意外や意外、今までぷれ〜り〜では取り上げていなかったスープ特集です。今回も編集部きってのアイアンストマックコンビ『先輩とたまちゃん』が挑みます。シカゴで食べることの出来る世界各国の色んなスープを集めてきました。さ〜てはじまりはじまり〜。
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世界のスープ勢ぞろい!
(遡ること約二ヶ月、舞台は北京オリンピックを観戦する先輩の家)
たま「せんぱ〜い、オリンピック観に来ましたよ〜」
先輩「おお、来たか〜。そろそろ北島の出番だよ。」
たま「って言っても録画でしょ?結果はヤフーで。。。」
先輩「(大声で耳を塞ぎながら)ノゥオーー!言うなあ〜!今日一日ネット遮断して生きてきたんだから。」
たま「本気で?じゃあアレの結果も知らないんですか?」
先輩「ノゥオーー!だから〜!」
たま「へへ、今日はイジリ甲斐がありますねぇ〜」
(二人で男子100m平泳ぎ観戦!北島 金!)
先輩「うぉお〜!すげぇぇ〜!」
たま「いやあ感動ですねえ〜、結果は知ってたけど(笑)」
先輩「ところでたまちゃん、オリンピックって色んな国の人たちが参加してるけど、どんな国にも大抵ある料理って何か知ってるかい?」
たま「え?マクドナルドとかって事ですか?」
先輩「そうじゃなくって、料理の種類という意味なんだけどね。実はスープなんだよ。」
たま「なるほど、スープってのは熱い国でも寒い国でも絶対ありますものね。」
先輩「そうなんだよ。編集長に10月の特集のトピ選びしとけって言われてるんだけど、今回は世界のスープなんてどうかな?」
たま「いいですねえ、シカゴで食べる世界のスープですか。それでいきましょッ。」
◆ フィリピン代表:シニガン
◆ フランス代表:ブイヤベース
◆ ハンガリー代表:グーラッシュ
◆ 韓国代表:サムゲタン
◆ ブルガリア代表:タラトール
◆ レバノン代表:レンティル・スープ
◆ ペルー代表:チュペ・デ・カマロネス
◆ イスラエル代表:マッツオボール・スープ
◆ メキシコ代表:ソパ・デ・トルティーヤ
◆ 世界の三大スープ
◆ ニューオーリンズ代表:ガンボ
◆ フィリピン代表:シニガン
シニガンは、えび、野菜、肉、魚などを煮て、タマリンド(マメ科の植物)の酸味を効かせた、熱くて酸っぱいスープです。フィリピンでは毎日のように飲まれているほどの人気ディッシュです。
先輩「シカゴ郊外で美味しいシニガンを食べさせる所といえばやっぱりここ、Filipiana
Restaurantだね。」
たま「ここはフライドポークもおいしいんですよね〜。ああ考えただけでもヨダレが出ちゃいそうですよ。」
先輩「そうそう。かなり本格的なフィリピン料理を食べさせてくれるんだよな。
たま「シニガンも色々あるみたいですね。豚肉、牛肉、海老、ナマズなんかもありますよ。」
先輩「このサバヒーってのは台湾なんかでも良く食べられている身の柔らかい白魚のことだよ。でも、やっぱりフィリピンで最も一般的なのは豚肉入りだろうね。今日はそれにしておこう。」
(シニガン登場)
たま「うわぁ、バラ肉が沢山入ってますねえ。」
先輩「うん。コクのあるコラーゲンたっぷりの熱々スープだね。」
たま「す、酸っぱい!想像していたよりもはるかに酸っぱいですよこれ。」
先輩「強烈だよな。でもこの芳醇なタマリンドの酸っぱさがシニガンの魅力だよ。ちょっとスパイシーで食欲を増進させるだろ?」
たま「まさにそのとおり。一口食べると後をひく美味しさがありますね。」
先輩「それに、シニガンはもともとライスの上にのせて食べるのが一般的なんだ。だからちょっと塩味も濃い目にできてるんだよ。」
たま「それを早く言ってくださいよ。うわあ、ごはんの上にのせると美味しいですよこれ。それにとっても具沢山。大根でしょ、トマト、玉ねぎ、いんげん、オクラ、ナス・・・。」
先輩「その春菊みたいな菜っ葉はフィリピンキャベツって言うんだ。このフィリピンキャベツの味がなんとも言えないんだよね。それからその黄色くて長細いピーマンはちょっとだけ辛みがあるだろ?」
たま「スープのサイドにはソルティーソースとレモンが付いてますね。塩味も酸味もこれで十分なんだけど、フィリピンの方はもっと足すのかなあ。」
先輩「そうだと思うよ。夏の暑いときに食べると食欲がわきそうな、夏バテ解消にも抜群のスープって感じだね。」
Filipiana
Restaurant
Golf Glen Mart Plaza, 9060 Golf Road,
Niles, Illinois 60714
Phone:(847) 298-9332
Fax:(847) 298-9336
http://www.filipiniananiles.com/
◆ フランス代表:ブイヤベース
お次はプロバンス地方マルセーユで生まれたブイヤベースです。世界の三大スープの一つとしても数えられるブイヤベースは、もともと漁師が売れない小魚を大きな鍋で煮て食べたのが始まりで、最初は強火で魚を煮て、魚を一旦取り出した後にスープだけ弱火で煮詰めてつくります。残念ながらシカゴではあまり食べられるお店がないのですが、今回はエバンストンにあるJacky’s
Bistroのブイヤベースを紹介します。
先輩「シカゴであまりブイヤベースが食べれないのはやっぱり手間がかかるからなのかなあ?」
たま「このお店でもウエイトレスさんが30分くらいかかるわよって言ってましたね。」
先輩「まあこの温かいフランスパンでも齧りながら気長に待つとしよう。」
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Jacky's
Bistroの外観 |
アットホームなダイニング |
シーフードたっぷりのブイヤベース |
(ブイヤベース登場)
たま「この鉄鍋カワイイ〜!熱々のグツグツですよ。」
先輩「ここのブイヤベースは塩味加減が比較的やさしめなんだよ。それにしても熱いねえ。」
たま「おおお、シーフードのウマミがぎっちりじゃないですか。これは美味美味!。野菜はズッキーニがたっぷり、それにジャガイモも少し入ってますね。」
先輩「入ってるハーブは、サフラン、チャイブ、パセリ、オレガノかな。魚介類は白身の魚、サーモン、ツナみたいな魚、海老、アサリ、ムール貝、イカが入ってるね。アサリやムール貝は小ぶりだけど、しっかり砂抜きがされてるよ。」
たま「小ぶりなだけに臭みも少なくていいですね。いや抜群ですよ、このブイヤベース。シーフード好きにはたまりません。」
先輩「確かに全体的なバランスがいいよね。一緒についてくるフランスパンのクルトンもいい感じだし。」
たま「鉄の鍋でサーブされるから、いつまでも冷めずに熱々のスープが楽しめるのは嬉しいんですが、本当に熱いからヤケドしないように気をつけなくっちゃいけませんね。」
Jacky’s
Bistro
2545 Prairie Avenue. Evanston, IL
847-733-0899
http://www.jackysbistro.com/index.html
◆ ハンガリー代表:グーラッシュ
ハンガリーが発祥地であるグーラッシュは、オーストリアやチェコ、ドイツ、そしてポーランドでも食べる事のできるシチュー料理です。グーラッシュは放牧や農作業をしていた大ハンガリー圏の人々が、自宅で昼食をとる手間を省くために屋外に釜を作って大鍋で昼食用に作ったのが始まりなんだそうです。今回はミツワの近くにある手軽なドイツ料理店「Kuhn's」で食べれるグーラッシュを紹介します。
たま「Kuhn'sはドイツのお肉屋さん的なデリとしてぷれ〜り〜でも何度か取り上げてきましたけど、ここでグーラッシュが食べられるんですね。」
先輩「うん。僕も折角なんでハンガリーレストランを探したんだけどちょっと見つからなくってね。でもここのグーラッシュは家庭料理の雰囲気が良く出てて美味しいよ。」
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Kuhn'sの外観 |
ドイツの雰囲気ただよう店内 |
これぞハンガリー家庭料理の味! |
(グーラッシュ登場)
たま「グーラッシュというとやっぱり特徴はパプリカですね。とっても素朴な味わいがやさしいです。入っているのは玉ねぎ、ピーマン、トマト、ビーフ、それから勿論パプリカかな?じっくり煮込まれています。」
先輩「うん。確かに特徴はパプリカなんだけど、この玉ねぎの甘みと野菜のウマミが味の秘訣だと思うよ。」
たま「ビーフの香りとコクの深さをふんだんに感じますね。すべてがうまく融合されているって感じです。」
先輩「家庭料理ならではのあっさりした薄めの塩味かげんがホッとしますね。」
Kuhn's Deli & Cafe
749 W. Golf Rd.
Des Plaines、IL 60016
847-640-0222
◆ 韓国代表:サムゲタン
韓国の薬膳料理の代表ともいえるサムゲタンは、若鶏のお腹の部分にもち米やニンニク、そして朝鮮人参を入れて煮込んだ健康スープです。栄養価の高い『ボシン(補身)料理』として韓国人の間で長く親しまれて来たメニューで、特に夏バテに効果があるとされています。
たま「オナ〜ラ♪、オナ〜ラ♪」
先輩「お、チャングムの誓いだね。サムゲタンと言えばやっぱりチャングム。チャングムといえばサムゲタンって感じだよね。」
たま「私あの番組大好きだったんですよ。韓国料理っていうと焼肉!って固定概念を払拭してくれましたし。でも実はまだサムゲタンって食べた事がないんですよね。」
先輩「そうだろうね。普通の韓国料理店ではチゲ系の辛いスープが多いからね。その点、今日行くサヤル・ジンセンは朝鮮人参料理の専門店なんだよ。」
たま「それは楽しみです。オナ〜ラ♪、オナ〜ラ♪」
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サヤル・ジンセンの外観 |
美味の健康スープ、サムゲタン |
キムチを入れてみました |
(小さい石鍋に入ってサムゲタン登場)
たま「おお、これがサムゲタン!うわあ、熱々じゃないですか!もち米のおかげで白く濁ってるんですね。」
先輩「おっと、ちょっと待ちなよ。そのままでは何の味も付いていないから一緒に付いてきた粗塩とネギで味付けするんだ。」
たま「なるほど。そうなんですね。ではでは塩を入れてっと。(一口食べて)うわ、うまッ。メッチャうまい。」
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ブルゴキもジューシーでおすすめ
ですよ |
先輩「たまちゃん、素になってるよ(笑)。でも確かに美味しいよな、これ。朝鮮人参も柔らかく煮込まれているから食べやすいし。」
たま「実は、朝鮮人参なんて美味しいのかなあって思ってたんですが確かに少し苦味はあるけど、ニンニクのせいかそれほどでもないですね。」
先輩「若鶏の中にもち米とクコの実が入っていて、もち米も鶏肉もとろとろにとろけるほど柔らかくなっているね。骨もポロポロと簡単にほぐれるほどになっているのには驚きだな。」
たま「スープはチキンのコクとウマミが凝縮されています。口当たりもいいし。」
先輩「一般の韓国料理店のようにナムルもたくさんついてくるだろ?サムゲタンにキムチを入れて食べても美味しいんだよ。」
たま「ここはサムゲタンが中心のお店だからか、メニューはスープが中心でほんの10種類くらいなんですね。」
先輩「いやあ、からだがポカポカしてきたな。これも人参の効果なのかもね。」
たま「さすがに朝鮮人参の専門店だけあって、朝鮮人参や朝鮮人参ドリンクも沢山売ってますね。」
Ssyal jinseng
(Korean Ginseng Chicken Soup House)
4201 w. Lawrence Chicago IL60630
773-427-5296
◆ ブルガリア代表:タラトール
タラトールはブルガリアの代表的なスープ。ブルガリアだけにヨーグルトがベースになっているのが特徴です。水でのばしたヨーグルトに、すり下ろしたニンニクや、千切りにしたキュウリとクルミが入った冷たいスープです。夏野菜とヨーグルトというヘルシーな組み合わせのタラトールは、ブルガリアの夏を代表する家庭料理なんだそうです。
たま「突然ブルガリア料理なんて言われた時はビックリしましたよ。」
先輩「だってほら、たまちゃん相撲好きだし。こないだ琴欧州が大関になったトコでしょ。」
たま「そんな安易な理由で・・・。」
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レストラン・ブルガリアの外観 |
ヘルシーな冷たいスープ・タラトール |
デザートのエクレアもお試しあれ |
(タラトールが登場)
たま「へえ〜。冷たいスープなんですねタラトールって。入っているハーブのせいだと思うんですが独特の香りがしますね。なんかとっても爽やかな感じ。」
先輩「うん。それはディルって言うんだけど、古代ギリシャの時代から珍重されてきたハーブで、語源はノルウェイ語の『なだめる』なんだ。それくらい鎮静力のあるハーブとして知られていて、心を落ち着けたり、神経をなだめる作用があるんだよ。」
たま「先輩、よく知ってますねえ〜。ウィキペディアですか(笑)?」
先輩「あ、バレた?でも鎮静力があるってのは何となく分かるね。体がスーっとして、呼吸が楽になる気がする。」
たま「きゅうりがたくさん入っていますよね。酸味のあるスープの中でピクルスのようになってるからだと思うのですが、シャキシャキの歯ごたえが面白いです。」
先輩「夏バテ解消に、ブルガリア人は夏になると毎日のようにこのスープを飲むらしいんだけど、たくさん飲むのはちょっと無理かな。」
たま「言えてますね。塩味が薄めだし、細かく砕いて添えてあるクルミも美味しいんですけど、そんなに量を飲めるスープではないですね。一緒に出てきたフランスパンと一緒に食べると酸味がまろやかになるので悪くないですが。」
先輩「うん。でもなんかこうしてその土地のスープを飲んでいるだけで、それぞれの国の情景が浮かぶようだね。」
Restaurant Bulgaria
4724 W Lawrence Ave, Chicago, IL 60630
(773) 282-0300
◆ レバノン代表:レンティル・スープ
レンティルは日本ではレンズ豆と呼ばれているもので、形がレンズに似ているのがその名の由来です。原産地は西アジアから地中海沿岸に広がっており、古くは新石器時代から食べられていたという記録もあるほど古くから食されている食べ物です。聖書にもよく登場する当時の重要な農産物の一つです。
たま「私も色んな料理の取材をしてきましたけど、中東料理って馴染み薄ですよね。」
先輩「そうかも知れないね。今回のお店は清潔感があふれるオーセンティックなお店だよ。店員さんも親切だからレバノン料理だけじゃなくって他の中東料理についても色んな事を教えてくれるしね。」
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Old
Jerusalemの外観 |
暖かくシンプルなダイニングエリア |
自然の素材で作ったレンティルスープ |
(レンティルスープ登場)
たま「うわあ、このかぼちゃの様な甘い香りがレンティルの香りなんでしょうね。胡椒のスパシーな香りもエスニック感があっていいですね。」
先輩「へ〜、ドロドロしてるのかと思ったら意外とサラッとしてるんだね。レンズ豆には黄色いのと緑色のがあるんだけど、今回は黄色いものを使っているみたい。」
たま「たまねぎがトロけるまで煮込まれてます。ごはんも一緒に煮てあるのでお粥みたいになってます。」
先輩「お店の人がレモンをしぼってみろだって。あ、色が変わった!香りも舌触りもとっても爽やかに大変身したよ。さすがは5000年続く中東料理。」
たま「風邪の時はチキンスープっていうイメージがありますけど、このコショウのピリ辛感といい、病気の時に食べたらホッとしそうな素朴感がありますね。」
先輩「ここでは冷凍食品や着色料などは一切使用していなくって新鮮な素材だけを使っているんだって。」
たま「なっとくです。」
Old
Jerusalem
1411 N. Wells St. Chicago, IL
(312) 944-0459
http://www.oldjerusalemrestaurant.com/
◆ ペルー代表:チュペ・デ・カマロネス
チュペ・デ・カマロネスはその名の通りクリーミーなエビのスープ。ミルクをベースにスパイスで味付けがしてあり、具沢山のスープには大きなエビがごろりと入っています。ペルーでは高級料理の部類に入るそうです。
たま「今回の私のお勧めはここなんですけど、ここは高級感あふれるラテンアメリカ系のレストランで、中でもペルーやアルゼンチン、そしてブラジル料理が専門です。ウエイターのサービスもピカ一ですよ。」
先輩「とても落ちつた内装なんだけどゴージャスな雰囲気だね。さっき聞いたら週末の夜はラテンミュージックのライブもあるんだって。」
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ゴージャスなダイニングエリア |
チュベ・デ・カマロネスはかなり
美味! |
(チュペ・デ・カマロネス登場)
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ラテン音楽ライブも楽しめる |
先輩「へ〜、壷みたいなスープ皿で出てくるんだね。うわあ海老のコクのあふれる豊かな香りがプンプンする。どれどれ一口。クリームスープだっていうからもっとドッシリしているのかと思ったら意外と軽くサラッとしているなあ。ご飯も一緒に煮ているんだね。この溶きタマゴは美味いよ。」
たま「このプリプリとした大きくてフレッシュなエビがたまらないでしょ。あとこのラテン料理に良く使われる大きなコーンも特徴なんです。外側は固めなんだけど中がモッチリしてて。」
先輩「具沢山なんだけど全体がよくまとまっていると思うよ。このオレンジ色のスープはコクとダシが抜群だね。いやあ、このスープだけを食べに来たいと思わせる味だわ。」
たま「こういうのを食べるとラテン料理のイメージが変わりますよね。とにかくこれは私のイチオシ・スープです。」
Rio’s
D’sudamerica
2010 W. Armitage Ave. Chicago, IL 60647
(773) 276-0170
http://riosdesudamerica.com/
◆ イスラエル代表:マッツオボール・スープ
マッツォというのは酵母の入っていない麦と水を混ぜて作るユダヤ系のパンのこと。ユダヤ教の祝日で、1週間続くパスオーバーでは、調理をする事が禁じられているので、冷たくても食べられるチキンスープにマッツオを丸めたボールを入れて食べるという習慣があるのだそうです。
たま「私、マッツオボールスープの存在自体は知ってたんですけど、実際に食べるのは今回が初めてなんですよ。」
先輩「そうかあ。このお店はデリなので、ハンバーガーやサンドウィッチなんかも売ってるんだよ。でも老舗系のデリだけあって雰囲気があるよね。ショーケースにたくさん並んでいるペイストリーはいつも手作りなんだって。ユダヤ料理というと、最近ではベーグルなんかが日本でも人気があるみたいだけど、やっぱりユダヤ料理の代表格と言えばこのマッツオボール。マッツア粉からつくったパンのようなスポンジボールは、つくねに似た食感があるんだよ。」
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Ada'sデリの外観 |
ボリュームたっぷりのマッツォボール・スープ |
(マッツオボール・スープ登場)
たま「大きなマッツアボールは、チキンブロスをジュワッと含んでいて、すごくやわらかいですね。噛みしめると少し甘みがあると言ってもいいのかな。パンでも肉でも無いような食感が面白いです。マッツア粉のやさしい味がスープと馴染んでいい感じですね。」
先輩「このシンプルなチキンブロスは毎日丸鶏から煮出して作っているんだって。マッツアボールだけじゃなくって、クレップラックやヌードル、そしてライスなど、中に入れるものも自分で選ぶことも出来るんだ。」
たま「クレップラックってのはこの大きな餃子みたいなやつのことですか?小麦粉で作られているみたいですね。中に牛肉のミンチが入ってますよ。」
先輩「そうなんだ。それをスープの中で割りながら食べると分厚い皮からこれまたジュワッと肉汁がでてくるんだよ。」
たま「それにしてもボリュームたっぷりですね。皮の部分がスープに浸ってモッチり、フカフカとしていて食べやすいです。」
Ada's Famous Deli
14 S Wabash Ave Chicago, IL 60603
(312) 214-4282
◆ メキシコ代表:ソパ・デ・トルティーヤ
ご存知トルティーヤは、すり潰したトウモロコシから作るメキシコの伝統的な薄焼きパンです。最近ではコーンの代わりに小麦粉が使われることも多くなりましたが、やっぱり本物はコーンで出来ています。そのトルティーヤを一度揚げて、タマネギやニンニク、トマト、そしてコンソメスープでつくったトマトスープに入れて一緒に煮たのがソパ・デ・トルティーヤです。
たま「え?メキシコ料理なのにメイシーズ・デパートに入るんですか?」
先輩「そう。シカゴには色んな所にメキシコ料理のお店があるだろ?だから今回はちょっと変わった場所にあるのを選んでみたってわけ。この7階のフードコートにあるフロンテラ・フレスコは、FOOD
TVでも有名なシェフのリック・ベイレスがプロデュースしている「Frontera」のカジュアル版なんだ。」
たま「フロンテラって言ったらあの超有名店じゃないですか。あ、でもここはお値段も手ごろだし、ほんとファストフードって感じですね。」
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明るくモダンなメーシーズのカフェテリア店 |
ソバ・デ・トルティーヤ高級レストランのスープがお手ごろに楽しめる |
(ソパ・デ・トルティーヤ登場)
たま「トマト・チキンベースの濃い色のスープの中にしずんたトルティーヤがパリパリしていて美味しいですね。少し濃い目の味付けですけど、全体的にとってもサラッとしていてランチにちょうどいい感じ。」
先輩「塩辛いと思ったらレモンを入れてみるといいかもよ。フレッシュなアボガドも入っているだろ。スープの温度で温かくなったところを食べるとトロッとしてこれがまたいいんだよ。」
たま「とろけたチーズも入っていてトルティーヤと絡まるところが美味しい〜。量も多めなんですけどペロっといけちゃいますね。」
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FOOD
TVスターシェフのベリック・ベイレス |
Frontera
Fresco
■ Downtown Location
111 N. State Street Chicago, IL 60602
(312) 781-4884
■ Skokie Location
4909 Old Orchard Shopping Center Skokie,
IL 60077
http://www.rickbayless.com/restaurants/fresco.html
http://www.fronterafresco.com/home.php
◆ ニューオーリンズ代表:ガンボ
先輩「今回はアメリカのスープは特に紹介しなかったんだけど、一店だけガンボのお店に連れて行ってあげるよ。」
たま「ガンボって、あのニューオーリンズのですよね。」
先輩「そうそう。シカゴにあるYATSは、そのニューオーリンズで毎年2月に行われるお祭り『マルディグラ』をイメージしたデコレーションが人気のお店なんだけど、25種のケイジュン・クリオール料理が毎日入れ替えで7品くらいが店頭に並ぶんだよ。ニューオーリンズ生まれのシェフが最初はインディアナポリスにつくったお店なんだけど、その手軽さが自慢なんだって。」
たま「それじゃあ早速オーダーしてみましょう。」
(ガンボ登場)
先輩「ガンボで一番重要となるのはやっぱりルー。ここのルーは小麦粉とオイルを炒めてスモーキーで濃厚なテイストを作ってるよね。」
たま「ホント、とっても香ばしい、ダークなテイストですね。ご飯にかかっているのも面白いです。」
先輩「どろどろとした重めのスープが特徴だよね。どれどれ?入っているのはエビ・クローフィッシュ・チキンソーセージ・ポーク・セロリ・にんじん・ピーマンかな。チキンストックもベースでね。」
たま「お店の人に聞いたんですけど、どうしてもコストの関係上完全にルイジアナのようなシーフードベースにはだきないそうですけど、かなりオーセンティックなガンボなんじゃないですか?」
先輩「うん。肉の風味が強くて海老もやわらかいし。具沢山でボリュームたっぷり、これだけでお腹一杯になっちゃうね。」
YATS
955 W Randolph St. Chicago, IL 60607
(312) 829-7930
http://www.yatscajuncreole.com
世界の三大スープ |
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・タイのトムヤムクン
・ロシアのボルシチ
・中国のフカヒレ |
それにフランスのブイヤベースが入ることもある。 |
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いかがでしたか、今回のスープ特集?スープ特集のわりには世界の三大スープのうち入っていたのはブイヤベースだけでしたが、後は次回の機会にご紹介させて頂きますね。本文中に先輩もコメントしていましたが、スープというのはその地方のもっとも身近な素材を利用してつくられているからか、味わっているうちにどんどん想像が膨らんできて楽しいひとときでした。
・・・うん? てことは味噌スープを食べた外国の方はどんな日本を想像するんでしょうね?
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