更、米国選挙のシステムがよく分からないなんて言えないし…でも、子供の社会科の授業でトピックになってるみたいだし、どうしよう…とお悩みのおと〜さん&おか〜さん! ご安心ください。以下、筆者が、愛情をこめ、シンプルかつ分かりやすくご説明させていただきます。これでもう、あなたは「米国大統領選挙システム」のエクスパート(ではないですが、一歩近づくのは確かです)。

まず、アメリカで大統領本選挙が行われるのは、4年に一度オリンピックのある年≠ニ全く同じです。オリンピックは夏、選挙は11月、と覚えておくといいでしょう。投票権は@18歳以上の米国籍保有者でありA選挙登録事務所に登録している、という2点のみクリアーできればオッケー。では、大統領に立候補するにはどんな条件が必要かというと、@米国生まれ(帰化者は不可)、A14年以上アメリカに住んでいて、B35歳以上である事、です。たとえば、日本の佐世保や横田などといった米軍基地≠ナ生まれたアメリカ人は、立候補できない、という事になりますね。そういえば、シュワちゃん(元・カリフォルニア州知事)も大統領選に立候補を考えつつ出馬しなかったのは、この条件のせいだと言われています。彼はアメリカとオーストリアの2重国籍を持っていますが、出生地はオーストリア(アメリカではない)ですから。

さて、正直、大統領選への立候補、は誰でもできます、はい。しかしながら、現在のアメリカはご存知の通り、二つの大きな政党によって政治界が確立されているので、共和党あるいは民主党、の党大会によって「我らが党を代表する立候補者である!」と太鼓判を押してもらう人材にならないといけないのです。こういった政党による後押しがない限り、大統領というトップの座を手にするのは、ほぼ無理である、というのが現状です。

理解しておきたい大きなイベント、はザックリと言うと3つ。『予備選挙:Primary』、『党員集会: Caucus』そして最後、11月の最初の月曜日の次の日(ややこしくてすみません)、に行われる『一般投票:Election Day』。実は、このほかにも、12月の第2水曜日の後の最初の月曜日(こちらも、ほんとにごめんなさい)に行われる『選挙人投票 : Elecroral Votes』というのもあります。さぁ、次の項目では、このイベントフルな選挙の流れを理解していきましょう。

選出の流れを見ていきましょう

11月が運命を決める選挙デー、とはいえども、実は長〜い道のりのある大統領選挙戦。そしてこの流れ&システムが、なかなかややこしいのです。まず、有権者にとっても、立候補している人たちにとっても、一番最初の重要ポイントは、後々に各党で行われる全国大会で「党の代表候補者」を決める際に運命の鍵≠にぎる代議員たち: Delegates、この方達の選出です。各州から、どういった意見を持つ代議員たちを選ぶか、これが大切なキーとなるでしょう。上記で述べた、プライマリーと呼ばれる予備選挙、そして、コーカスと呼ばれる党員集会、これらによって定められた数の代議員数が選ばれるのですが(プライマリー制になるか、コーカス制になるか、は各州で決まる)、この予備選挙は1月〜6月の間に各州で開催(毎回、アイオワ州が最初)されます。2月あるいは3月の火曜日に、多州が一斉に予備選を行う日の事を、Super Tuesday! と呼んでいますが、ニュースなどで耳にされた事がある方も多いはず。呼び名の理由は決戦が始まる日≠セから。実際、この「決戦の火曜日」の結果によって、次期大統領を決めるためのだいたいの予想が立てられちゃう、だからこそスーパー・チューズデー以降の予備選は、さらに白熱していき、それに伴い、マスコミも大きく報道していきます。共和vs民主、ゾウさんvsロバさん…。どっちが勝つか負けるか、まるでスポーツ観戦のようなノリが始まっていきます。そして、6月までには全国大会に出席する事になる各州の代議員全てが決定されていくのです。

さて、夏のある日、民主党も共和党も、それぞれが公式に『統一候補』を発表。これがドンチャン騒ぎの「全国党大会」。有名人はくるわ、ミュージシャンが演奏するわ、政治という世界を超えた一大イベント、もうお祭り騒ぎもいいとこ、です。 民主&共和両党の代表候補者が発表され、さぁ、ここからは、候補者たちの戦略がビシバシと試されていきますよ! 9月のLabor Dayから11月のElection Dayまでの間、候補者たちは本格的な選挙戦に臨む事になり、アメリカ中を飛び回ってスピーチをしたり、討論会を開催したり、テレビ出演が多くなったり。有権者たちも、これから4年間におよぶ国の長としてふさわしい人間性やカリスマ性、知識力やパフォーマンス力をチェックしていかなければなりません。そうそう、もう一つ大切な要素となりますが「戦力は資金なしでは務まらず」、そうです、大統領になるには、それなりにお金を持っていないといけないようですね。選挙戦には多大な費用がかかりますので、様々な方向から、また募金なども含め、ある程度の資金をもたない限り、選挙戦には入り込めないのです。

選挙人(Electoral College) とは?

アメリカの大統領選挙システムを語るにあたり、この不思議な言葉でもある「選挙人: Electoral College」の説明をしないわけにはいけません。直接選挙、ではなく、間接選挙、と呼ばれるシステムの中心的な意味を持っているからです。カレッジといえども、大学とは関係ないのですが、実は、Collegeという英単語には団体≠ニいう意味があるので、このように名付けられたようです。Electorとも呼ばれる選挙人たちが集まってできた、カレッジ、その人数は総数538人。この数字は、上院議員&下院議員の総数と同じであり、各州の有権者数の人数の比率から計算されているのはご察知の通り。カリフォルニア州からは55人と最大数であり、2番目に多いのがテキサス州の38人。3名のみの州も多く(モンタナ州、ワイオミング州アラスカ州など)、また、ワシントンDCからも3名選出されます。ちなみに、この各州代表の数字は、下院の定数の変動によって変わっていきます(上院はいつも州から2名)。

実際の上院議員および下院議員はこの選挙人に選ばれる事はありません。選挙人の選出の方法は、国ではなく、やはり州の権限によって決まっているのですが、その理由として、選挙人は「州の意見をまとめる」人たち、だから。なぜこのような関節的な方法が建国当時からとられているか、これにはいくつかの理由があげられるようです。アメリカという国はあまりに地理的に大きく、また、文化も言葉も違った人たちがあつまってできた国。現在のようなインターネットやメディアシステムができあがっていなかった頃に、大統領を選ぶまでの情報提供を有権者一人一人に促す事が出来なかった(だから、事情に詳しい選挙人に任せた方が正しい判断ができるだろう、と思う人が多かった)からだ、という線が強いようです。どういう理由にせよ、選挙人たちの義務は重大であり、また、どの選挙人たちを選ぶか、がさらに重大な責任ある有権者の行動となるのです。

さて、11月の第一月曜日の次の日(火曜日)、に行われる選挙では、有権者たちは「候補者」を選びます。2012年度でしたら、「オバマ氏(民主党)」か「ロムニー氏(共和党)」、の、どちらかでしたね。また、この時までには、それぞれの副大統領候補も決定されているため、そのあたりも考慮して決断。気になる結果が集計されるのですが、このときに利用される方法がWinner-Takes-It-All と呼ばれる勝者独占方式です。例えば、イリノイ州の集計結果が、オバマさんが65%、ロムニーさんが35%だったとします。すると、イリノイ州は「オバマ勝利」の州となり、州を代表する20名のElectors(選挙人)たちは、12月の選挙人団の投票の際に、全員がオバマ指示で意思表示。この全選挙人の投票が行われるのが、12月なのです。つまり、11月の選挙で有権者たちが「大統領を選んでいる」と思いきや、実は「12月の選挙で投票する選挙人≠選んでいる」事になるのです!!と、筆者若干興奮気味でお伝えしておりますが、実際の所は、この12月の選挙人投票をまたずに、11月の投票の結果把握する事により、「大統領選・決戦終了」になり得るわけですね。

形式上の理由で、この「Electoral College」による投票が行われるのが、アメリカらしからぬ本音と建前≠フようで、なかなか面白いのですが、さて、上記の例にて話をつ付けますと、オバマ派として11月の選挙を終えたイリノイ州の選挙人たちは、12月の投票において、全員の数である20票を「オバマ候補者」に入れます。他の49州もそのようなシステムで、全選挙人数と同じ投票数を、それぞれの候補者に投票。そして、270票(538票の半分以上)をとった候補者が、晴れて、「よっ!大統領!」に就任される!!というエキサイティングな仕組みです。え?でも、ちょっと待って。もし、候補者のうち誰も270票を取れなかったらどうしましょう?このときは、2度目の投票が選挙人たちの間で行われますが、さぁ、この2度目ではそれぞれの選挙人たちが、「自分の意志で投票していい」ことになっているのです。ですので、蓋を開けてみないと、まったく予想のできない結果となるかも…? この2nd Ballotが開催される年の選挙は、なかなかの盛り上がりを見せている、という事にもなりますね。

というわけで、アメリカ大統領選システムの流れ、だいたいご理解いただけたでしょうか?

ステレオタイプ? 文化? 伝統?

大統領選のシステムも頭に入ったところで、ここでは少しリラックス、大統領戦とその文化、面白い伝統、などを垣間見てみましょうね。ご存知のように、「民主党」と「共和党」の2党の対立が大きくピックアップされる米国大統領選挙戦、民主党のロゴはロバさん、そして共和党のロゴはゾウさん、という、なかなかかわいいもの。なぜこの2匹の動物になったか?は、いろいろな説があるようですが、Wikipediaによると『1874年にヘラルド紙が、動物園から動物が逃げ出したという架空の記事を掲載、これによってニューヨークがパニックとなる事件があった。この様子をトーマス・ナストが、ライオンのぬいぐるみを被ったロバに恐怖し、象が逃げまとうという姿で風刺したことがシンボルの発端となっている。アンドリュー・ジャクソン大統領の失策に対する批判を逆手に取ったと同じく、民主党もロバ(民主党)に恐怖する象を逆手にとって自らのマスコットにした。すなわち両党もユーモアの精神と度量の深さをPRしたのである。』だそうです。ちなみにゾウのシンボルは知性があり、威厳もある≠ナ、ロバのシンボルは家庭的であり、フレンドリー≠ネんだそうです、はい。筆者は個人的には同意しない印象ですが、まぁ、いいでしょう。
 以下、あくまで”ステレオタイプ”な意見をまとめてみました(ですので、間違いもあるかと思います)。よく言われるのが民主党と共和党の支持者たち、一番大きな違いは「支持層」だと言われています。共和党は大企業やリッチな白人さん達の支持率が高くアメリカは世界の中で#1であるべきだ!≠ニいう考えをお持ちの方が多いとか。逆に、民主党支持者の多くは、低所得者や移民層も多く、オバマ政権の中でも注目を浴びた「オバマケア」のような、国民の医療保険などに勢力を注ぐ政治家を支援する人が多いようです。共和党は、国のシステムが企業活動に規制することを嫌い(儲けが少なくなる場合が多いですので)、民主党は国内の社会保障に注目しているため、外交はあまりお上手でない、興味も薄いかも…という見方があるようです。政治献金に関しても大きな違いがみられ、共和党が地方のロータリークラブや石油産業および大企業などと強い絆がある一方、民主党はどちらかというと金銭よりも「理論」で対応していきたい、という動きみられ、大学やIT系企業などとの繋がりをより強く感じます。大雑把な表現としては『民主党はリベラル、共和党は保守的(本当にステレオタイプな意見ですが)』という見方がありますね。

 他には、『民主党は:同性愛容認、宗教多様化容認、中絶自由化容認、死刑廃止運動、不法移民容認』、『共和党は:キリスト教原理主義者多数、中絶禁止、死刑制度続行、銃規制反対、不法移民反対』といったカテゴリー別な違いを見ることもできます。アメリカ人は「隠さない」国民のようでして、自分の意見をしっかり持つことが大きな誇りの一つ。よって、自分が民主党支持派なのか、共和党支持派なのか、このあたりもきちんと(頼んでもいないのに)表現している人が多いような気がします。テレビで見かけるアーティストや俳優、ミュージシャン達も、この選挙戦の期間ではハッキリと「私は/僕は、◯◯◯を支持してるよ!」なんて言っちゃう。すると、若い世代のファン達は影響を受けやすくなる…という問題もあるのが事実。巷でよくみかける車のバンパースティッカーで、「意思表示」されているドライバー達、まるで地元のスポーツチームを応援するかのごとく、候補者の似顔絵やロゴが入ったTシャツやキャップで身を包みコーカスへ参加する熱烈な支持者達…。どちらにしても、政治に入り込む、意見を持つ、ことがカッコイイ風潮があるのは、良いことです。

2016年度の予想?

さぁ、今年の大統領選、どのような結果が生まれるのでしょうか?フェミニスト達は「ヒラリー・クリントン女史によって、アメリカ最初の女性大統領が生まれるか?」で盛り上がっていますし、ある意味お騒がせ候補≠ナもあるドナルド・トランプ氏もなかなかの支持率を持っていますね。元精神外科医で、政治経験がないけれど、非常に人気が高いベン・カーソン氏が更にどれだけ支持を増やしていくか、または、前メリーランド州知事、テレビドラマのモデルにもなったというカリスマ性の高いマーティン・オマリー氏、などにも注目したいところ。2016年度の選挙日は11月8日。さぁ、今年は選挙戦から目が離せない!?かも…。


〜歴代の米国大統領一覧〜
初代:
1789.4.30〜1797.3.3
ジョージ・ワシントン
無党派 ヴァージニア 出身
2代:
1797.3.4〜1801.3.3 
ジョン・アダムズ
連邦党 マサチューセッツ 出身
3代:
1801.3.4〜1809.3.4
トマス・ジェファソン
民主共和党 ヴァージニア出身
4代:
1809.3.4〜1817.3.4
ジェームズ・マディソン
民主共和党 ヴァージニア出身
5代:
1817.3.4〜1825.3.4
ジェームズ・モンロー
民主共和党 ヴァージニア出身
6代:
1825.3.4〜1829.3.4
ジョン・アダムズ
民主共和党 マサチューセッツ出身
7代:
1829.3.4 7〜1837.3.4
アンドリュー・ジャクソン
民主党 カロライナ境界出身
8代:
1837.3.4〜1841.3.4
マーティン・ヴァン・ビューレン
民主党 ニューヨーク出身
9代:
1841.3.4〜1841.4.4
ウィリアム・ハリソン
ホイッグ党 ヴァージニア出身
10代:
1841.4.6〜1845.3.4
ジョン・タイラー
ホイッグ党 ヴァージニア出身
11代:


1845.3.4〜1849.3.4
ジェームズ・ポーク
民主党 ノース・カロライナ出身

12代:

1849.3.5〜1850.7.9
ザカリー・テイラー
ホイッグ党 ヴァージニア出身

13代:

1850.7.9〜1853.3.4
ミラード・フィルモア
ホイッグ党 ニューヨーク出身

14代:

1853.3.4〜1857.3.4
フランクリン・ピアース
民主党 ニューハンプシャー出身

15代:
1857.3.4〜1861.3.4
ジェームズ・ブキャナン
民主党 ペンシルヴェニア出身
16代:
1861.3.4〜1865.4.15
エイブラハム・リンカーン
共和党 ケンタッキー出身
17代:
1865.4.15〜1869.3.4
アンドリュー・ジョンソン
民主党 ノース・カロライナ出身
18代:
1869.3.4〜1877.3.4
ユリシーズ・グラント
共和党 オハイオ出身
19代:
1877.3.3〜1881.3.4
ラザフォード・ヘイズ
共和党 オハイオ出身
20代:
1881.3.4〜1881.9.19
ジェームズ・ガーフィールド
共和党 オハイオ出身
21代:

1881.9.20〜1885.3.4
チェスター・アーサー
共和党 ヴァーモント出身

22代:

1885.3.4〜1889.3.4
グロヴァー・クリーヴランド
民主党 ニュージャージー出身

23代:

1889.3.4〜1893.3.4
ベンジャミン・ハリソン
共和党 オハイオ出身

24代:

1893.3.4〜1897.3.4
グロヴァー・クリーヴランド
民主党 ニュージャージー出身

25代:

1897.3.〜1901.9.14
ウィリアム・マッキンリー
共和党 オハイオ出身

26代:

1901.9.14〜1909.3.4
セオドア・ローズヴェルト
共和党 ニューヨーク出身

27代:

1909.3.4〜1913.3.4
ウィリアム・タフト
共和党 オハイオ出身

28代:

1913.3.4〜1921.3.4
ウッドロウ・ウィルソン
民主党 ヴァージニア出身

29代:

1921.3.4〜1923.8.2
ウォレン・ハーディング
共和党 オハイオ出身

30代:
1923.8.3〜1929.3.4
カルヴィン・クーリッジ
共和党 ヴァーモント出身
31代:
1929.3.4〜1933.3.4
ハーバート・フーヴァー
共和党 アイオワ出身
32代:
1933.3.4〜1945.4.12
フランクリン・ローズヴェルト
民主党 ニューヨーク出身
33代:
1945.4.12〜1953.1.20
ハリー・トルーマン
民主党 ミズーリ出身
34代:
1953.1.20〜1961.1.20
ドワイト・アイゼンハワー
共和党 テキサス出身
35代:
1961.1.20〜1963.11.22
ジョン・ケネディ
民主党 マサチューセッツ出身
36代:
1963.11.22〜1969.1.20
リンドン・ジョンソン
民主党 テキサス出身
37代:
1969.1.20〜1974.8.9
リチャード・ニクソン
共和党 カリフォルニア出身
38代:
1974.8.9〜1977.1.20
ジェラルド・フォード
共和党 ネブラスカ出身
39代:
1977.1.20〜1981.1.20
ジミー・カーター
民主党 ジョージア出身
40代:
1981.1.20〜1989.1.20
ロナルド・レーガン
共和党 イリノイ出身
41代:
1989.1.20〜1993.1.20
ジョージ・ブッシュ
共和党 マサチューセッツ出身
42代:
1993.1.20〜2001.1.20
ウィリアム・クリントン
民主党 アーカンソー出身
43代:
2001.1.20〜2009.1.20
ジョージ・W・ブッシュ
共和党 コネティカット出身
44代:
2009.1.20〜NOW
バラク・オバマ
民主党 ハワイ出身



 

 
     
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