見守ろう! おてんば、わんぱく小僧達
先日一人のお母さんが、『先生、うちの子はおてんばで大変なんです。』とご相談にやって来られました。 お話をきいていますと、大きいお兄ちゃん達についていって、木へよじ登ったり、高い所からジャンプしたり、虫を箱にいれて沢山家へ持って帰ってきちゃったり、大きいお兄ちゃん達のやっている事をとにかく真似したがる。との事でした。ママの困った顔をよそに、その子を見ていると、目をきらきらさせて園庭を本当に楽しそうに走り回っています。
最近、おてんば、わんぱくと言う言葉を聞かなくなっています。 それは、子ども達がおてんば、わんぱくになる機会、そしてわんぱくになれる場所が無くなりつつあるからだと思います。 私の勤めていた現地の幼稚園ですと、水たまりに靴ごと入ってばしゃばしゃすると、すぐ先生に止められますし、周りの保護者からもかなり迷惑がられていました。幼稚園に生えている木によじ登った日には、先生から保護者へ注意が入ったり、三輪車はすべて一方通行、みんな同じ方向に向かってぐるぐる回っていましたね。 私達の小さかった頃、毎日の様に泥んこになって遊んだり、お父さん、お母さんの真似をして、かなづちを使い釘をうってみたり、針や糸を使って手芸を遊びとしたり、自分の髪をこっそり切ってみたり..数々の経験を遊びを通してしてきました。 おてんば、わんぱくは、子ども達の好奇心の表現なんですよね。『これ何だろう?触ってみたらどんな感じなんだろう?僕にもできるかな?』と、幼児期にある子ども達のわんぱく心=好奇心って、これからの子ども達を伸ばすバネなのです。 好奇心があるから『学びたい!』という気持ちを伸ばす事ができるし、やってみよう!と挑戦する心も育つのです。ましてや、幼児期にしか出来ない遊び(泥んこ、水、ミミズ探しなどなど...)汚れるから、風邪をひくかもしれないから、転ぶかもしれないから...と、心配なされる保護者も多々いらしゃると思いますが、今しか出来ない遊びの経験を『汚れるから、お着替え持ってないから。』と、大人の理由で見逃してしまうのは、子どもにとって、とてももったいない事ですね。
『これをやって、あれやっちゃ駄目。』と大人が子どもの前にやるべき事を与えるだけではなく、子ども達自ら学びたいという気持ち、好奇心を追求する力もいろいろな遊びを通して育てていきたいですね。もちろん、わんぱく、おてんばで失敗も沢山あると思います。しかし、幼児期には、そのおてんばになる、わんぱくになる経験、好奇心を発揮できる場所と機会を、私達大人が沢山与え見守る事が大切なのです。
今度、子ども達が足下の水たまりを見つめ考えている時、止めずに暖かく見守ってあげるのも小さなわんぱく心、学びたいと思う気持ちを育てる第一ステップになると思います。