医学誌「Fertility and Sterility」2015年11月19日号に掲載された、ユタ大学の兼任助教授Heidi
A. Hanson, PhDの研究で、「妊孕能の低い男性は精巣癌リスクが高い」と報告されています。
この研究では、1996年〜2011年の間に不妊治療の一環で精液分析を受けた男性約2万人を被験者群とし、妊孕能があると判明している同数の男性対照群としてデータを収集しました。 研究期間中に全体で421人が癌と診断され、最も多かったのは悪性黒色腫、精巣癌、前立腺癌でした。
解析の結果、低妊孕能の男性が精巣癌を発症する可能性は対照群の3倍で、特に精子数が異常に少ない男性ではリスクは10倍であることが判明。 精子の形や運動性などの問題がある男性でもリスクは上昇することも判りました。
しかし、以前の研究結果とは対照的に、精液中に精子のない男性では、癌リスクの上昇は認められず、また、妊孕能と前立腺癌リスクとの関連も認められませんでした。
Hanson博士は、「今回の研究は直接的な因果関係を明らかにしたものではないため、不妊問題をもつ男性がパニックに陥る必要はない」と述べています。
不妊の原因が女性と男性にほぼ同率あることは近年の研究で判明していましたが、妊孕能の低い男性は不妊の原因に加えて精巣癌リスクが高いことが判りました。 その直接的な因果関係は不明ですが、妊孕能が低下している身体状態を改善すれば精巣癌リスクも改善する可能性があります。 カイロプラクティックで神経系の機能を正常に保ち、食事・栄養や運動を適切にすることで妊孕能を高めることは可能です。