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夏も終りにさしかかりました。日本はずいぶん暑かったようですが、米国中西部各地で今年は涼しい夏が続いたまますでに9月に入ってしまいました・・・。こりゃいかん。どこかで夏を体験しなくては! という方々へ、秋から冬にかけて常夏のリゾート・カンクーンへ行って見ませんか?
カンクーンと言えば「太陽の国」メキシコの高級リゾート地。11月あたりの平均気温は24℃、シカゴとは時差なしで直行便なら3時間半ほどで常夏のパラダイスに到着です。コバルトブルーに輝く海、22キロの長さに及ぶ白いビーチ、そこに建ち並ぶ高級リゾートホテルの数々、マリンスポーツ各種、充実したショッピング街、地元ならではのメキシコ料理など、カリブ海を代表する高級リゾートとして申し分ないカンクーンをさらに他の島々とは違う別格に押し上げてしまうのは、そう、カンクーン近郊に広がる「マヤ文明遺跡群」でしょう! 高級ビーチリゾートと世界遺産をまとめて楽しめてしまう、一粒で二度美味しい旅になるわけです!ビーチリゾートでの遊び方は皆さんご想像のとおりですが、とにかく今回はこのマヤ文明の遺跡についてご紹介します。
カンクーン近郊にあるマヤ文明遺跡群の中でも、最も特筆すべきは1988年に世界文化遺産に登録された「古代都市チチェン・イツァ」遺跡です。カンクーンから日帰りで行けるところにあり、カンクーン滞在中には是非訪れたい必見の場所です。チチェン・イツァとは、「泉のほとりの水の魔術師」という意味で、それはセノーテと呼ばれる泉があることからもうなずけます。マヤ文明とトルテカ文明が混合して造られたマヤ後古典期最大の遺跡で、5世紀半ばにユカタン半島北部の密林を切り開いて都市が築かれました。最初に都市をつくったのはマヤの一部族であるイツァ族(水の魔術師)で、7世紀にいったん衰退しましたが11世紀から13世紀にかけてマヤとトルテカの2大文明が影響を受け合う都市として再興されました。
遺跡の敷地は広く、全てを見て回るにはけっこう歩きます。マヤ暦に基づいて設計・建造された英知の結晶ともいえるピラミッド型神殿「カスティーヨ」、約300本もの石柱に囲まれた「戦士の神殿」、メキシコ最大の「球戯場」などが見どころです。なかでもカスティーヨが最も有名で、人を拒絶するような急階段がピラミッドの4面に施されています。
カスティーヨの急階段を登って頂上制覇するのはちょっとしたアドベンチャーです。階段は足を乗せる幅が20cmほどしかなく、少しでも後ろに体重をかけたらひっくり返りそうな状況です。足を横向けに乗せ、手をついて1歩1歩上を目ざしがんばって登った最上部にはククルカンを祀った神殿があります。マヤ文明では農耕の神ケツァルコアトルのことをククルカンと呼びます。太い柱にはガラガラヘビのレリーフが施されています。この神殿で春分の日と秋分の日の夕暮れ時、北階段の縁にジグザグの影ができる不可思議な現象が見られます。神殿から伸びた影が時間とともに下って、階段の下にあるケツァルコアトルの頭部と繋がります。大蛇を連想させる光と影はあたかも天から降りてくる大蛇の姿をかもしだし、人々はこの現象をククルカンの降臨として崇めており、この日は世界各国からの観光客でごった返します。
このように世界文化遺産にじかに触れることのできる環境が、高級ビーチリゾートとセットになっているカンクーン。砂浜でノンビリするも良し、世界遺産を歩くも良し、ショッピングするも良しと、そんなフトコロのふか〜い常夏リゾートが、ここカンクーンです!
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