〜自然と共に育つ〜
『先生、ダンゴムシ探しにいこうよ!』温かい日差しの中、スコップとバケツを手に、子ども達はにこにこ顔です。 『僕、あっち掘ってみる!』『私はこっち!』子ども達はダンゴムシ狩りに出かけて行きます。 ダンゴムシ探しの経験豊富な子ども達は、石をひっくり返したり、ダンゴムシの好きそうな涼しそうな岩陰や塀の下などを掘っています。 数分すると、『いたよ!』と、元気な声につられ、興味しんしんのお友達がバケツを持って集まってきました。 最初は、『わー!いやだ?!』『こわいねぇ』と、嬉しそうに顔を見合わせる女の子達ですが、すぐにハンターモードに切り替わる様です。 『ここに入れて!』子ども達は、丸くなったダンゴムシをバケツの中へいれていきます。『そ?っといれてあげようね。』『土も忘れないでね。』『一人じゃ寂しいから、お友達も入れてあげようよ。』 子ども達が、意見を出し合い遊ぶ様子がうかがえます。 ころころ転がる可愛らしいダンゴムシを見つめ突然、『僕、ダンゴムシお家に持って帰る!』と、お友達が言いだしてしまいました。
その子は大事そうにダンゴムシのはいったバケツを抱きしめはなしません。そんな様子を見ていた周りのお友達は、『ダンゴムシのパパとママ、寂しくなっちゃうんじゃない? かえしてあげた方がいいんじゃない?泣いちゃうかもよ...』ある友達は、『明日も会えるよ。見つけた穴に返してあげようよ。』と、優しく促します。 みんなの意見をじっと聞いていた男の子。そしてゆっくりと、『じゃあ、また後で会おうね。』と、ダンゴムシを逃がしてくれました。
“ダンゴムシ探し” 一見シンプルな遊びにみえますが、子ども達はとても大切な事を学んでいます。 遊びを通して子ども達は自然と触れ合い、虫の習性などをはじめ、お友達の意見を聞く事、他人の視点から物事をとらえる力、我慢する事などを学んでいきます。 幼児期に大切なのは、心を育てる事。それは、子ども達が実際に経験して学ばなければならない事なんですね。子ども達が思いっきり、そしてじっくりと、自然の中で学んでいける環境を提供してあげたいですね。