新年おめでとうございます。2009年1月号から季節毎に年4回、総合医学健康コラムを提供させて頂くことになりました。皆様のお役に立つ情報の提供に努めて参りますので宜しくお願い申し上げます。
さて、シカゴの冬は雪が降り積もり、寒く、どんよりとした灰色の空は、気分を暗くさせるには十分なものです。統計でも、鬱病患者や自殺者はスェーデン、フィンランドなどの寒い北欧の国で多く、また11月から3月に鬱病の発症が多いことからも、鬱病と冷え・寒さが関係していると言えるでしょう。
しかも祖国を離れて暮らす我々日本人には様々なストレスがあり、家族、友人、親しい隣人などと離れて暮らす寂しさなどもあって「鬱病」になり易い状況です。そこで今回は、鬱病を予防し、また軽減させる安全で効果的な対処法の紹介です。
1. | 日光を浴びる | |||||
太陽の光を浴びることは、体内でのプロビタミンDの合成に欠かせないように、体には必要なことです。西洋では「太陽が顔を出すと医者が引っ込む」という諺がある程です。女性は日焼けやしみ、そばかすの原因になると嫌う方も多いですが、1日に10〜15分程度は日光浴をすると良いでしょう。冬は外に出なくても、南向きの窓辺で日光浴をしても結構です。 | ||||||
2. | 悩み事は家族と分かち合う | |||||
悩み事や心配事を一人で抱え込むのは危険です。無理せずに家族と相談して、一緒に解決法を考えてもらいましょう。 人に話す事で気分も軽くなりますし、違った視線から解決法が見つかる事もあります。 家族の協力がなにより強い味方です。 | ||||||
3. | 大声で笑う | |||||
笑う、感動する、というようなポジティブな感情は、鬱病を防いだり、軽減したりするのに大変重要です。家に引き篭もらずに外に出て、友人達と会話を楽しむ、或いは、恋愛映画やドラマ、お笑い番組などを一緒に観るのも良いでしょう。 | ||||||
4. | 運動をする | |||||
運動をして体を動かすことが、抗うつ剤などの薬物療法と同等か、それ以上の効果がある事が最近の研究でわかっています。筆者は、子供からお年寄りまで安全かつ効果的に全身運動が出来る「ミニチュア・トランポリンを用いた、その場足踏み運動」をお勧めします。ミニチュア・トランポリンは、直径4フィート位のトランポリンです。スポーツ用品店で$50位で購入出来ます。弾力性のあるトランポリンの上で足踏み運動をすると、下半身のリンパの流れが改善し、バランスをとる為に全身の筋肉を使いますし、筋力も付いて来ます。テレビの見える場所に置いて、お笑い番組のDVDなどを見ながら運動すれば、退屈せず続けて出来るでしょう。その場所の日当たりが良いなら、日光浴、運動、笑いの一石三鳥です。 | ||||||
5. | 食事 | |||||
精神を安定させる脳内物質のセロトニンを作るには、トリプトファン、ビタミンB群(特にB6)、鉄分が必要です。サプリメントではなく、自然の食材で摂取しましょう。
シソやショウガ、レンコン、朝鮮人参、ローヤルゼリー、ドクダミ茶もうつ病によいと言われています。 |
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6. | 体を温める | |||||
冒頭でも述べたように、鬱病と寒さ・冷えは深い関係にあります。従って、体を温める事は非常に重要です。毎日、足湯や半身浴をして体を芯から温めましょう。 | ||||||
7. | 姿勢を正しくする | |||||
鬱病の兆候の一つに猫背などの姿勢の悪さがあります。 しかし、逆に姿勢が悪いことが鬱病などの病気の原因であることも知られています。頭骸骨の下にある第一頚椎に不整列が起こり神経圧迫が生じると、神経症、精神的不安やノイローゼなどの原因になることもあるので、カイロプラクティックで背骨と神経機能を調整するのが望ましいでしょう。 |
東京医科大学卒の医師・医学博士の森下敬一先生は、「抗うつ剤に頼らない。化学薬剤は体の自然性を害するから、結果的には逆効果となる。向精神薬はもちろん、その他のどんな化学薬剤も、極力避けるべきである。」と述べています。そして、「玄米を主食とし、野菜、海藻、魚介類を副食として、ドクダミ茶などの薬草茶をプラスするのが基本原則である」と勧めています。
慶應義塾大学医学部卒の医師で、パーマー・カイロプラクティック大学卒のカイロプラクティック医師でもある松久正先生は、「カイロプラクティックには、患者に希望を与える凄いパワーと可能性がある」と、様々な疾患や病気で悩む患者さんにカイロプラクティックを勧めています。
前述の7項目と、上記の4人の自然医学などの権威である医師達の勧める方法などを参考にして、鬱病を予防し、安全かつ効果的に対処しましょう。
※ 現在治療を受けている方は、これらの情報を利用する前に必ず主治医と相談して下さい。