「一度行ってみたい所は?」と聞かれると必ず「インド!」と答えていた筆者。どうしてインドなのか、何をしたいのか、どうしてなのか、などまったく考えず、ただひたすら自然に「インドに行かなければ」と思っていたんです。三島由紀夫氏の言葉の通り:『インドへは行きたいと思っていても、インド側からお呼びがかからない限り、行くことはできない。インドに呼ばれる時期も決まっている。インドはそういう国なんだ。』そう、私は呼ばれていたんです。
インドからおよびがかかってしまった私
とてつもなく広く、そして人口12億人のというマンモス国家。この国を全て知るには相当な時間と体力、そして資金も必要となる。そこで、まずはインドの地図を広げて、どうしても行きたい場所、どうしてもやりたい事をチェック。結果的に:
1. |
インドのマックでしか食べられないマハラジャマックを食べる |
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インドの列車に乗る |
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タージマハルを訪れる |
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象さんに乗る |
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本場ボリウッドの映画をインドの映画館で観る |
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ガンジス川の水に触れる |
7. |
とっておきのサリーを買う |
の『7つの願い』を制覇すべく、わがままにプランを練って行く事にしました。
まずマハラジャバーガーに関しては、とりあえず大きな街に行けば必ずありつけるであろう、というのが私のインド人友人サチーンの回答。タージマハルはアーグラー(Agra)という街にあり、電車での移動が可能。象に乗れる事で知られているアーンベール城はジャイプール(Jaipur)
にあり、インド国民的娯楽であるボリウッド映画館で一番有名なのはRaj Mandirという場所、これもジャイプール。ガンジス川に触れるので有名なのはバラナシ(Varanasi)あるいはハリドワール(Haridwar)
など。サリー購入は滞在日数の長いウダイプールにしよう。という訳で決まっていった私の旅はデリー(入国)▼アーグー▼ジャイプール▼ハリドワール▼リシュケシュ▼ウダイプール▼デリー(帰国)となりました。
このようなわがままな筆者の旅作りを応援してくれたのが『シゲタトラベル』のRajendarさん。日本語ペラペラ、顔はインド人だけどたぶん前世は日本人だったんだろうな、と思わせる彼の細かな対応のおかげで、旅が安全かつ楽しいものになりました。というのも、インド人と絡み合ってバックパッカーしよう、安くあげるために交渉しながら行こう、という気はまったくなかったから。「インドのような国は、良く土地を知っている人に任せた方がベター。旅の安全と快適さはお金で買うもの」というサチーンの言葉を深く信じたのが正解。という訳で、『7つの願い』を心に筆者のインドの旅スタート!パスポート、下痢止め、簡易トイレットペーパー、虫除け、全て準備オッケーです。
■http://www.yokosoindia.com/
■インドに到着!
到着しちゃいました!インドらしいデザインの施された空港内は、微妙なお線香の香りと共に心をワクワクさせてくれました。そして前歯が2本抜けた審査官の笑顔を通り抜け入国も無事終了。「空港でだましてくる人も多いから、気をつけろ!」の言葉もありましたが、何事もなく荷物もゲット、そして空港外に出てみると、、、デターッ!すっごい人の波!みーんなこちらから来る外国人目当てにああだ、こおだ、と騒いでおります。「ホテルはあるのか?良いホテルを教えるぞ。送迎はタダでいいからついてこい。」いや、私はラジェンダーさんの手配があり、しっかりと名前札を持っているおじちゃんと移動。おじちゃんも歯がぬけてたけど、寡黙な方だったので目立ちません。
街に出ますと、まず目に入ったのは「立ちション君達」のウェルカム・エンターテイメント。そして、強烈な臭いと強烈な車の数。プラス車線を無視した運転。すでにかなり面白い国だと実感。さらーに「英語で全部通じるよ!大丈夫」と言っていたサチーンに思い切り裏切られる。通じる人は通じるけど、やっぱりヒンディー語が強い!
という訳で、初日からヒンディー語を学ぶはめになりましたが、それはある意味プラスでしたね。ちょっとでもヒンディー語でコミュニケーションをとろうとすると、ローカルのインド人さん達も非常に心良く対応してくれ、リキシャーなどの値段も「外国人値段」と「外国人だけどがんばって変なヒンディー語をしゃべろうとする人値段」と格差がある
■デリーの夜。キンチョーの夏
デリーは人だけでなく、オートバイ、牛、車、ドンキー(のような4つ足動物)、リキシャー、移動屋台、チャイを売るおじさん、耳かきやさん、ゴミを集める少年、200人くらい乗っているトラック、何をしてるのかわからないけどうろうろしているおじさん、と思えば、「お金くれぇ」の子供達。すごい色と目をしたヒンドゥー教の神様像や強烈なサイババの絵もそこらじゅうにある。そしてみなさん外国人旅行者には異常な興味を示すため、まばたき無しの眼目でせまってきます。はじめての世界。到着したホテルは「シゲタトラベル」のカウンターが入っている『Cottage
Yes Please Hotel』なんとも言えない名前のホテル。でも立地条件は抜群だし(メトロの駅まで徒歩3分)、回りには美味しそうなレストランもあるし、なんせ、ラジャンダーさんがいつもいるから安心。臨機応変なツアーの内容も可能にしてしまう、すんごいサポートシステムです。豪華さはないけれど、ベッドがありホットシャワーがあり、インターネットやエアコンがあり、十分でございます。
■http://www.cottageyesplease.com/
腹が減っては戦はできぬ、ですのでまずはお食事。本当は、本当はね、屋台の物が食べたいんです!良い匂いがしてるし、なんせローカルさん達が「美味いぞ!喰ってけ!」みたいに呼び込んでくる。ですが、いわゆるDelhi
Belly(お腹を壊してすごいGPP-下痢ピーピーになること)を避けるために我慢する筆者は、ラジェンダーさんがおすすめの”Green
Chili’というレストランへ。ホテルからすぐ近くのこのレストランでの目玉商品は「アフガン・チキン」。このチキンとビリヤニ(インド式チャーハン)を注文してみましたら「めっちゃ美味しい!きゃぁー最高!でして、初日から食べ過ぎました。そうそう、インド旅行で必ず話題となる「お水」ですが、やはりペットボトルのものだけにした方がいいみたいです。また、そのボトルの蓋があいてたり、あるいは再利用されていないかどうかチェックして。歯磨きの時もこのペットボトルのお水を使いましょう。また、缶入りのソーダやジュースも抱負ですが、口に付けて飲む時はよく拭いてから。ちなみに筆者はこのような「おしゃぶり拭き」なるものを持参して、スプーンやフォーク、また飲み口部分を拭いてから飲食していました。気持的にも実際にも安心。そうそう"Charmin
To Go"のような「携帯トイレットペーパー」もお忘れなく。特に電車での移動などがある方は必需品です。
■デリー観光をはじめましょう
ラジェンダーさんに頼んで、車と運転手/ガイドをチャーター。一人旅ですし、団体ツアーに入る気もしないし、この方が気がラク。デリー観光ではまず『ラクシュミーン・ナラヤン寺院』へ。外観はまるでパレスな寺院、怪しい音楽が流れてる(いや、これはお祈りの歌です、怪しくない)中に入って行きます。入場の際は靴を脱ぐんですが
外国人用の「靴脱ぎ場」が特別にございまして、そちらはご丁寧にお土産屋さんの横。一般の方々は,靴を外で脱ぎっぱなし状態。カメラやビデオも持ち込み禁止ですので、おひげがクルンとしたセキュリティーさんに預かってもらう。またの名を「ビルダー(財団の名前)寺院」と呼ばれるこのお寺、ご神体の前にそれぞれお坊さんがいて、寄付をするとおでこにポチッと赤い印をくださいます。オリッサ形式の美しい建築物と大理石をふんだんに使った豪華さは一見の価値あり。隣接しているガーデンにもぜひ足を運んでみてください。大きな虎や象があってまるでタイガーバームガーデン状態。なぜ有料の体重計があるのか(壊れてるけど)、なぜお土産やさんでイエスキリストの絵が売っているのかは不明。
お次は「フマユーン墓廟(ぼびょう)」です。「マダム、これ、タージマハル、にてるね」というガイド兼運転手のクマール君。確かに似てる!それもそのはず、タージマハルはこのフマユーンのお墓をモデルにしたらしい。フマユーン廟は、夫でありムガル定刻の皇帝であったフマユーン氏の死を惜しんで奥様ハミーダ妃が1565年に建てたもの。高さ38メートルに及ぶ中央ドームや回りの茶色い壁に白い幾何学的デザイン、4方どこからみても同じ形に見えるように構成されているこのシンメトリーなムスリム建築、さすがユネスコ世界遺産に指定されているだけあります。
■世界遺産とマハラジャマック
インドの何がすごいって、’世界遺産’の宝庫なんです。という訳で次に向かったのも世界遺産に指定されている
「ラール・キラー」。ラールとは赤、キラーは城、そうです「赤い城」。この城壁の向こうにムガル帝国第5代の皇帝が宮殿をたてたらしい。毎年インドの独立記念日スピーチの舞台にもなり、夜にレーザーショーが行われたり、と絵になる場所。城下町の雰囲気も活気があっていいのですが、
歩く場合はぜひとも自分の貴重品に気をつけて。さてさて、少し遠出になりますが、南へ10キロほど行くと「クトゥブ・ミナール」という塔へ到着。こちらももちろん世界遺産に指定されているインド最大72メートルのミナレット(モスクに付随して、祈りの時間告知’アザーン’を伝える塔)。よーくみるとコーランの教えが刻んであり、文字なのに美しい。
インドで最初に作られたというモスクもありますが、なんと当時ヒンドゥー教寺院を破壊した時に出た石材をわざと利用しているのだそう。なので、こちらもよーくみてみると壁にヒンドゥーの神様の形が彫られてたりする、あんまり細かい事は気にしないノリなのか、あるいはわざと残しているのか。うーん,マカフシギインド。
「マダム、ランチタイム、どする?」そりゃぁ、あなた!マハラジャマックでしょ。コンノートプレイス(デリーでも有名な繁華街)に戻り、マクドへ直行。クマール君も一緒にさぁ、念願のマハラジャバーガーを食べる事に。で、まずセキュリティチェックです。
店頭にロナルド・マクドナルドの像ではなく、セキュリティのおじさんがライフルもって立ってます。ま、安全にハンバーガーが食べれるんだからいいですけど、それにしてもすごい人!恋人同士や友達同士、家族連れ、みーんな嬉しそうに両手で、、、あれ?左手は不浄の手だから使っちゃ行けないんじゃないの?「マダーム、そんなこと ないです。左手、ハンバーガーたべるときひつようね。」それもそうですね。で、お味は?ちょっとピリ辛のチキンバーガー、でしたね。実は特記する事もなく、、、とにかく「インドでしか食べられない」んですから、それは貴重なお味でした。他にも「パニヤーラップ(インドのチーズが入ったクレープみたいなもの)」「マックベジー(ひよこ豆などのパテ)」「アルーティキ(ポテトコロッケ・サンド)」など、ベジタリアンチョイスが抱負なのはさすがインド。よし、1)インドのマックでしか食べられないマハラジャマックを食べるも無事終了!後悔なし、の体験でした。
■念願のタージマハルとDr.ミヤザキロード
デリー出発朝5時という過酷なスケジュールでもいいんです!今日はアーグラーまで電車に乗り、そしてあの、あの、タージマハルを観に行くんです!到着したデリー駅は早朝だというのにすっごい人だかり。旅人、通勤通学の人、赤いジャケットのポーター達、そしてわけわからないけどたむろっている人。駅の構内に入るためにはセキュリティーを通るのですが、これがまた本当にチェックしているのかどうか分からないシステム。横入りは当たり前の世界。そう、この国では弱気になっては過ごせません。シゲタトラベルが予約してくれた席は、いわゆる外国人が旅行に利用するような特等席。ですので、チャイは出てくるは、朝食プレートは出てくるは、車両の中はいろんな言葉が聞けてとてもおもしろい。
という訳で、2.インドの列車に乗る、は必然的に制覇。
朝焼けをみながら、アーグラー駅に到着。団体ツアーの方たちを尻目に、チャーター運転手さんと出会い、さぁタージよ、タージ!すると孫悟空に似たドライバー君曰く「マダム、タージの入り口までは車でいけない。歩いて。きっと大丈夫、ノープロブレム。」はいはい、いいですよ。「ガイドはいらんかねぇ」のうるさい呼び込みと牛やラクダの糞を無視しつつ、かつお猿さん達の面白い動きをみながら歩いて行くと到着するのが入場券売り場。インドではこういった観光地には「ローカル用」「外国人用」がございまして、お値段もガツンと違います。例外なく「なんちゃってセキュリティー」を通り、さぁ夢にまでみたタージマハルです!ムガル帝国第5代皇帝最愛の奥様のお墓として作られたこのシンメトリーな建築、美しい白大理石が眩しいほどで、もう感無量。ローカル達もここではいち観光客、みんなでタージをバックに写真を撮ったり、タージの中にも入れるんですが、この時にチケットと一緒にいただいた靴カバーが役に立ちます。夢にまでみた3.タージマハルを訪れるが終了、納得の感動。ところで、タージマハルに向かう道にはこのような石碑があります(お猿さんに囲まれてます)。日本人医師「ミヤザキ・マツキ」氏の名前がありまして、あとはヒンディー語なのでよくわからない。実は彼は1964年にこのアーグラーの土地でハンセン病患者を助けるべく「インド救ライセンター」を設立した偉いお医者様。彼の功績を讃えて、観光客がワンサカ通るこの道をDr.
Miyazaki Roadと名付けられたのです。このタージマハルという偉大な遺跡のもとに、インドと日本の文化の架け橋をみたような、そんな嬉しい一瞬でした。
■アーグラ・フォート、そしてジャイプールへ
タージの感動冷めやらぬまま、孫悟空ドライバーが次に連れていってくれたのが「アーグラー城塞」。1573年にできたこのお城、中に入ってみるとタージ同様ゴージャスな白大理石がふんだんに使われている宮殿があり、一見の価値あり。タージマハルの建造者であるシャー・ジャハーン皇帝は、実の息子であったアウラングゼーブにこの城内の「ムサマン・ブルジュ(囚われの塔)」にて幽閉されるという悲しい逸話あり。ムサマン・ブルジュはきらびやかで「幽閉」というにはあまりに美しすぎて悲しい。最愛の奥様が眠っているタージマハルを遠くからしか眺められなかった皇帝の気持は、白大理石上に刻まれた幾何学模様ひとつひとつに悲しく浮き出ているような気がしました。お城の回りのお堀にはその昔クロコダイルがいたそうで、また、入り口がなめらかな坂になっている理由は、敵が侵入してくるとこの坂を使って大きな石を転がしてやっつけていた、と。ここから眺めるタージは、近くでみるのとはまた違った情景。まるで、西遊記に出てくる天竺を望んでいるような雲の上の世界のような。その幻想的な雰囲気がタージマハルの魅力を倍増していましたね。
「さぁ、マダム、ジャイプールへいきましょう」という事で、ドライブ開始。車の窓から通り抜ける風景を楽しめます。基本的になーんにもない場所が20分くらい続き、急に街が見えてくる。街が見えてくると、孫悟空君もスピードを落とす、なぜなら牛やラクダ、自転車やリキシャーと遭遇するから。屋台のような露店のようなといろいろな物がカラフルに売っている場所を通る時、街の人達が手を降ってくれ、また私たち外国人の写真を撮っていく。ちなみに、街でよく見る「STD」サイン、決して「性病」ではございません。こちらは「国内電話ここでかけられます(Subscriber
Trunk Dialing)」の意味。また、コンドームに見えるこの小さな四角いパッケージの物、こちらはタバコ、あるいはミントです。インドはそんなに性的解放のある国ではないようです(理解するまで、ちょっとびびりました)。
■ジャイプールのホテルが最高!地元ラッシーが最高!
ジャイプールへ到着したのは夕方の事。ラジャースターン州の州都でもあるだけに、高層ビルが並び、いかにも「都会です」という雰囲気。まずはNahargar
Havelというホテルへチェックイン。とても奇麗なホテルで、何よりもスタッフの人達の対応がいい。そして屋上階のレストランは味も最高、そして「人形劇」もみられる!この人形劇はラジャスターン地方の独特なものらしいのですが、なぜか「はい、マイケルジャークソーン!」も出てきておりました。このホテルでゆっくりと休みジャイプール観光へ出発です!そうそう、ちなみに孫悟空君の車の前にはこのような物がぶら下がっております。唐辛子とレモンがありまして「なんで?」と聞いた所、孫悟空は「マダム、わからない。でも、毎週土曜日にかえます。」なのだそう。意味はわからなくても浸透しているこの魔除け。そのおかげか、孫悟空の運転はとてもスムーズ、安心して乗車できました。
ラッシーと言えば、インド発祥のおいしいヨーグルトドリンク。塩あるいは砂糖を入れるもの、またフルーツを入れるものがあるらしいのですが、私はやはり甘いラッシー派。孫悟空ご自慢のお店(たぶん、彼の親戚の家)のラッシーワラへ寄ってから観光をはじめよう!という事に。アメリカなら「ドライブスルー・スタバ」ですが、ここでは「ドライブスルー・ラッシー」でして、車の中からオーダーして待つ事3分。たらいの中のヨーグルトにお好みのフルーツ(私はバナナ)を入れてくれ、混ぜ混ぜ。そこにカード(ヨーグルト堅い部分)も注いでくれ、はいどうぞ!と渡された入れ物、これがまるで石器次代のような粘度を焼いて作った入れ物でして、飲み終わったらそこら辺に捨てる、そして割る、土に戻る。。。ギリシャの結婚式みたい。味?もちろんアッチャー!(“おいしい”のヒンディー語)
■象に乗って、アンベール城へ
このラッシーを飲んだ後に向かったのが「アンベール城」、またお城なんですが、ここではインドでやりたい事ナンバー4.象さんに乗る、が可能、行列になっているこの「ゾウ乗り体験」ですが、列んでいる時にも「レッドスネーク・カモ〜ン」なショーがみれたり、100回くらい「いらん、いらん」と伝えても扇子や象の置物を押し売りしてくるローカル達から逆にヒンディー語を学んだりできるので、まぁよしとしましょう。
ゾウ乗り代、500ルピーを高いと考えるかどうかはあなた次第。 私は単純ツーリスト、大喜びでした。実はこの象さん達、みんな“女性”です。男性は気性が荒すぎてだめなんだと。また、お昼休みはしっかり取るゾウさん達ですので、昼間に長く休業となります。スケジューリングはお気をつけて。乗り心地ですか?決してよくないです、はい。
高台のお城の中には豪華なデコレーションをほどこしたや「門」や「間」がいくつもあり、それぞれが意味を持って存在していたのだそう。イスラム様式なのにヒンドゥーの象の神様「ガネーシャ」がデザインされた門があったり、太陽の門があったり、ペルシャ式の泉水の庭園があったり、マハラージャが下々の人達と会って会見する場所として使われた間があったり。幾何学模様なのにあったかい雰囲気、厳かなのにかわいい雰囲気、というのでしょうか、インドの文化が入り交じった美しさを感じました。ちなみにこういった世界遺産の説明を聞くために、各場所で地元ガイドさんを利用して回るのも手(「私を使ってくださーい」とうるさいくらい寄ってくるし)、あるいはこのような方々を思いっきり無視し、あるいは「ナヒーン(Noの意味)」で返し、ガイドブックを片手にがんばる手もある。ちなみに筆者は気分と値段で選んでいました。ヒンディー語を勉強しているので、英語とヒンディ語と両方でガイドしてくれる方に出会えれば○、また人柄や礼儀ただしさでもチェックしました。値段交渉は確実にされましょう。
■シティパレス、ジャンタルマンタル、風の宮殿
城下町の方に行ってみましょう。ピンクシティと呼ばれるジャイプール、昔ながらの街を眺めていると、やはりどこもかしこも「ピンク」というか、赤茶色の疲れた色?なんです。その中でもひときわ目立つのが「風の宮殿(ハワ・マハル)」という名のつく建物。まるでレゴブロックを集めたような不思議な建物は、その昔宮廷の女性達が人目に触れずに街の雰囲気を楽しめるための設備だったそう。なので、近くにあるシティパレスと呼ばれる宮殿から細いトンネルでつながっているですって。風の宮殿、と呼ばれる理由は、たくさんの窓と透かし彫りの技術により、この建物の中はとても風通しがよかったから。
シティパレスは今も現役のマハラジャが住んでいる宮殿。1726年から存在するこの宮殿の中には博物館もあり、当時の王室の使っていた生活用具や服装、武器などがたくさんみれます。これだけでもかなりおもしろい、んですが、やはり建築物が素晴らしい。ここでの注目は「孔雀の門」や、巨大な銀の壷(イギリス訪問の時にガンジス川の水を入れて旅行したらしい。信仰心「デイワーネ・カースのためとはいえ、すごいなぁ)のある」、今でもマハラジャが上階に住んでいるという「チャンドラマハル(月の宮殿)」など。そして、嫌でも目にはいるのが赤いターバンをまいた守衛のおじさん達。おひげもよく整えられてまして、絵になる方々です。が、笑顔で一緒に写真をとってくれたと思ったらお写真料として手を出されます(これも笑顔でね)。
■天文台にボリウッド映画、バレ〜バレ〜!
さてさて、このシティパレスを作ったサワーイ・ジャン・スィン2世は天文学がお好きだったようでして、宮殿の横には大掛かりな天文台「ジャンタル・マンタル」があります。この趣味のために大理石が運ばれ、太陽や星、月の動きを正確に観察できるようにと、大掛かりな観測機器が作られ、非常にお金がかかる趣味ですね(マハラジャだからできる)。サンスクリット語で「魔法の仕掛け」という意味をもつジャンタル・マンタル、その名の通りこの宇宙的な庭園に入ると、不思議と自分の存在を小さく感じ、天や星との繋がりをひしひしと感じたりします。そうそう、自分の生まれた星座の観測機器を見つけるのも楽しいですよ。インドの方々、みなさん「星占い」が大好きなようでして、このジャンタル・マンタルも異常に盛り上がっていました。いろいろ説明してもらう筆者、「このヤントラ(サンスクリット語で機械あるいは楽器の意味)は、日時計として利用され、他にも赤道座標を使い各星の場所が確認できる訳です。このヤントラは惑星の位置がひとめで分かるでしょ。ちょっと、マダム、ちゃんと聞いてますか?分かりますか?」と熱っぽく語られても、このマダムはさっぱり?ごめんね、ガイドさん。
さぁ、天文台ではあまり良い生徒ではなかったマダムですが、 ボリウッド映画関連では優等生!ボリウッドとは、ハリウッドのボンベイ版、という意味。「踊るマハラジャ」だけじゃないんです。ミュージカル満載でなかなかイケメンが多い。映画は眺めなので途中インターミッションが入るのもかわいい(サモサやラッシーなどで休憩するのにちょうどいい)。国民的エンターテイメントである映画鑑賞、その中でもジャイプールにあるこの映画館Raj
Mandirは、国内最高の施設と呼ばれている、ようは「映画館のマハラジャ」。まるでレッドカーペット気分になれる室内も、ふかふかした椅子も、ゴージャス体験でハイになっているローカルインド人さん達(映画館の写真を撮る人達)も、全てが良い経験。指定席制、男性席と女性席になってたりしてなんともインド文化を感じる場所でもあります。いやぁ、行ってよかった、ヒンディー語がわからなくても行く価値あり!という事で、5)本場ボリウッドの映画をインドの映画館で観る、を嬉しく制覇しました。
■インドの洗礼、ガンジス川の洗礼
「インドの洗礼」という言葉をご存知でしょうか?インドの食べ物なのか、水なのか、空気なのか、とにかく理由は何にせよ、インドを訪れた人がほとんど必ずと体験する、私の中ではGPP(下痢ピーピー)状態の事。Delhi
Bellyなんて呼ばれる事もあるようですが、とにかくその強烈な体験は、あなたのインド訪問を一段と思い出深い物にする事でしょう。もしその「洗礼」を受けてしまった場合、きれいなお水(ペットボトルですね)を飲み、できたら薬をのみ、そして、もう後は休んで祈る。ヒンデゥーの神でも、アッラーでも仏様でもいいので、とにかく健康を祈りましょう。そうそう、私がおすすめのGPP対処品は、「大人用のおむつ」です。えー、これは実際に体験した方でしかわからない物かもしれませんが、もし洗礼を受けている最中にバスや電車での移動がある方は、ぜひこの大人用おむつを利用してみてください。安心感がまったく違います。
さて、洗礼といえば、筆者の6.ガンジス川の水に触れる、そして聖なる水に洗礼を受ける!という意味だったのですが、サチーン曰く「みんなバーラナシーに向かおうとするけど、もっと上流のハリドワールの方がいいよ。水が奇麗だし、ローカル達はここにガンジス川巡礼に行くんだ」と。実際、シゲタトラベルのラジェンダーさんにもハリドワールを勧められ、それじゃぁ、という事で向かったのがデリーから電車で3時間ほどののどかな街。愛称でガンガーと呼ばれるガンジス川はもう目の前。
水量もなかなかで、そして透き通っています。川辺にはカラフルなサリーやオレンジ色の巡礼服を来た人達が身体に水をかけたり、壷に水を汲んでいたり。きれいなお花やキャンドルの乗った器を水に流している人もいるその横で、あら、お洗濯ですか?歯磨きですか?と、日常の事をやっている方も。ヒンデゥー教の方々にとって聖なる川であるガンガー、ご遺体を火葬した後の骨をこの川に流すのは有名な話。実は水葬という形も残っているらしく、こちらはご遺体を棺に入れたまま川に沈める、と。その水で歯磨き、行水、洗濯、となんにでもオールマイティーに利用してしまうのはどうなのかなぁ、「生と死はいつも一緒に存在する」という感じなのかなぁ。という訳で、筆者もしっかり足まで水に使ってきました。ローカルの方々との写真撮影がなかなか終わらず、必要以上に長い間水に漬かる事になり、足の指はしわだらけぇ、なガンガーの洗礼でした。
■ビートルズの足跡とチョティ・ワーラー
英国バンドビートルズ、ある時期に急に「ひげちょろびーん」になって曲の中にシタールの音が入ってくるようになった事を覚えていらっしゃると思います。で、気がついたら、4人はインドでマハリシ・ヨギ師匠の元で「超越瞑想の修行」をしていたんですよね(1968年)。実は彼らが滞在していたのはリシュケシュという場所、そしてアシュラムと呼ばれるヨガやメディテーション用の共同住宅でした。ハリドワールに行ったならぜひ隣町リシュケシュにも行きたい!と思い、ガイドさんにお願いした所「マダーム、ビートルズの場所はもう壊れています。そのかわり、おいしいランチ、行きましょう」という「そのかわり」の意味がよくわからないアイデア(でも喜んで着いて行く筆者)。
リシュケシュ名物の大きな大きな吊り橋を通って、たくさんの観光客にもまれながら秩序なく歩き、足下のガンガーを眺めながら美味しいランチへ向かいます。さて、ガイド君のおすすめランチは「チョティ・ワーラー」という場所。
トレードマークである「お坊さん」がチョティ(ちょんまげの意)らしいんですが、私には志村けんのバカ殿様に見えました。よく見たら2人いる!レストランも2つある!実は兄弟でそれぞれ経営してるらしい。なにもこんなに近い場所で競わなくても、と思う気持は無視しお食事開始。ここでは「タリー」と呼ばれるインド風定食が有名。南インド風、パンジャーブ地方風、デリー風などいろいろあります。カレーは数種類、ヨーグルトにピクルスの小鉢、まるでお子様ランチ状態。で、お味は、うーん、面白い味。とりあえずこんなバカ殿さんと写真とれるんですから、何でもオッケー。リシュケシュは巡礼の街、ヨガ修行の街、神聖な街。この志村けんの近くにもカラフルなヒンデゥーテンプルがあり、街中にアシュラムが並び、ヨガの開祖と言われているシヴァ神があちらこちらで奉られていて(彼の“一物”も飾られシバリンガと呼ばれています)、そうかと思えば、ピザやさんやおしゃれなヨーロッパ風カフェも列ぶ(ベジタリアンが主)のがミスマッチでおもしろいリシュケシュ。ヨガのメッカとして、世界中から修行にやってくる(日本からも多し)場所らしく、とても国際色豊かであるのも事実。
■美しきウダイプール
・湖上の宮殿
ジェットエアウェイズという国内線で薄めのチャーイを飲みながら到着したのがウダイプール、今回の観光最後の場所です。ここは昔からホワイト・シティとして知られており、ピチョーラ湖の美しさとそこにぽっかりと存在する湖の宮殿はインド内でも最高級のサービスと宿泊料で有名。そんな場所には泊まれませんが、ボートで近くまで行く事は可能(ホテル宿泊者以外が入れません)。湖上の宮殿、象が立ち並ぶデザインがかわいいジョングマンディル島でのんびりチャーイを飲んだり、シティパレスから白い街・ウダイプールを眺めたり、と優雅な雰囲気を楽しめます。
さて、このウダイプール、もうちょっと詳しく書きたいのですが、紙面の都合上、続きは次号にてのお楽しみ。更に次号ではインドの結婚式も紹介しちゃいます!
ナマステ!インディア!
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