●小児に処方される薬剤の大半は安全性が未検証
米国医師会誌「JAMA」2012年5月9日号に掲載された、米国食品医薬品局(FDA)小児治療部(OPT)のM.
Dianne Murphy博士の研究で、「小児が使用する薬剤の約半数は、小児での有効性、安全性または用量に関する情報がほとんどないか、全く表示されていない」と報告しています。
今回の研究では、2009年電子版「米国医薬品便覧」に記載される560種類の薬剤のうち小児が使用する461種類の薬剤を検討したところ、小児およびティーンエイジャーを対象とした有効性、安全性の情報および用量の指針といった十分な情報が記載されている
ものは231種類という結果であった。
米国小児科学会(AAP)薬事委員会の代表であるDaniel Frattarelli博士は、「新生児の治療に使用される薬剤の90%は未だ十分に研究されておらず、大きな問題がある」と指摘しています。
●犬と一緒に暮らす赤ちゃんは感染症に強い
医学誌「Pediatrics(小児科学)」に2012年7月9日に掲載された、フィンランドのクオピオ大学病院の研究で、「犬が飼われている家庭で育つ赤ちゃんは、感染症や呼吸器疾患のリスクが減る」と報告しています。
この研究では、生後9〜52週目の間の健康記録を親が記録していた子供397人を対象として情報を分析した。
その結果、犬が飼われている家庭の赤ちゃんは、せき、喘鳴(ぜんめい)、鼻炎などの感染性呼吸器疾患にかかる確率が約30%低く、また耳の感染症にかかる確率も約半分とリスクの減少が判明。猫でも同様の可能性が示されたが、その効果は犬より弱いことも判った。
調査では、感染リスクの上昇が考えられる要因(母親による授乳や保育施設の利用、さらには親の喫煙や喘息など)を排除しても、犬のいる家庭で育つ赤ちゃんで感染症を発症する確率が著しく減少したことが確認され、また抗生物質の投与回数も少なかったことが判明。
研究チームは、「動物との接触が免疫系の発達を助けることで、より整った免疫反応をもたらし、感染期間を短縮させるのではないか」と述べています。
今回の2件の研究から、子供に処方される医薬品の大半が安全性も有効性も医学的に研究されていない事実が判明しており、副作用などのリスクを考慮すれば、子供に安易に薬を飲ませることは賢明ではないことが判ります。そして、犬と暮らす赤ちゃんは適度に様々な細菌等に触れることで正常な免疫機能が発達し、感染症などにかかるリスクが減少することが判明しています。遵って、赤ちゃんが生まれるときに犬を飼っていれば、赤ちゃんが病気になるリスクが低く、それによって医薬品の使用の機会も少なくなり、薬害のリスクも低くなるということです。