自然の中の子ども達
静かに舞い降りる柔らかい雪。今日も子ども達は自然と向き合い大きくなります。
去年10月、フォレストプリザーブのご協力のもと、 Adopt
a Site Program に初の幼稚園部として加盟する事ができた聖マタイルーテル日本語幼稚園。Adopt
a Site Programとは、森の一部のアリアを子ども達が責任をもって清掃し、保護していくというプログラムです。毎回森を訪れるたび、子ども達はゴミを拾い、森をきれいにしています。子ども達が訪れる森。子ども達が学び、遊ぶ森。『自分達の森は、自分達で守る』小さな子ども達の心は使命感でいっぱいです。
先日、ダウンタウンのクックカウンティービルディングで子ども達の活動をフォレストプリザーブの役員の方々を始め、関係者、一般の方々に報告をする事ができました。子ども達の森での活動、森から学ぶ事など、皆さん熱心に聞いてくれました。
大自然に囲まれたアメリカ、しかしアメリカの中でも森の活動をプログラムの一環として取り入れている幼稚園は少なく、ミーティングの中でも『小さい子ども達を定期的に森に連れて行こう!自然にもっと触れさせてあげよう』という声がありました。
自然をベースとした絵本も園にはたくさんあります。花の絵本、雨の絵本、木の絵本、泥の絵本など内容は様々です。しかし、その素晴らしい内容をしっかりと理解できる子ども達は非常に少ないのです。 なぜなら、子ども達は実際にその自然を体で体験した事が無いからなのです。
センス オブ ワンダーの著者 レイチェル カーソンはこう書いています。
「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます。消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうがどんなにたいせつであるかわかりません。
幼児期というのは知識を教え込むのではなく、心を育てる時なのです。美しい物をみて美しいと思う事、
草の匂いをかぎ、手にとって、肌で感じ、耳で聞いて、目でみる。体を通して学ぶ事を森は子ども達に提供してくれます。
もうすぐシカゴにも温かい春がやってきます。子ども達を連れて森へ行ってみませんか?素敵な体験ができると思います。