FROSTBITEなど雪山にでも登らない限り、起こるはずないと思っている方が多いと思いますが、寒さの厳しい地方では、市街地でもちょっとした油断から誰にでも起こりえます。FROSTBITEとは、全身ではなく部分的に起きた凍傷を指します。心臓から遠く離れ血液循環の悪い、手足の指、鼻、耳などの体の末梢部分によく起きます。凍傷はその程度により、やけどと同様に一度〜三度に分けられます。凍傷にかかると、まず皮膚がひりひり痛み始め、その内しびれるようになり、徐々に感覚が鈍くなり、ついには感覚が完全に失われてしまいます。次に、暖めて血行がもどると蒼白だった皮膚は今度は赤く腫れ、感覚も戻って来ます。
少しひどい場合には、赤紫色に腫れ上がり、かなりの痛みを伴います。このような一度の症状に加えて二度の場合は、後で水疱ができ、三度の場合は組織が死んでしまい、壊死や壊痕の状態になります。一度、二度の場合は、傷は皮膚の表皮に止まり、後で瘢痕を残しませんが、三度の場合は瘢痕を残し、傷が広範囲な場合は、外科的処置が必要となります。
凍傷の患者さんは、次の様な時に、帽子をかぶったり、耳あてをしなかったり、また手袋をせずにいたためなる事が多いようです ・雪かき、・車のジャンプ、・外を歩く(例えば、朝、車のエンジンがかからないため、家から最寄りの駅まで歩いたとか、車が故障したため近くのガソリンスタンドまで歩いたとか)患者さん方は、口をそろえて、「ちょっと外にいただけなのに凍傷になるなんて信じられない」と言われます。しかし、体感温度がマイナス20度になると10分位でも露出された部分に凍傷が起こります。
<こういう場合は受診を>
市街地でも寒さを甘く見ず、しっかり防寒する必要があります。特にお酒を飲んでいる時は、体の暖かさに酔いも加わり末梢の寒さを忘れがちなため、更に用心して下さい。
今後、読者の質問に答えるコラムを考えています。答えてほしい医療に関する質問が有りましたら、下記のE-Mailアドレスに、四方宛に送ってください。