5月5日はもちろん「こどもの日」なのですが、アメリカに住んでいると柏餅や鯉のぼりよりもみかけるのがメキシコ移民達のお祭り、シンコ・デ・マヨの催し物。マリアッチ(つばの大きな帽子をかぶったメキシコ風のバンド、ギター、バイオリン、トランペットなどの楽しい音色が有名)の演奏があったり、ヒラヒラで色鮮やかなドレスで着飾った美しい女性達が踊っていたり。春めいて着た街に広がるこの時期、陽気なラテンの音楽とダンスの数々を見ていると、メキシコ人でなくてもウキウキしますよね。
まさに直訳すると“5月5日”の意味であるChinco De Mayo。なぜか“メキシコの独立記念日”と間違える人が多いようですが、本当の意味はこれ。1862年のフランス軍侵略をイグナシオ・サラゴザ将軍率いるメキシコ軍が撃退する事ができたのが5月5日だったんです。また、この時からメキシコの土地を奪おうとする国が来なかった事を祝い、この“シンコ・デ・マヨ”の催し物がはじまったというわけ。メキシコ人の誇り文化を絶賛するにはぴったりのイベントですね。
というわけで、今月号のヨンダでは、有名メキシコ人のクォート、そして諺などをご紹介していきましょう。トルティアティップをおつまみにコロナビールを飲みながら、アメリカ国内で14%を占めると言われているヒスパニック系の人達の文化をかいつまんでいきましょう。
メキシコの誇る芸術家『フリーダ・カーロ』の生涯を綴った映画で主演した女優、サルマ・ハヤック。彼女の美貌と頭脳は本国メキシコだけでなく、世界中で絶賛されています。華奢で美しい雰囲気なのですが、実は芯の通った強い女性のイメージがある彼女、そんなサルマならではの一言がこれ。この中で使われている“balls”はつまり、玉、はい、男性のあれです。こういった感じで使われる時には「男らしさ」という意味になります。
"I
keep waiting to meet a man who has more
balls than I do." - Salma Hayek |
『自分よりも男らしい人に巡り会えるのを心待ちにしてるのよ。』ーサルマ・ハヤック |
"My
painting carries with it the message
of pain." - Frida Kahlo |
『私の作品には’痛み’というメッセージが含まれている。』ーフリーダ・カーロ |
ノーベル文学賞も受賞したメキシコ人の詩人&外交官、オクタビオ・パス。フランス文学、アメリカ文学、スペイン文学に詳しく、また「奥の細道」のスペイン語訳などにも携わりました。リズミカルな詩で有名な彼、シューレアリズムやリアリズムたっぷりの作品が多く、なかなか読み甲斐があります。
"To
read a poem is to hear it with our eyes."
- Octavio Paz |
『詩を読む事は、目を使って言葉を聞く事だ。』ーオクタビオ・パス |
それではいくつかの「メキシコの諺」をご紹介しましょう。どれも本家本元スペイン語でも掲載しておきますので英語だけでなくスペイン語の言葉の流れにも注目してみてください。
"Perro
que no camina, no encuentra hueso." |
●
The dog that doesn't walk doesn't find
a bone. |
『歩かない犬は、骨にありつけない。』ー成功するためには、実行するのみ |
"Haz
el bien, y no mires a quien." |
●
Do the good, and don't look at whom. |
『良い事をしなさい。でも見返りを求めないようにしなさい。』 |
"El
que la sigue, la consigue." |
●
He who follows it attains it. |
『実行したものだけが達成できる。』 |
"Lo
que en los libros no esta, la vida te
ensenara." |
●
That which isn't in books, life will
teach you. |
『教科書ではなく、生きる事から教わるのだ。』ー人生が最大の教科書 |
|