〜 手仕事のすすめ 〜
沖縄は民芸がとても盛んで、昔の人達の生活の知恵や民芸が美しい生活の道具として現代の世代にしっかりと、そして生活の中で自然に引き継がれています。
子ども達の遊ぶ後ろで、大人達は手仕事に励みます。この日の手仕事は鍋敷き作り。鍋敷きはとてもシンプルなデザイン。しかし、月桃の繊維で作られる鍋敷きは温かいお鍋の熱を受けると、月桃の甘い匂いを放すのです。
月桃の茎を林に取りに行き、葉を落とし、茎をはがし、乾かし、茎を裂き、編む。一つ、一つの工程を大人達が一生懸命こなしていきます。幼い子ども達は遊びながらも時折り、鍋敷き作りをしている大人達の周りに立ち止まり、大人達の手先を興味深そうに見つめます。「何やってるの?」「鍋敷き作ってるの。いい匂いだよ。」 そんな会話を交わしながら、作業は進んでいきます。 少しずつ形になっていく過程を大人達と同様、子ども達も楽しんでいるようです。
できあがった作品を大人達は実際の生活の中で使います。「ねぇ。この鍋敷き、のんちゃんのお父さんが作ったんだよ。」子ども達は作業には参加していないのですが、まるで自分が作ったかのように、誇らしげに自分のパパやママが作った物を見せてくれるのです。
私達の環境は、多くの物を安く、早く、簡単に手に入る事のできる時代になりました。それも素晴らしく恵まれた時代の変化です。しかし、今回の手作り鍋敷きを通して子ども達は素晴らしい事を学びました。子ども達は鍋敷きの原料や、作り方の過程、そして大人達の努力する姿を見る事が出来たのです。小さな事、でもそれは子ども達、大人達の誇りでもあるのです。
今年の夏、出来る範囲で、一生懸命、小さな手仕事に挑戦してみて下さい。子ども達の心に響く物、作ってみて下さいね。
今年の夏も、どきどき、わくわく、なんだか楽しくなりそうです。
大きく育て!子ども達!
元気に育て!子ども達!