肘に痛みを感じる代表的な病気が"テニス肘"です。テニス肘は、テニスばかりでなく、テニスに無関係な方でも、仕事や日常生活で手を酷使する事により起きます。
手首を動かす筋肉は、上腕骨(二の腕)のほぼ末端部にある外側上顆(肘の外側にある骨の盛り上がり部分)と内側上顆(肘の内側にある骨の盛り上がり部分)についています。
手首を伸ばす筋肉は外側に、そして手首を曲げる筋肉は、内側についています。 手首を過度に使い過ぎると、筋肉とこれらの骨の付着部分である腱に無理が生じ炎症が起き痛みます。外側上顆と内側上顆では、圧倒的に外側が痛む場合が多く、内側の7〜8倍以上と言われています。
これは、一般に手首を伸ばす筋肉の方が曲げる筋肉よりもはるかに弱いため、どうしてもこの弱い方の伸ばす筋肉に負担がかかり、外側を痛めやすいようです。
<治療>
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手首の安静を保つ
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温湿布
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消炎鎮痛剤の服用
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痛みがかなり強い場合、局部麻酔剤(痛み止め)とステロイド剤(消炎効果)を直接痛む場所に注射する。
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エルボーバンド装着(肘のすぐ下あたりに特殊なバンドを巻く事により肘にかかる負担を軽減する)
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痛みが和らいできたら、徐々にストレッチや筋力の強化
<予防>
テニス肘になりやすい方は、基本的には腕の筋力不足があります。そこで、予防にも再発防止にも運動療法が大切です。
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ストレッチ:肘を伸ばしたまま一方の手で反対の手の甲を握ってゆっくり背屈し一分間止める。逆に手首を屈曲して一分間止めてよくストレッチをする。
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筋力強化:1ポンドから数ポンドの無理しない程度の重さを使い手首の屈伸運動を10回づつゆっくりと行う。
最後に、テニス肘を長い間放置しておくと、今度はその上の肩も痛めてしまいます。肘に痛みのある方は、早めに受診し、適切な治療を受けましょう。
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