医学誌「Science」2013年9月26日号に掲載された、アイオワ大学のDavid
Cwiertny助教授の研究で、「ウシの成長を促すために使用されるステロイド等が、これまで信じられていた予想よりも長く水にとどまり、環境への脅威が残る可能性がある」と報告しています。
この研究では、実験室での試験と現場での実験で、ウシの体重増加を促進し飼育効率を上げるために使われるタンパク同化ステロイドの酢酸トレンボロン、筋肉増強剤として販売されたタンパク同化ステロイドのジエンドン、経口避妊薬に使われているホルモンのジエノゲストなどの分解の状態などを調べた。
その結果、、トレンボロンは水中で、これまで考えられていたほど完全には分解されず、特定の条件下ではトレンボロン自体を再生する十分な化学残留物が残っていることが判明した。また、ジエノゲスト、ジエンドンでも同様の結果が認められ、これらの薬剤は排水溝に廃棄されるとすぐに分解され、環境への脅威は低下すると広く信じられてきたが、環境への影響に疑問が生じるような形で変化する可能性が判明した。
トレンボロンは過去にはボディビルダーなどに人気があったが、現在、ヒトでの使用は許可されていない。 しかし、米国では、トレンボロンが2000万頭以上のウシの耳に埋め込まれている。
Cwiertny 助教授は、「広く使われている化学物質が既存の規制やリスク評価のパラダイムと異なる挙動を示すことが判明した。この研究が新たな汚染物質の環境動態の解明・評価に役立つ事を希望する」と述べています。
ステロイドが水分に長くとどまるのであれば、牛肉そのものにも残留している可能性が疑われます。オーガニックの牛肉を購入した方がやはり安心ですね。