シカゴの冬は滑って転ぶ事が多く、頭を打って受診する方も毎年見られます。
普段生活している中で、頭をぶつけた経験は皆さんあると思います。特にシカゴの冬は雪、氷、などの影響で足場が悪く、注意していても転んで頭を打ってしまう事はよくあります。
『頭をぶつけた』といっても「本が頭に当たった」といったものから「交通事故」までその程度は様々です。軽く頭をぶつけた場合はまず大丈夫ですが、強く頭を打った場合、一部のケースは頭蓋骨、脳内に障害が起こり、すぐに症状が現れる場合もあれば、遅れて症状が出る場合もあります。
ぶつけたことにより頭の中の太い血管が損傷した場合は、症状がすぐに出るので、当然この場合は急いで病院に連れて行かなければなりません。しかし、非常に細い毛細血管、又は静脈が損傷した場合には、すぐには症状が現れず、数週間、場合によっては数ヵ月後にならないと診断がつかなっかたという事もあります。
さて、それでは頭をぶつけたらどのような処置を取れば良いのでしょうか?
まず、すぐに病院に行く必要があるかの判断が必要です。以下の状況が当てはまる場合は次の日まで待たずにすぐに病院、又は緊急室に向かって下さい。
1) | 深さが判断できない傷がある場合、出血が多い場合 |
2) |
数秒間でも意識がはっきりしないという事があった場合 |
3) | 思考状態がおかしい、元気が無い |
4) | 鼻、又は耳から透明の液体が漏れている場合 |
この様な症状が無い場合は24時間注意しながら観察しましょう。とりあえずぶつけた部分を冷やし(こぶが出来ることはよくありますので、心配はありません)、激しい運動等はさけ、無理をしない程度の生活レベルで活動してください。もちろん自分で症状に注意する事も大切ですが、自分では気が付かない症状も周りの人が見れば分かる事もありますので、家族の方も注意して変わった点が無いか観察してください。特に以下の様な症状が出現しないか経過を見る必要があります。