医学誌「British
Medical Journal」に2014年10月29日に掲載された、スウェーデンのウプサラ大学教授の
Karl Michaelsson, MD, PhD の研究で、「牛乳摂取量の多い人は、少ない人と比べて寿命が短く、女性では骨折が増える」と報告しています。
この研究は、39〜74歳の女性6万1000人を対象にした約20年に亘る観察記録と、45〜79歳の男性4万5000人超を対象にした11年間の観察記録を精査・分析しました。
その結果、牛乳の摂取量が多くなっても骨折の危険性は低下せず、死亡率の増加と関連する可能性があることが判明しました。
Michaelsson 教授は、「1日3杯以上の牛乳を飲む女性は、1日1杯未満の人と比べ、死亡率が90%高く、股関節部の骨折が60%多く、骨折全般では15%多かった」と述べています。
牛乳に関しては以前からその有害性が指摘されてきました。 宮崎大学教授の島田彰夫・医学博士は、「牛乳は、子牛には栄養価の高い完全食品だが、人が摂ると「早熟」と「早老」をもたらし、成長は早いが様々な病気になり易くなる。離乳期を過ぎ、ラクターゼという分解酵素が分泌されない日本人が牛乳を飲み続けると、乳類に含まれているカルシウムが吸収できないだけでなく、他の食品から摂取したカルシウムを体外へ排せつしてしまい、骨を弱めることになる」と警告しています。
日本綜合医学会永世会長で大仁医院院長の沼田勇・医師・医学博士は、「牛乳
は骨を健康に保つコラーゲンの合成に不可欠なビタミン C を弱めることで骨を
弱める。実際、世界一牛乳を飲んでいるノルウェーの骨折率は日本の5倍であ
る」と述べています。 国際自然医学会会長の森下敬一・医師・医学博士は、
「牛乳は腸(血)を汚し癌をつくる」と指摘しています。
また、牛乳の脂肪は、ほとんどが飽和脂肪酸であり、動脈硬化、心臓病、脳卒
中等の原因になりやすく、他にも白内障、糖尿病、鉄欠乏性貧血、視力低下、
虫歯、自閉症などと牛乳とに関係があることが発表されています。 牛乳その
ものの質の問題に加えて、乳牛への成長ホルモン剤や抗生剤の投与、遺伝子組み換えコーンの飼料での飼育などで、牛乳が汚染されている問題もあります。
牛乳について、考え直す時期に来ているのかも知れません。
欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌「Diabetologia」に2014年2月5日に掲
載された、英国ケンブリッジ大学の Nita Forouhi, MD, PhD
の研究で、「低脂
肪の発酵乳製品を摂取すると、全く食べない場合と比較して糖尿病発症リスク
が約4分の1低減する」と報告しています。
この研究は、英国ノーフォーク州在住の男女3500人を被験者に11年間の
長期健康調査を実施して情報を分析しました。 調査期間中753人が2型糖
尿病を発症しました。
その結果、ローファット(低脂肪)のヨーグルト、フロマージュ・フレ(未熟
性チーズ)、カッテージチーズなど低脂肪の発酵乳製品を食べていた人達は、
全く食べていない人達と比べて糖尿病発症の確率が24%低いことが判明。低
脂肪のヨーグルトのみでの糖尿病リスク低下率は28%であり、更にポテトチ
ップの代わりにヨーグルトをおやつとして食べていた人では、実に47%もリ
スクが低減していることも判りました。 一方、発酵乳製品の中でリスク削減と関連していたのは低脂肪製品のみで、牛乳や高脂肪の発酵乳製品では糖尿病リスク削減の効果はみられないことも判明しています。
発酵食品が健康に良いことは以前から知られていますが、乳製品では牛乳に含
まれる脂肪のほとんどが飽和脂肪酸で有害ですから、やはり低脂肪の発酵乳製
品でなければ健康的とは言えないようです。