シカゴのミシガンアベニュー周辺には世界に名だたる高級ホテルが所狭しと軒を連ねています。シカゴに住んでいても、宿泊の機会がないので、なかなか縁遠い高級ホテルですが、お洒落なカフェや、ムードのあるバーがあるだけでなく、装飾や調度品に趣向を凝らしたロビーエリアや待合室も多いので、気軽にゴージャス感を味わう事のできる場所でもあります。マナーを守って上手に活用すればとても贅沢な気分にしてくれる高級ホテルの活用法を編集部の名物コンビ、『先輩とたまちゃん』がご紹介します。
先輩:たまちゃん、おはよう!今日も朝から元気そうだね。週末、何か楽しい事でもあった?
たまちゃん(以下たま):ええ、日曜日に友人の結婚式がミシガンアベニュー沿いのホテルで行われたんです。もう自分の事みたいにうれしくなっちゃって。それにしても、ああいう高級ホテルって、自分では宿泊する機会がないので、あまり縁がないんですけどたまに行くと別世界みたいでいいですよね。
先輩:確かにね。週末にリフレッシュの為だけにホテルに泊まりに行くっていう人もいるみたいだけど、普通は結婚式でもないと行く事ないかもね。でも高級ホテルってうまく活用すると地元民の僕らにも便利なんだよ。例えばミシガンアベニューでショッピングしている合間に疲れた時とか、ホテルのロビーってそんなに混雑してないからゆっくり休めるんだ。もちろん、マナーは守らないとダメだけどね。
たま:確かに、スタバなんかは席が空くのを待つのが大変だったりしますよね。
先輩:そうそう。あと、ホテルによってはカフェで本格的な緑茶や玄米茶が飲める所や、週末にロビーでジャズの生演奏をしている所なんかもあるしね。
たま:そういえば、昨日の結婚式でも新郎新婦の写真撮影に使った場所がホテル内にあったんですけど、そこは一般の人でも入れる場所なので、今度写真を撮るために行ってもいいな、って思ったんですよね。
先輩:そういう場所なら他にも沢山あるよ。家族で撮影したらそれだけで年末のホリデイカードになっちゃうような絶好のロケーションがね。あ、でもこの企画、面白いかも知れないね。泊まりに行くんじゃなくって、気軽な高級ホテルの活用法なんてどうかな?
たま:おもしろそうですね。これから夏に向けて日本からお客さんが来る読者も多いでしょうから、観光やショッピングの合間にホテルを絡ませる事が出来ればオシャレ度がグ〜ンとあがりそうですね。
先輩:よし、じゃあ早速取材に行ってみよう!
フォーシーズンズホテル |
Four
Seasons Hotel Chicago |
900
North Michigan Shops, 120 E
Delaware Pl, Chicago, IL 60611 |
(312)
280-8800 |
たま:到着したのはいいんですが、いきなりフォーシーズンズなんですね。以前アフタヌーンティーの取材で来たことがありますが、かなりのフォーマルさでした。ちょっと敷居高そう。。。
先輩:でもね、ここも随分変わったんだよ。最近は専属の絵画キュレーターに、あのアンディ・ウォーホルを見出した事でも知られるエリザベス・ワイナーさんを起用したりね。だから、飾ってある絵画もモダンアートが中心になってるだろ?おかげで以前みたいなクラシックさは薄れたんじゃないかな。
たま:本当だ、BGMもアップテンポな感じに変わりましたね。
先輩:昔のフォーシーズンズを知ってる人の間では賛否両論らしいけど、いわゆるエレガントなカジュアル感が求められているってことなのかもね。で、お洒落な調度品に囲まれたここのロビーエリアが一息つくには最高なんだよ。おまけに、ロビーの奥にはAlliumっていうカフェがあるんだけど、さすがはフォーシーズンズというだけあってデザートが美味しくってね。折角だからちょっと寄って行こうか。
たま:本当に静かな雰囲気の素敵な空間なんですね。でも、どこかカジュアル感があるので以前のように肩肘張らない感じがリラックスできます。
先輩:デザートではこの新食感のパッションフルーツのクレープスフレがお勧めだよ。最近日本でも話題のハイブリッド・スイーツ(コラボスイーツ)みたいなものなんだけど、僕みたいな酸っぱいモノ好きにはたまらないんだ。疲れた時には元気が出るそうだし。
たま:ほんとですね。ふんわりスフレ生地の中にカスタードが入っていて、それにパンションフルーツソースが添えてあるんですね。スフレ生地の表面に砂糖をまぶしてあるのでパリパリした食感も楽しめます。パッションフルーツの酸味が私の頼んだアールグレーにピッタリです。
先輩:そうなんだよ。ミシガンアベニューって美味しいコーヒーを飲めるお店ならそれこそ山のようにあるんだけど、洗練された雰囲気でキッチリと入れてもらった紅茶を楽しみたいとなるとやっぱりホテルのカフェがいいよね。ちゃんとポットに入れて出してくれるお店なんてなかなか無いからね。更にゆったりしたいっていう人には8階のエリアもお勧め。あそこはトイレも贅沢な造りのままだし。静かなソファーエリアには胡蝶蘭も飾ってあってとってもゴージャスなんだ。
ドレイクホテル |
The
Drake Hotel |
140
E Walton Pl, Chicago, IL 60611 |
(312)
787-2200 |
先輩:次はドレイクホテルだね。ドレイクというと、昭和天皇をはじめ、歴代の米国大統領、チャールズ皇太子やダイアナ妃、エリザベス・テイラーや、フランク・シナトラ、マリリン・モンローに至るまで著名なゲストが宿泊した格式あるホテルとして有名だけど、最近では少し老朽化が進んでいる事もあって、意外と安価で宿泊できることでも知られているね。
たま:確かアメリカ合衆国の国家歴史登録財にも登録されてますよね。あと、ミッションインポッシブルなどの色んな映画で使われるくらいの重厚な趣きが印象的ですよね。
先輩:そうなんだ。ジュリア・ロバーツ主演のベスト・フレンズ・ウェディングなんかにも使われたよね。で、本題だけど、例えば入口を入って直ぐのところにあるロビー。あそこのシャンデリアの下にある大きなフラワーアレンジメントのセクションなんかはシカゴを象徴する写真スポットだね。あと、ロビーを奥に行ったところにゴールドコーストフォイヤーという細長いエリアがあるんだけど、ここも昔ギャング達が街を闊歩していた100年前のアメリカにタイムスリップしたのかと思うほどダンディーな雰囲気がある写真スポットなんだ。あと、年代を感じさせるエレベーターも渋いよね。
たま:それに、昔からアフタヌーンティーはドレイクホテルっていうイメージがありますよね。香淳皇后もお召し上がりになったそうですし。
先輩:うん、それはいまだに健在だね。ただし、他の食べ物はおすすめできないな。ここのカフェは眺めはいいんだけど、コーヒーもデザートも最近のホテルのクオリティーには程遠いね。
リッツカールトン・シカゴ |
Ritz-Carlton
Chicago |
160
E Pearson St, Chicago, IL 60611 |
(312)
266-1000 |
たま:私、リッツカールトンホテルには昔から憧れがあるんですよ。以前、一度だけアフタヌーンティーに来たことがあるんですけど、天井がガラス張りになったアトリウムに明るい日差しが優しく差し込む中、仰々しいサービスを受けて本当に幸せな時間を過ごしました。
先輩:そっか〜、でも残念だけどリッツはもう不定期に行われるイベント以外ではアフタヌーンティーをやめちゃったんだ。でもね、たまちゃんが楽しんだそのアトリウムは、今では一般の人でも入れるウェイティングスペースになってるから、以前よりも気軽に立ち寄る事ができる場所になってるよ。
たま:うわ、ホントですね、こんなに気軽に入れるようになっちゃったんですね。ちょっと複雑だけど。。。でも、リッツはロビーの中央にある大きな噴水も有名な写真スポットですよね。
先輩:そうだね。あと、ロビーの傍にDeca
Restaurant & Barっていうのがあるんだけど、ここも高い天井とソファー席のおかげでリラックスできるんだよ。ちょっと寄って行こう。
たま:うわ、ここって最初に出てくるパンにエピ(穂のような形が特徴的なフランスパン)を使ってるなんて、本格的ですね。それにしても美味しそう!
先輩:そうなんだ、このクリーミーで滑らかな食感のバターがチューイーなエピにぴったりあうよね。
たま:ナルミのカップに入ったラバッツァのコーヒーにも良く合います。
先輩:ちょうどランチタイムだし、ハリバット・ラップと和牛を使ったハンバーガーをオーダーしておいたので食べて行こうか。
たま:先輩、私がハリバット好きなの覚えててくれたんですね。へ〜、トルティーヤでハリバットを軽く揚げたものとミックスグリーン、オリーブ、トマト、それから赤パプリカのローストなんかがラップされています。ミントとディルがほんのり香るソースが入ってるんですが、決して主張しすぎることなく、バランスよく仕上がっていますね。パプリカの味もすごく良いアクセントです。
先輩:気に入ったみたいだね。こっちの和牛バーガーもいけるよ。ジューシーな和牛パテの他にも牛肉のショートリブをバーベキューしたものまで挟んであるなんて贅沢だよね。
たま:一緒に挟んであるマイルドな味わいのゴーダ・チーズと手作りのオニオンリングの甘みも美味しいですね。タンギーでほんのりスパイシーさも感じるソースがキリっと引き締めています。
先輩:デザートにはベニエ(生地を油で揚げたドーナツに似たスイーツ)はどう?
たま:レモン・カードの入ったベニエとネーブルオレンジのシャーベット、それに生クリームとソースをまるでパフェのように盛り付けてあるんですね。このネーブルオレンジのシャーベットの深い味わいが特に美味しいです。
先輩:ベニエに入っているレモン・カードは酸味があるんだけど、生クリームがまろやかにしてくれているよね。
パークハイアット・シカゴ |
Park
Hyatt Chicago |
800
N Michigan Ave, Chicago, IL
60611 |
(312)
335-1234 |
先輩:さて、お次はパークハイアット。シカゴ広しといえども、ロビーに博物館級の化石のコレクションを陳列しているホテルはここだけじゃないかな。入口を入って直ぐ左にモダンなウェイティングエリアがあるんだけど、ここに三葉虫やアンモナイトなどの本物の化石が飾ってあるんだ。ほらね。
たま:うわ、驚くほどこのお洒落な雰囲気にマッチしてますね。それにこのソファー気持ちいい!
先輩:だよね?このロビーも昔から気に入ってるんだ。で、実際にカフェでお茶をしたいなと思ったら7階にあるNOMIのラウンジがあるね。
たま:NOMIには、私も行ったことあります。あそこのラウンジって天井が高くてスタイリッシュですよね。大きな窓からはミシガンアベニューの夜景が綺麗だし、ワインのセレクションも充実しているので何度か夜に飲みに行った事があります。でもお昼に行ったことはなかったです。
先輩:だよね。そこが盲点なんだ。こんなお洒落なお店だけどホテルのカフェなんだから、普通にお茶するだけでももちろんOK。しかも、ここは一日中お寿司や刺身だって食べれる和風テイストのラウンジなので、美味しい緑茶や玄米茶が飲めるんだよ。
たま:なるほど〜。あ、すごい!日本茶は鉄瓶に入ってサーブされるんですね。これは玄米茶かな?う〜ん、香ばしい玄米の香りがほっとしますね。あ〜、落ち着く〜。
先輩:コーヒーが売りのカフェなんかだと、緑茶をオーダーしてもミントかハーブの入ったティーバッグ的なのばかり出てきちゃうけど、ここのは本格的でしょ?
たま:ええ、本当に盲点でした。しかも、日本のビールだって飲めますしね(笑)。
先輩:ははは。それだけじゃないぞ。アメリカでも最近流行っている日本のウィスキーみたいな珍しいお酒の種類も豊富に取り揃えてるんだ。それに、折り紙付きなのがこのお店のパンナコッタ。さっきオーダーしておいたので是非食べてみて。
たま:おお、このクリーミーでつるっとした食感!めちゃくちゃ美味しいじゃないですか!私が今まで食べた中でもトップ3に入りますよ。上にレモンの皮のシャーベットがのってるんですね。
先輩:他にもクランベリーやオレンジ、それにグレープフルーツなどがきれいに盛り付けられていて、デコレーションも可愛らしいよね。
たま:そうですね。違ったシトラスと食べ合わせる事ができるので一皿で色んな味わいが楽しめるのも嬉しいです。特にこの生のクランベリーの甘酸っぱさとの相性は抜群です。
ペニンシュラ・シカゴ |
The
Peninsula Chicago |
108
E Superior St, Chicago, IL 60611 |
(312)
337-2888 |
先輩:さーて、お次は数あるシカゴの高級ホテルの中でも、絶対に外す事がないペニンシュラホテル。大切なお客さんをおもてなしする時は、ここなら外さないとおもうんだ。
たま:やっぱりこの吹き抜けのロビーエリアは優雅で素敵ですよね。私もお友達をここに連れてきた時に彼女たちがびっくりして喜んでくれる顔を見るのが好きです。洗練されたロビーのエレガントさはやっぱり随一ですね。
先輩:たまちゃんも知ってると思うけど、金曜日と土曜日の夜にはここでジャズ系の生演奏が楽しめるじゃない?だからこの辺でディナーをした後にちょっと立ち寄るのにもいいんだ。よほどの事がないとそこまで混んでないから直ぐ席に案内してくれるしね。
たま:確かチョコレート・バフェもやってますよね。
先輩:うん、そうそう。あと、毎日やってるアフタヌーンティーも有名だし、サンデーブランチもシカゴで一番だと言う人も多いね。でも、ペニンシュラにはロビー以外にも、随所に素敵な写真スポットがあるのはあまり知られてないよね。例えば、ロビーの南側の通路を使ってボールルームのあるセクションに行くと、大きな絵画の下にピアノが置いてある場所があるんだけど、ここは、うまい具合に光が差し込むのでピアノの前で写真を撮るととても綺麗に撮れるんだ。このホテルで結婚式をあげる人たちは必ずと言っていいほどここで写真を撮ると思うよ。
たま:へ〜、確かに品がありますね。あと、ロビーから二階に上がる階段の所も感じイイですね。あそこで撮影されたウェディングフォトを見たことあります。それから、ペニンシュラホテルはギフトショップもいいですよ。決して大きくはないですがセレクションが可愛いのでお勧めです。特にペニンシュラ・ベアのグッズはプレゼントにも自分用にもついつい買っちゃいます。
先輩:へ〜、そうなんだ。それは知らなかった。
たま:ただ、ペニンシュラホテルって香港系じゃないですか、以前朝ごはんを食べにここに来たことがあるんですが、その時、ここなら美味しい中華の朝ごはんを出してくれるだろうと思ってチャイニーズブレクファストってのを食べたことがあるんですけど、あれは絶対食べちゃだめです。
先輩:え〜?そんなにひどかったの?
たま:ロブスターとホタテのお粥っていうのがメニューにのってたんですけど、もうこれが超期待外れで。。。昔、香港に旅行に行ったときにホテルで食べた朝ごはんをイメージしてたんですけどね。。。
先輩:やっぱり中華の朝ごはんはチャイナタウンに限るのかもね。でも同じ朝ごはんメニューでもここのブリオッシュのフレンチトーストは美味しいよ。シナモンの香りが効いたフレンチトーストはブリオッシュが柔らかくてね〜。キャラメルの味もフレンチトーストによくマッチしてて感激したのを覚えているよ。
ソフィテル・シカゴ |
Sofitel
Chicago Water Tower |
20
E Chestnut St, Chicago, IL 60611 |
(312)
324-4000 |
先輩:ところで、僕は最近はミシガンアベニューよりもラッシュ沿いでショッピングする事が増えたんだよね。いい感じのお店もかなり増えてるし。で、そんな時によく立ち寄るのがこのソフィテルなんだ。
たま:ここは、つくりもスタイリッシュだし、インテリアの色使いとか斬新ですね〜。
先輩:2階にあるトイレがまたカッコ良くってね。それも気に入ってる理由のひとつかな。ロビーもゆったりしてるんだけどセンスがいいよね。そして何よりもこのホテルのポイントは、このカフェ「Cafe
des Architectes」があること。天井が高くて大きな窓のおかげで雰囲気も明るい、もちろん、そういったお洒落な感じもいいんだけど、このお店がスペシャルな一番の理由は「味」と「サービス」、これにつきる。やっぱり花より団子だもの。さっき飲み物のオーダーを済ませたから、そろそろパンを持ってきてくれると思うんだ。そしたら僕の言っている事が分かってもらえると思うよ。あ、来たみたい。ほら、見てごらん。
たま:え、凄い!何ですかこの中から選べって事ですか?セレクション凄いですよ。バゲッド、クロワッサン、お砂糖のついたブリオッシュ、チョコレートクロワッサン、それからレーズンクロワッサン!え、目移りしちゃいますよ。こんなの選べません〜。
先輩:じゃあ二つ選んでいい?って聞いてみてごらん。きっと大丈夫だと思うよ。
たま:ウエイターさんが笑顔でお皿に置いてくれました〜。高級レストランなら複数のパンの中から選べるタイプもありますが、カフェで飲み物をオーダーしただけなのにこのサービスは凄いですね。さっそくブリオッシュからいっちゃいますね。甘い砂糖のついたブリオッシュはバターと玉子がふんだんに入っていて言う事ない美味しさです。
先輩:僕もそれ気に入ってるんだ。僕はこのフレーキーでやわらかいチョコレートクロワッサンをもらったよ。スティック状のチョコレートが二つも入っていて甘すぎず仕上がってる。でもやっぱりバゲットは外せないよね。このもちもちパリパリのバゲッドはうまい!
たま:それにあのウェイターさんの笑顔も素敵でしたね。このサービスが行き届いている感じがゲストを気持ちよくしてくれますよね。
先輩:それじゃあ、飲み物だけと言わずにちょっと軽く食べていくことにしようか。良いサービスを受けると、自然とこういう気持ちにさせてくれるから不思議だね。
たま:いいですね、実はさっきお隣さんがオーダーしてたマルガリータ・オムレツっていうのが美味しそうだな〜と思ってたんです。あれ、オーダーしてもいいですか?
先輩:もちろんさ。あれは白身の部分だけで作られたヘルシーなオムレツなんだけど、中はエアルーム・トマト、バジルの葉、それにフレッシュ・マッツォレラなんかが入っていて、僕も食べたことがあるけどあっさりしていていい味だったよ。
たま:美味しそうですね〜。
先輩:卵料理をかぶせることになっちゃうけど、僕のお勧めはスモークサーモンとパストラミのエッグベネディクト。コショウが周りについたパストラミ・スモークサーモンをブリオッシュの上に乗せて、ミックスグリーンやポーチドエッグをのせたエッグ・ベネディクトなんだ。
(お料理登場)
たま:うわあ、プレゼンテーションもいいですね。ミックスグリーンの中にフェンネルや赤玉ねぎ、きゅうりなんかも入ってるんだ。辛みや香りがスモークサーモンにとっても良く合ってます。ああ、この胡椒のピリリとした辛さが味を引き締めてくれるので、とにかく全部を一緒に口に入れたときの一体感やバランスが最高ですね。
先輩:うん、やっぱり美味しいなあ。それから、ここの狙いめは日曜日のブランチタイムなんだよ。その時間にはミニ・デザートが特別に用意されるので、一つのデザートを食べるのではなくって色んなスイーツをちょっとづつ楽しむ事が出来るんだ。メニューにはのっていないので、サーバーさんに直接聞くといいよ。
たま:それでさっきウェイターさんになんだか色々聞いてたんですね。あ、来ましたね。えっと今日のミニデザートはフルーツタルト、チョコレートのバントケーキ、マカロン、ピスタチオ・オレンジの4種類ですね。どれも宝石みたいに可愛らしくて、なかなかフォークが入れられません!
先輩:このフルーツタルトは、バニラビーンのつぶつぶが入っているのでカスタードクリームの香りがとってもいいね。甘酸っぱいラズベリーにサクサクしたタルト生地とのバランスがこれまた絶妙だ。
たま:こっちのラズベリーマカロンも美味しいですよ。表面がカリッとしていて中が濃厚でリッチな食感のマカロンは私が食べてきたマカロンの中でも5本の指に入ります。
先輩:あれだけマカロンばっかり食べてきたたまちゃんが言うんだから間違いなさそうだね(笑)。
インターコンチネンタルホテル |
InterContinental
Chicago Magnificent Mile |
505
N Michigan Ave, Chicago, IL
60611 |
(312)
923-9988 |
先輩:次はシカゴリバー沿いのインターコンチネンタルホテルだね。
たま:先週私が友人の結婚式で出席したのがここです。この2階に噴水のある一角があるんですが、そこで新郎新婦がスティル写真を撮ったんですよね。それがとっても素敵な感じで。
先輩:なるほど、ここだね。前から聞いたことはあったんだけど、僕も初めて来たよ。ここは『The
Hall of Lions(ライオンの間)」と呼ばれている場所で、こういう様式をアッシリア風っていうんだそうだよ。確かに照明もムードがあるし、とっても厳かで幻想的な雰囲気の場所だね。
たま:この正面にある二つの大理石に掘られたライオンは、特殊な復元方法を使ってオリジナルが製作された際の繊細さを再現しているのだそうです。そして、この階段を使って階上に行くと今度は非常に凝った造りのテラコッタの噴水があるんですが、そこはスパニッシュコートと呼ばれていて、有名なマヨリカ焼のタイルがとても美しいんですよ。
先輩:なるほどね〜。ここなら素敵な写真が沢山撮れそうだね。他でこういう感じのセッティングとなると博物館とかになるんだろうけど、そういう場所で写真を撮っても絶対に他の観光客が映り込んでしまうものね。
たま:そうなんです。でもここなら誰にも邪魔されずゆっくりとベストショットを狙えますよね。こんな立派な場所があるなんてびっくりですよね。
先輩:確かにこれは穴場だわ。じゃあ、僕らも一枚撮っていこうか(笑)。
たま:はいっ!
ランガムホテル |
The
Langham Chicago |
330
North Wabash Avenue, Chicago,
IL 60611 |
(312)
923-9988 |
たま:先輩、最後はトランプホテルに向かうんですか?
先輩:確かに方角は一緒なんだけど、今から行くのはトランプの前にあるランガムホテルだよ。今回の特集では、シカゴリバーより北にあるリバーノースのホテルばかりを紹介させてもらったんだけど、中にはミシガンアベニューからは少し距離があるので「買い物の合間にリラックス」というカテゴリを考えて外したホテルも多いんだ。このランガムホテルもミシガンアベニューからはちょっと距離があるんだけ、今回是非紹介しておきたくってね。
たま:ランガムホテルっていうとあのロンドンにある有名なあの超高級ホテルの系列なんですか?
先輩:そうそう、良く知ってるね。あの1865年に創業した老舗の高級ホテルチェーンがシカゴにも2013年にオープンしたんだ。今ではシカゴで一番宿泊費の高いホテルのうちの一つになったそうだよ。ただ、もともとコーポレートビルだった所をホテルに改装したので、一階のロビーエリアなんかはミニマリスト過ぎて僕にはピンと来なかったんだけど、それでも今回ここを紹介したいと思った理由は、今やシカゴナンバー1の評価を受けている最高級のアフタヌーンティーなんだ。
たま:へ〜、でもアフタヌーンティーって、リッツカールトンもそうですが、最近はシカゴのホテルでもやらなくなった所が増えているっていう話でしたよね。
先輩:そうなんだ。そんな風潮に逆行するかのように最高にゴージャスなアフタヌーンティーをシカゴに持ち込んだのがこのランガムホテルなんだ。
たま:確かロンドンのランガムホテルって世界で初めてアフタヌーンティーを始めたホテルじゃありませんでしたっけ?
先輩:その通り。そんな歴史と伝統に恥じないものをシカゴでも楽しめるというわけなんだよ。
たま:それは楽しみですね〜、さあ早く行きましょう!
先輩:ゴメン!本当に申し訳ないんだけど、残念ながら今回は予約がどうしても取れなくて実際にトライしてみる事はできないんだ。つまり、それくらいずっと先の先まで予約が入っているってことなんだよ。特に週末はね。
たま:え〜、それは残念ですね。週末は予約が取りにくいかも知れませんが、毎日やってるのであれば平日は何とかなるかも知れませんね。今度お友達と来てみます。
先輩:すまないね。その代わりと言ってはなんだけど、景色の良いモダンなカフェでコーヒーとデザートを楽しんで行こう。
たま:いいですね。Travelleというお店ですか?あ、キッチンが全部ガラス張りになって丸見えなんですね。面白〜い。
先輩。うん、ここもデザートには定評があってね。中でも僕はこのシトラスのタルトが好きなんだ。
たま:かなり酸味の強いタルトですが、先輩のように酸っぱい系のスイーツが好きな人には良さそうですね。タルトのクラストはサクサクしていてそのすぐ上にラズベリークリーム、その上にレモン・カード、そして軽くてほろほろしたメレンゲがのっています。
先輩:それを全部一度に口に入れてほおばるといろんな食感が味わえて面白いんだよ。でも甘いものが好きなたまちゃんにはこちらのエスプレッソチーズケーキの方がお好みかな?
たま:チョコレートクッキーの上にチーズケーキ、それをチョコレートキャラメルソースで包み込んでありますね。エスプレッソソースが添えてあるので、甘さは控えめです。確かに後味の良いすっきりした甘さのケーキは私の好きなタイプですね。
先輩:ちなみにこのお店がつかっているラ・コロンビのコーヒーは最近色んなお店でみるようになったブランドなんだけど、なかなか評判がいいみたい。冒険家のトッド・カーマイケルっていう人が世界中を旅して見つけたコーヒーのブレンドを独自の製法でローストしてるそうなんだけど、どう?
たま:美味しいですよ。このコーヒーは苦味が少ないタイプですね。食後の一杯には苦めのコーヒーよりこういうものの方が私は好きです。
先輩:そうなんだよね。カーマイケルさんも食後に飲んで美味しいコーヒーを目指してブレンドしているらしくて、そのコンセプトがあたって、色んな高級レストランでも扱われるようになってきてるんだって。
たま:へ〜。そういえばさっきトイレに行く時に先輩の言っていたアフタヌーンティーが行われるお部屋の横を通ったんですけど、とても素敵なお部屋でしたよ。あんな所でやるんですね。期待できそう〜。
先輩:だよね、ホント今回行ければ良かったんだけどね。あ、そうだ。もう一つおすすめポイントがあるんだけど、これから3階にあるボールルームエリアに行ってみよう。
(3階にエレベーターで移動)
たま:あ、凄〜い。ここは眺めがイイですね〜。大きな窓からシカゴリバーを見下ろせるようになっています。こんな静かな所にソファーベッドも置いてあるし。
先輩:そうなんだ。この景色を今日はたまちゃんに見てもらいたかったんだよね。
如何でしたか?今回二人が紹介してくれた場所以外にも色んな隠れスポットがシカゴの高級ホテルの中に紛れています。例えば、ラディソン・ブルー・アクア・ホテルの公衆トイレは、全米トイレのベスト10に選ばれていますし、ロビーのクラシックさでいうとパルマーハウス・ヒルトンの美しさの右に出るものはいません。世界中の色んな人が集まるホテルのロビーでは人間ウォッチングを楽しんでいるだけでもすぐに時間が過ぎてしまいます。是非みなさんも素敵な場所を見つけてください。(くれぐれもマナーだけは守ってくださいね〜)
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