今回特集するのは好評企画「Neighborhood街歩きシリーズ」の第5弾、エバンストンです。エバンストンというと、全米屈指のノースウエスタン大学がある事でも有名ですが、レストランやカフェ、ショップなども多く、週末の街歩きにピッタリのエリアでもあります。今回も先輩とたまちゃんのコンビがローカル・シカゴの魅力を皆さんにお届けします。
たま:タラララ〜ン♪
先輩:たまちゃん、今日もご機嫌だね〜。口ずさんでるのはもしかしてシャンソン?
たま:そうなんですよ〜、昨日昔のフランス映画を観たらはまっちゃって。
先輩:へ〜!たまちゃんもそういう事しちゃうんだねえ。で、気分はおフランスなわけだ。
たま:ははは、そこまではないですけどね。でもおかしいですよね。リトルサイゴンやチャイナタウン、リトル・イタリーのようにシカゴには色んなエスニック街があるのに、リトル・フランスみたいなエリアってありませんよね
先輩:う〜ん、確かに最近はフレンチベーカリーも増えてきたけど、特にエリアとして集まっているというわけではないしね。でも、『シカゴのパリ』と呼んじゃうのはちょっと無理があるけど、おそらくシカゴで一番パリ風味な街はエバンストンかもね。
たま:エバンストンですか?意外!ノースウエスタン大学があるから学生の街っていうイメージはありましたけど、そんなにフランス色強かったでしたっけ?
先輩:特に町並みが、というわけではないんだけど、カフェやビストロ、ベーカリーやクレープハウスなどが集まっているのは確かだね。確かエバンストンに一番最初に入植してきたヨーロッパ人はフランス人なんだよ。だから1812年の米英戦争後にアメリカがあの辺りを獲得するまではフランス領だったわけだし、そういった背景も関係してるかもね。
たま:へ〜、そんな歴史的な繋がりもあるんですね。
先輩:あ、そういえば、さっき編集長から今年の散歩ができるネイバーフッド特集の街をそろそろ決めろって言われたんだった。せっかくだから今年はエバンストンにしちゃおっか。あそこは散策が楽しめる素敵なエリアも多いし、是非一度紹介したいなと思ってたんだよね。
たま:いいですね〜。私も色んな色のマカロンを右から左に全部食べてみたいと。。。
先輩:結局たまちゃんが絡むと食べることになっちゃうけど、ま、いっか。実はマカロンについても最近エバンストンは話題になったとこだしね。
たま:え〜、ベストタイミングじゃないですか!早速行きましょう〜!
先輩:エバンストンを散策エリアとして紹介するにあたって忘れてはいけないのが、このグロスポイント灯台。ここはエバンストンの北にあるビーチ沿いに1874年に建てられた灯台で、今でもツアーを行っているので一番上の灯台の部分にも行くことができるんだ。さあ、ツアーの人が先導してくれるから登ってみよう。(編集部注:ツアーの時間はシーズンによって変わりますのでご注意ください)
たま:わあ、とっても眺めがイイですね。それに私、灯台の中なんて初めて見ました。こんな大きなランタンが設置されてるんですね。
■Gross Point Lighthouse
(www.grossepointlighthouse.net)
先輩:でね、このグロスポイント灯台からセントラルストリートをずっと西に歩いて行くことが出来るんだけど、その道沿いには小さなお店がいくつも並んでいるのでここも散策するのにいいんだ。
たま:あ、ここって以前チョコレート特集の時に来たことがあります。確かLeonidasというベルギーチョコのお店がある所ですよね。あそこの繊細なチョコレートは美味しいんですよ。店内もシックで落ち着いた雰囲気だし。またギフト用のパッケージも素敵だからお土産に持っていくと喜ばれるんですよね。
先輩:そうそう。そのLeonidasのすぐ傍にあるのが、ここSymphony'sというレストランなんだ。気軽に入れるファミリーフレンドリーなお店なんだけど、ここのフルーツパフェが美味しくてね。ちょっと食べて行こう。
たま:うわ〜これは大きなパフェですね!えっと、ヨーグルトに、シナモンが効いたグラノラ、イチゴ、パイナップル、グレープ、それにクランベリーが入ってるのかな。朝からビタミンC
がたっぷり取れて元気がでる一品です。
■Leonidas (www.leonidas-usa.com)
■Symphony's (www.symphonyscafe.com)
先輩:ホントならもう少しゆっくりしたいんだけど、今日は超特急で色々回らなくてはならないから出発するよ。お次はダウンタウンに向かうんだけど、その前にちょっとファーマーズマーケットに寄ってみよう。エヴァンストンのファーマーズマーケットは、一般のお客さんだけじゃなくってレストラン関係者も買いに来るくらいの人気なんだ。それにね、Henry's
Farmというお店が出店してるんだけど、そこは日本人の奥さんと旦那さんのヘンリーさんがやっている農園のマーケットで、珍しい日本の野菜も出品されることで有名なんだ。
たま:あ、ここですね。あ、本当だ。この東京葱とっても立派ですね。こんなのシカゴじゃちょっと見ませんよ。あ、でも今お店の人にお伺いしたら、今年はヘンリーさんと奥さんが日本に帰っているそうで、そんなに日本の野菜は沢山扱っていないんだそうです。
先輩:そっか〜。残念だなあ。でもまた来たいね。それじゃあダウンタウンに向かうよ。
■Evanston Farmer's Market
(evanstonfarmersmarkets.org)
■Henry's Farm (www.henrysfarm.com)
先輩:エバンストンのダウンタウンは北はEmerson、南はDempsterくらいまで、西はGreenbayよりもちょっと西ぐらいまでのエリアの事を言うんだ。で、その中心になるのはSherman
Avenue沿い。ちなみに、ShermanとDavisの角にSea
of the Ear-Ring '07という真っ赤な彫刻があるんだけど、これ実は日本人の曽我孝司さんという方が制作したものなんだよ。
たま:へ〜エバンストンのド真ん中に日本人の彫刻があるなんてちょっと誇らしいですね。それにしてもこれ大きい。。。あ!先輩、今この彫刻動いた!ちょっとだけだけど動きましたよ!
先輩:ははは、いい所に気づいたね、そうなんだ。曽我さんの作品の多くはキネティック・スカルプチャーといって電気などの動力を全く使わずに動くものなんだ。
たま:え?こんなに重そうな金属の彫刻が電気を使わずに動いているんですか?どういう仕組みなんだろう?
先輩:うん、それこそが彼のトリックなんだよね。地元の人でもこの彫刻が無動力で動いているのを知らない人もいるんじゃないかな。エバンストンに来たら是非一度見てほしいな。
先輩:さて、今回はたまちゃんのプチ・パリ・ツアーのスタート地点として、このクレープ屋さんを選んだよ。このCreperie
Saint Germainの店名にもなっているサンジェルマンというのは。。。
たま:サンジェルマン大通りのことですね!確かカフェのいっぱいある所ですよね。
先輩:その通り。厳密に言うとこのお店はそのエリアにある地下鉄の駅の名前を冠しているんだって。特にブルターニュ地方の昔ながらのクレープを出すお店として有名なお店で、扱っている素材の新鮮さは勿論、オーガニックなものにこだわって作っているんだ。
たま:可愛らしいお店ですね、早速入りましょう!店内はかなりこじんまりしてますね。座席も12席しかないし。
先輩:うん、隣の人との間隔も狭いし、そういう所もパリっぽいのかもね(笑)。でも、アウトドアダイニングもあるし、カフェと言ってもお酒も飲めるんだよ。ブルターニュ地方ではクレープをつくるのに昔からそば粉を使っていたので、このカフェでもおかず系のクレープは100%有機栽培のそば粉と小麦粉を混ぜたものを使用しているんだ。デザートクレープは100%小麦粉だけどね。おっ、僕が最初に頼んだMyrtille
Layered Mascarpone Cheeseが来たみたいだよ。クリーミーなマスカルポーネチーズのデザートクレープだね。
たま:う〜ん、シルキーでなめらかな食感がいいです!クレープ生地のもちもちつるつるした食感をさらに引き立てていますね。ブルーベリーとミックスベリーソースが甘酸っぱいので全体的には甘さが控えめでさっぱりしています。あ、次のも来ましたよ。こっちはダークチョコレートのクレープかな。
先輩:うん、これはMarquis
Dark Chocolate Ganachuって言ってね。中にはダークチョコレートのガナッシュが入ってるんだ。
たま:イチゴが甘酸っぱいアクセントとなっていて、ホワイトチョコレートのソースでデコレーションされています。このダークチョコレートも高級そうですね。チョコレート好きにはたまらない濃厚なフレーバーです。
先輩:あ、でもサイドにアイスクリームをつけることもできるみたいだよ。
■Creperie Saint Germain (www.creperiestgermain.com)
たま:いやあ、美味しいクレープでしたね〜。ちょっとだけ気持ちがパリになり始めてるかも(笑)
先輩:そう?じゃあ、次は今年の『ベスト・マカロン・オブ・ノースショア』にも選ばれたペイストリーのお店に行くことにしようか。
たま:さっそく『マカロンを右から左へ一気食べ』の夢が叶うとは!
先輩:。。。(無言)あ、ここ、ここ。着いたよ。このPatisserie
Coralieでは、フランス老舗のフォオションやアン・ディモンシュ・ア・パリといった名店で修行を積んだ若手のペーストリーシェフ、マニュエル・ブイエさんが腕を振るってるんだ。
たま:シンプルに白とベージュー系でまとめられた店内はシャンデリアもあってクラシックなのにどこかカジュアルさを演出していますね。それほど広い店内ではないのであっという間に満席になっちゃいますが、ゆったりとしたソファー席があるのがお洒落ですね。
先輩:時期さえ良ければ、アウトドアでも楽しめるんだよ。それじゃあまずはたまちゃんのお目当てのマカロンからいこうか。このお店では他にも食べたいものが沢山あるから、まずは三種類で我慢してね。あとはお持ち帰りにしてあげるから(笑)。
たま:仕方ありませんね〜。ほほ〜う、これが今年の賞を取ったマカロンですね。ヴァニラとチョコレートとこれはラズベリーかな。ではいただきま〜す。う〜ん、ここのマカロンはねっとりとしていてチューイーなほど濃厚な食感です。でも、そのわりには甘さが控えめなのがいいですね。う〜ん、この口いっぱいに広がるヴァニラの香りがたまりません!
先輩:こっちの甘酸っぱいラズベリーもおいしいよ。う〜ん、さすがは賞を取るだけの事はあるね。マカロンの他にも色んなペイストリーがあるんだけど、僕のお勧めはこのオレンジの香りのブリオッシュにバニラビーンズの入ったカスタードクリームやピーチジャムが入っていたTropazienne。滑らかなカスタードが最高なんだ。
たま:私はやっぱりクロワッサンを食べてみたいです。プレインとチョコレート、それからアーモンドの三種類がありますが、どれもパリパリタイプではなく、食感の柔らかいタイプみたいです。どもれとっても綺麗に層が焼きあがっていますね。
先輩:ぼくはやっぱりこのプレインタイプが好きだな。高級バターの香りが鼻孔に広がるね。
たま:私はこの2本のダークチョコレートが入った贅沢なチョコクロワッサンが気に入りました。香りの良いカカオの風味がいいですよ。これはチョコレート好きでなくても誰にでも好まれる味だと思います。でも、今日食べた中で一番のヒットは、このFrench
Gardenです。サブレの上にほんのりラベンダーの香りがする生クリームムースがのってて、その真ん中にアプリコットコンフィーをそえてあるんですが、見た目もかわいいし、甘さも控えめで、さくさくほろほろのサブレと滑らかなムースに甘酸っぱいアプリコットがのった上品なケーキです。
先輩:それに、このお店は紅茶もちゃんと茶葉で入れてくれるのがいいよね。やっぱり美味しいケーキには美味しい紅茶が良く合うよ。さて、スイーツは満足したみたいだし、お次はショッピングに行くっていうのはどう?エバンストンには、フランスの雑貨も扱っているMarie
Parieっていう小さなブティックがあってね、そこへ行ってみようと思うんだ。
たま:へ〜、どんなお店なんだろう?ワクワクしますね。
■Patisserie Coralie (www.creperiestgermain.com/bestfrenchpastries)
たま:あ、ここですね、Marie
Parieっていうのは。とっても可愛らしいストアフロントなんですね。入ってみると店内はそんなに広くなくて、所狭しとオーナーさんのお好きなアイテムが並んでいる感じですね。あ、この小物入れカワイイ!エッフェル塔がモチーフになってます。他にも色んな小物が沢山あります。
先輩:でも基本は大人向けの衣類がメインのお店みたいだね。
たま:そうですね、このスカーフとかお洒落で素敵です。出来ればベレー帽が欲しかったんですが、今日はないみたいですね。
■Marie Parie (www.marieparie.com)
先輩:このMarie
Parieのある小さな通りも色々と面白いお店が集まっているのでちょっとした散歩にはいいんだ。例えば、道を挟んで反対側にあるPironというチョコレート屋さんは、美智子妃殿下がお土産としてお召し上がりになった時に、そのあまりのチョコレートの美味しさにわざわざ日本から感謝状を送られたという名店なんだよ。
たま:あ、それ聞いた事がありました。ここがそうだったんですね。
先輩:あと、Marie
Parieの横にあるLucky Platterっていうお店もこの辺りでは有名な美味しいレストランでね、特にフランスに関係があるわけではないんだけど、ちょっと小腹がすいたんで寄って行こうとおもうんだけどどう?
たま:お供させて頂きます。ジュルジュル。
先輩:このお店はどちらかというと朝食が有名でね、僕も前回来た時は薄いクレープのような生地のパンケーキにリンゴンベリージャムをふんだんに塗ってクルリと巻いたスウェディッシュ・パンケーキや、レーズンが練りこまれたトーストをかりかりに焼いてあるフレンチトーストを食べたんだけど、それがとっても美味しかったんだ。で、今日はその時に食べれなかったオムレツにトライしたいと思ってね。お店の人に聞いたらお勧めはこのOmlet#1なんだって。
たま:えっと、Omlet#1は、玉ねぎ、アーティチョーク、アボカド、トマトソースにゴートチーズが入ったオムレツですね。それでは早速頂きま〜す。香菜の味やトマトソースにゴートチーズの融合が中東料理っぽくも感じるオムレツです。トマトソースがたっぷり入っているので全体的にはさっぱりしています。
先輩:オムレツのサイドにはお好みでレーズンスコーンか、ホールウィートのトースト、もしくは75セントを足してアプリコットチーズフレーキーというペーストリーを頼むことができるんだけど、このアプリコットチーズフレーキーはお店が自信をもってオススメするペーストリーなんだって。
たま:なるほど、確かに美味しいですよ、これ!ほんのりシナモンの味がするんですが、サクサクほろほろとしていて、クリームチーズとアプリコットジャムとのバランスが絶妙ですごく気に入りました。
先輩:あともう一品、たまちゃんの最近の流行りのエッグベネディクトをオーダーしておいたよ。
たま:あ、フロレンティン・エッグ・ベネディクトですね。嬉しい〜。うすめのコーンブレッドの上に厚切りのカナダベーコン、たっぷりのほうれん草、ポーチドエッグがのっています。ポーチドエッグのとろとろっとした玉子の部分と酸味のあるオランデーズソースがとってもよく合っててこれも美味しいです。
■Piron (www.belgchocpiron.com
)
■Lucky Platter (luckyplatter.com
)
たま:う〜んお腹いっぱいです。ちょっと散歩でもして消化を助けてやらないとこの後の取材に差し支えますね。
先輩:まだまだ食べる気まんまんだね。取材員たるものそうでなくっちゃ。それじゃあ、景色のイイところに散歩に行こう。エバンストンといういとやはりノースウエスタン大学がある事で有名だけど、あそこのキャンパスにもお散歩にちょうどいい所があるんだ。
たま:らしいですね。週末は駐車場が学生以外にも開放されているという話ですよね。
先輩:良く知ってるじゃん。その中でも今向かっているのはRegenstein
Hall of Musicのあるあたりなんだけど、この建物の裏にあるLakefillと呼ばれているウォーターフロントの学生たちの憩いの場所が散歩やジョギングにピッタリなんだ。お、着いたぞ。
たま:わ、本当に湖を見下ろせる景色のイイ素敵な場所じゃないですか。ちょっとした丘になってるところもいいですね。あれってダウンタウンのビル群ですよね?こんな風に見えるんだ、カッコイイ!
先輩:そうそう、昼間もいいけど、夕方の景色も雰囲気があっていいんだよ。このLandfillのすぐ近くには美術館もあるんだけど、ここも週末は無料で一般公開しているしね。
■Regenstein Hall of Music (www.music.northwestern.edu/about/facilities/new-building.html)
たま:ふ〜、さすが大学のキャンパス、広いですよね。でも、なんか時間がゆっくり過ぎていく感じが優雅で良かったです。さ〜て、お散歩のおかげで、少しお腹がすいてきました。次はどこにいきましょうか!
先輩:OK!じゃあまだ夕食には時間が早いし、僕のお勧めのビーガンのお店にお連れしよう。
たま:先輩、ビーガンってなんでしたっけ?
先輩:あれ?たまちゃんはヘルス志向だから知ってると思ってたよ。ビーガンってのは完全ベジタリアンのレストランのことだよ。ここBlind
Faith Cafeはそんなビーガンレストランとして有名なお店でね。ここで軽くサラダやベジタリアンバーガーを食べてからディナーしようとかと思ってね。
たま:私、やっぱりお肉好きなんでベジタリアン系のお店ってどうも縁がないんですよね。なんか『代替案』って感じがするお料理が多くて。
先輩:確かにね。でもこのブラインド・フェイス・バーガーはお肉を模しているというのではなくって、野菜で作ったパテがこんなに美味しいんだっていうのを感じさせてくれると思うよ。
たま:どれどれ?へ〜、パテはとっても香ばしく焼いてあるんですね。あ、本当だお肉の味はまったくしないどころか、似せている感じもないんですね。香ばしくてあっさりしてて、こういうのであればベジタリアン・バーガーも悪くないですね。それにこのサイドについてくるスイートポテトのフライもかりかりに揚げてあって、美味しいです。
先輩:あとこっちのサラダも食べてみて。ブラインド・フェイス・サラダって言ってミックスグリーン、ジャック・チーズ、レーズン、カシューナッツ、オニオン、アボカドに白味噌ベースのドレッシングをかけるんだ。
たま:白味噌のドレッシングですか?面白そうですね。あ、これ味は濃いめですが、フレーバーが豊かで美味しいです。うん、これ気に入りました!売っているなら買って帰りたいぐらいですよ。でもレーズンとの相性はあんまり良くないかな。
■Blind Faith Cafe (www.blindfaithcafe.com
)
先輩:ね、そんなにガッツかなかったからちょっと時間を取ればディナーも大丈夫そうだろ?でも、夕食までの間にもう一店お店を紹介したいんだ。Dempster沿いなんで歩いて行けるよ。ほら、あそこにお店の前にウッドデッキがあるところがあるだろ?あれがParamour
Bungalowだよ。
たま:これはまた小洒落たキュートなお店ですね。エバンストンをモチーフにした色んな小物が沢山あります。このクッションもカワイイ!お店全体がエバンストン・ラブ!って感じですね。
先輩:インテリアを楽しくしてくれるようなものも多いので、ローカルの人達だけでなく、郊外からもわざわざ訪れる人が増えている人気のお店なんだ。
たま:あ、このティータオル、シカゴのデザインなんですね。色もデザインもとっても素敵!こんなの初めて見ましたよ。お土産に良さそうだから買っていこうっと!
■Paramour Bungalow (paramourbungalow.com
)
先輩:さて、ディナーのお店に行く前に、明日の朝ごはん用のパンをHewn
Bakeryで買っていこうと思うんだけどどう?
たま:いいですね〜。エバンストンのHewnって言ったらパン好きの間では話題のお店ですもんね。私も今日は必ず寄って帰ろうと思っていました。先輩のお勧めってあります?
先輩:いっぱいあるんだけど、Monkey
Breadっていうコロコロしたデニッシュ生地をシロップとシナモンでつないでマフィンのような形にしたパンがあってね、これがちょっと甘めで、疲れている時なんかにいいんだよね。あと、シナモンのブリオッシュもいいよ。卵とバターの香りがよくって、シュガーコーティングしてある部分がサクサクしてて美味しいんだ。あ、ここ、ここ。いい香りが外まで漂ってるね。
たま:早速入りましょう。へ〜、どれもこれも美味しそうですね!私はルームメートに絶対バゲットを買って帰ってきてって頼まれてるんですよね。彼女いわく、そのままバターをつけて食べるよりも、スープと一緒に食べたり、サンドイッチにするのにはHewnのバゲットがピカイチなんだそうです。
先輩:あとね、あそこにあるサワードウの中にローズマリーとポテトがころころ入っているアーティサン・ブレッドがあるだろ?前回買った時にあれが超ヒットだったので、今日も買って帰ろうと思ってるんだ。
たま:う〜ん、どれも美味しそうで目移りしちゃいますね。
■Hewn Bakery (hewnbread.com
)
たま:なんかいっぱい買ってしまいました。HEWNはやっぱり素敵なパン屋さんでしたね〜。お店の造り自体からもつくり手の方の気持ちが伝わってくるというか。
先輩:そうだね。さあ、それじゃあ最後にBistro
Bordeauxっていうお店のディナーで今回のエバンストン特集を締めくくろう。ここは地元の農場と契約をして毎日新鮮な食材を使ってフランス料理を食べさてくれるビストロなんだよ。
たま:店内は照明も暗めの落ち着いた雰囲気ですね。壁にはパリの風景や肖像画が飾られていて雰囲気を出しています。あ、早速バゲットが出てきました。ここのは袋に入ってるんですね。
先輩:たまちゃんもいろんなお店でバゲットを食べてきたと思うけど、ここのも美味しいよ。それにちゃ〜んとエスカルゴをオーダーしておいたからね。
たま:メニューにEscargots
de Bourgogneって書いてあるってことはリンゴマイマイですね。あ、出てきました。ハーブの香りがすごく効いていて上品な美味しさです。バターもたっぷり使っているのに不思議なほどしつこさを感じませんね。
先輩:お店の人の話だと、ハーブの他にも、ほんのりと香ってるのはこの香りの正体はペルノー(フランス製のリキュール)なんだって。う〜ん、やっぱりバゲットと一緒に食べるのは美味しいなあ。
たま:あ、オニオンスープも頼んでくださったんですね。う〜ん、ここのはすごく深みのある濃い味付けのオニオンスープですね。オニオンがこげる寸前までじっくりいためられているので甘みとコクがしみ込んだ上等のスープに仕上がっていますね。
先輩:うん。上にのっているチーズも歯切れが良くてしつこくないからスープとよくあうよね。僕はオニオンスープがあったら絶対頼んじゃうほど好きなんだけど、ここのは美味しいと思うよ。
たま:メインは何をオーダーしたんですか?あ、ブイヤベースだ!う〜ん、魚介類のコクとうまみがふんだんに染み出ていますね。えっと、海老、ほたて、ムール貝、あさり、サーモンなんかが入っているのかな。この凝縮されたスープのうまみは何物にも代えがたいです。う〜ん、シアワセ。
先輩:もう一品は鴨の胸肉をつかったオレンジソース添えなんだけど、この鴨肉のの柔らかさには驚かされるよ。是非食べてみて。
たま:本当にやわらかい!お味も素晴らしいんですが、このプレゼンテーションもとっても綺麗です。お肉の下に添えてあるカブも瑞々しいし、赤菜やグリーンピースなど野菜がふんだんに使われているのですが、どれもこれも塩味加減や調理具合がばっちりです。
先輩:そうだね。鴨肉と野菜、それにブラッド・オレンジのほんのりにがみのある香り良いソースが絶妙な味を作り出してくれてるなあ。さ〜て、今日のしめくくりのデザートも出てきたよ。
たま:チョコレート・テリーヌですね!70%ダークチョコレートを使ってあるそうなんですが、生チョコのようになめらかで香りもよくって、舌の上でとけていきます。これはたまりませんね。
先輩:うん、この甘酸っぱいラズベリーソースとの相性が最高だね。さあ、これで今回のエバンストン特集は終わりだよ。今回はエバンストンをちょっと違った視点から取材してみたけどどうだった?
たま:エバンストンにこんなにフランスにちなんだお店があるというのはびっくりしました。これからも今回のようにあまり知られていないシカゴの隠れた魅力を紹介していきたいですね。
先輩:そうだね。是非読者の皆さんにも週末の晴れた日には色んな街に繰り出してほしいよね。
■Bistro Bordeaux (www.lebistrobordeaux.com)
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