よく耳にする病気、リュウマチの正式な病名は慢性関節リュウマチと言います。この病気は病名のように慢性の疾患(一生の付き合い)であり、関節の症状が一番の特徴です。女性に多く、男性に比べて発生率は4倍ぐらいです、好発年齢は20歳から50歳に多く、65歳以上では、発生は減少します。
病因は自己免疫が原因と見られており、自己免疫が関節を破壊してしまう事です。
症状としては関節の症状が一番特徴的です。初期では、朝の関節のこわばりが多く、また複数の関節が同時に影響される事が特徴です。また左右対称的に痛みが現れることも多いようです。朝のこわばりは変形性関節症(簡単に言えば関節の老化現象)でも見られますが、この場合一時間ぐらいでこわばりが無くなります。リュウマチの場合こわばりが長時間続く事が多く、昼過ぎても続くと言う事もあります。
もう一つの特徴は、リュウマチの場合、指の第一関節はまず侵されないということです。
病気が進行すると関節の破壊、変形があらわれます。一度変形してしまうと残念ながら、元には戻らないので、治療の基本は関節変形の予防です。
関節以外にもリュウマチは全身的に症状を表します。肺、眼、心臓、神経、皮膚などが主な臓器です。その他にも全身症状として、疲労感、微熱、体重減少、食欲不振なども見られます。
診断は、症状と血液検査でほとんどの場合できますが、場合によっては、X線、MRI、生検などを行う事もあります。
治療ですが、基本としては関節機能を維持する為、適当な運動は続ける事をお勧めします。ただし炎症時の場合(痛み、腫れが見られるとき)は安静にする必要があります。そして最初に使うのはやはり消炎鎮痛剤です。これだけでは不十分な場合はステロイド、免疫抑制薬、金剤などの薬を使う事になりますが、これらはすべていろいろな副作用があるものなので最初は比較的安全な消炎鎮痛剤で治療を続けます。
患者として注意する事はまず早めに診察を受け、進行を出きるだけ防ぐ事です。上記の関節症状に当てはまる場合は、必ず一度受診して下さい。また長期間(一ヶ月以上)原因不明の微熱が続く場合も、リュウマチの可能性(またはその他の膠原病)がありますので、受診が必要です。
リュウマチの診断が出たらこれは慢性疾患だと言う事を理解する事が必要です。慢性疾患の場合は、ある程度波がありますので、調子が良くても突然悪化すると言う事もあります。特にリュウマチの場合は予後事態は悪くありませんが、いろいろな合併症を起こす事もあります。場合によっては種種の薬剤を同時服用せざるを得ない場合もありえますし、また定期的な検査も必要となる事もあります。これらの事をよく理解して、生活に注意し、きちんと服薬をする事がリュウマチとの付き合いには重要です。
今後、読者の質問に答えるコラムを考えています。答えてほしい医療に関する質問が有りましたら、下記のE-Mailアドレスに、四方宛に送ってください。