●車での子供用シートにご注意
医学誌「Journal of Trauma and Acute Care
Surgery」2015年9月号に掲載された、ミシガン大学小児救急医学助教授のMichelle
Macy, MD, MSの研究で、「交通事故で重度の損傷を負ったり死亡したりするリスクは、乳児と比べて、「ジュニアシート」を使える年齢の小児では2倍になるが、この大きめのチャイルドシートは安全点検で見過ごされがちであり、正しくしようされていない」と報告されています。
この研究では、ミシガン州における4500例以上のチャイルドシートの点検データを収集し分析しました。 その結果、約半数は後ろ向きに装着する乳児・幼児用シートに関するもので、4〜7歳のジュニアシートに関するチェックは11%のみと判明、またジュニアシートのうち約3分の1は、より安全に使用するために調整の必要があったことも判明しました。
そして、1000人の親を対象とした調査の結果、70%の親が車のシートベルトを使用するには約1m42
cm(57インチ)の身長が必要であることを認識していない、そして90%の親がジュニアシートからシートベルトへの変更が早すぎたことも判明しました。
Macy助教授は、「ジュニアシートはベビーシートほど取り付けに技術がいらず、複雑でなさそうにも見えるので、親や家族はその誤用をさほど心配しないようだ。ジュニアシートを使うべき小児でシートベルトへの変更が早すぎた場合、「シートベルト症候群」と呼ばれる腹部の重大損傷のリスクがあり、ジュニアシートを正しく使えば、4〜8歳の小児の損傷リスクは45%低減するので、有資格の安全技術者によるジュニアシートの長期使用の教育・指針の提供が有益と考えられる」と述べています。
●家庭用殺虫剤で小児癌リスク
医学誌「Pediatrics」電子版に2015年9月14日に掲載された、ハーバード大学公衆衛生学部准教授のChensheng
(Alex) Lu, PhDの研究で、「家庭の室内で殺虫剤に曝露した小児は白血病やリンパ腫を発症するリスクが高い、また除草剤曝露と白血病リスクの間にも関連が認められた」と報告しています。
この研究では、癌の小児と健康な小児を比較し、親への問診により過去の殺虫剤曝露について評価した1993〜2013年に実施された16件の国際的な研究の結果を統合し、再検証・再評価しました。
その結果、室内用殺虫剤に曝露した小児は白血病またはリンパ腫になるリスクが43〜47%高いことが判明し、また除草剤に曝露した小児は白血病リスクが26%高いことが判明しました。
Lu准教授は、「殺虫剤を使う代わりに、虫の餌となる食べ物を置かない、誘引剤や捕獲器を用いるなどの「非化学的な選択肢」をとることもできる。このリスクは避けられる危険因子であり、この情報を親たちに知ってもらい、各自で最善の判断をしてもらうことが重要」と述べ、また「小児は学校、公園、遊び場などの自宅以外の場所で殺虫剤に曝露することもあるため、そのような場所で殺虫剤の使用を制限することにも意味がある」と指摘しています。
貴方の愛する子供さんの安全と健康と幸せの為に、参考にして頂ければ幸いです。