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12-2014

3億2500万ドルの本当の重み

メジャーリーグにおける大型契約の始まりは、1980年にデーブ・ウィンフィールド選手がヤンキースと合意した10年2300万ドルだと言われている。

あれから34年―。スポーツ史上最大の契約が誕生した。マイアミ・マーリンズが11月に25歳の若き主砲、ジャンカルロ・スタントン外野手と13年3億2500万ドルで合意したことを発表したのだ。3月に発表されたデトロイト・タイガースのミゲル・カブレラ内野手の10年2億9200万円を上回る初の3億ドル台到達。

日本円にして383億5千万円という驚愕の金額だ。

「冗談でしょ!」、「ありえない!」

ここでそんな反応をした読者はかなりのメジャー通だ。なぜなら、マーリンズはケチケチ球団で有名だからだ。今季のチームの総年俸額は約4700万ドル。これはメジャー30球団のうち29番目の金額だ。1選手当たりの年俸が200万ドルにも届かないチームが、たった1人の選手に1年平均2500万ドルを支払う。しかもスタントン外野手はこの1、2年、トレードの噂が絶えなかった選手で、実際にマーリングがヒューストン・アストロズと交渉していた事実がハッカーによって公にされた球団機密文書に記されている。将来、年俸高騰が確実な同外野手を早めに出して、さらに若い複数の有望株を獲得する球団の狙いが透けて見える。

にわかには信じがたい今回の超大型契約。本当なら歴史的な明るいニュースのはずなのにどこかきな臭いというか、暗い気持ちにさせられる理由はこれだけではない。

マーリンズの球団オーナーのジョフ・ロリア氏は、いい言い方をすれば敏腕ビジネスマン。悪い言い方をすれば、金の亡者。あまりいい評判が聞こえてこないのは後者の印象の方が強いからだろう。

フロリダはスモールマーケットでプロ野球人気も決して高くはない。経営的には苦しいはずだが、毎年黒字を出しているのは、各球団が年間収益の31%をリーグに収め、それを全球団で分配するRevenue Sharing(収益分配制度)のおかげだ。

経済力の均等化を図るためのシステムの恩恵をしっかりと受けているのだ。

しかも毎年のように本拠地の観客動員数でメジャー最下位を争っているにもかかわらず、3年前に新球場を建設したのは球団の資産価値を高めるためとも言われている。建設費は移転話をちらつかせて市からの援助、そして、市民から寄付金を集めてもいる。

チーム作りに関してもいい話は出てこない。2003年にヤンキースを破ってワールドチャンピオンにはなっているが、その直後から主力選手を次々に放出してチームを解体。新球場のオープンに合わせて11年オフに大補強を展開したまではよかったが、成績が芳しくないと見るや、翌オフに前年に獲得した選手を次々とトレードへ。完全にファンの気持ちを無視した球団経営。球場に閑古鳥が鳴くのも無理はなかった。

そんな中での3億2500万ドルである。

その契約内容にもちょっとしたからくりがある。先に記したように1年にならすと平均2500万ドルになるが、年俸はシーズンによって異なっている。来季は650万ドル、2年目の2016年は900万ドルで17年は1450万ドル。18年にようやく2500万ドルとなり、19、20年が2600万ドルだ。21年以降もさらに上昇し、23〜25年は3200万ドルまでアップするが、6年目の20年終了時に選手側に契約を破棄する権利を与えている。これは球界全体の年俸が年々高騰している点を考慮し、契約の見直しを可能にしているわけだが、7年後もスタントンがこのチームでプレーしている可能性は限りなくゼロに近い。3年目までの年俸を1000万ドル以下に抑えている点を考えれば、4年後さえも危うい。

ロリア氏は3年計画でチームをワールドチャンピオンに作り上げてさらに球団の資産価値を上げようと目論んでいるように見えてならない。

史上初めて総年俸が2億ドルを超えたのは2000年のオフにシアトル・マリナーズからフリーエージェントとなってテキサス・レンジャースへ移籍したアレックス・ロドリゲス内野手だ。しかし、その後の野球人生は波乱万丈だ。契約3年目終了時の2003年オフにチームの経済事情によりニューヨーク・ヤンキースへトレード。契約はそのまま引き継がれ、7年目終了時の07年オフに契約を破棄する権利をもっていた同内野手は新たに10年の契約を結び直した。

ところが、その後は禁止薬物使用の発覚や、けがによる長期離脱など、年俸に見合った成績を残すことはできていない。超大型契約の難しさを露呈する格好となった。昨オフはカブレラ選手以外にもアトル・マリナーズがロビンソン・カノ内野手と10年2億4千万ドルで、ロサンゼルス・ドジャースがクレイトン・カーショー投手と7年2億1500万ドルで合意。総額2億ドルを越える契約が続出したが、禁止薬物を使用していたロドリゲス内野手も含め、全員が好成績を残し、それらに対する評価が反映されている。

一方のスタントン外野手の場合はどうか。今季は37本塁打をナショナル・リーグの本塁打王となったが、これが初の個人タイトル。100打点を超えたのも初めてだった。過去5年の通算成績は634試合、打率・271、出塁率・364、154本塁打、399打点、長打率・540。将来ののびしろに期待したとはいえ、残念ながらとても3億ドルを支払う意味は見いだせない。

これで歴史的な超大型契約でチーム内のバランスが崩れた。クラブハウスにこれまでとは異質の空気が流れる中でこれまでどおり、いや、これまで以上の成績を残していかなければならない。スタントン外野手が 13年3億2500万ドルの本当の重みを実感するのはこれからだ。

 
     
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