7月に入って夏本番!と言いたいところですがなかなか夏らしい気候になりませんね。いつまた寒くなったり雨が降ったりするかわからない天気ですが、熱い日には思い切り楽しみたいものです。今月の“アサコ先生にちょっと聞いてみよう!”のコーナーでは毎月読者の方々からたくさんのご質問を受ける中、「会社へ行きたくない…というトピックを取り上げてみました。
読者Uさんからの質問:駐在生活1年半が経ちました。正直あまり仕事に行きたくありません。本当であれば、ずっと家で寝ていたいです。毎日がとても辛いです。ストレスが溜まっていて、仕事も忙しく、その上出張も月の半分以上です。妻に最近、目に輝きがないと言われそれ以来自分の体の変化をリストアップしてみました。体がだるい、疲労感一杯、集中力がない、食欲がない、睡眠が思うように取れない、一人でいたい、趣味などへの興味がなくなった、気力がないなどです。アメリカ生活を楽しむつもりで来たのに、そんな時間もなく自分の体は壊れていくだけなのかと思うと不安になります。どうしたらよいのでしょうか?
Uさん、投稿ありがとうございます。駐在員のクライアントさんを沢山見てきた中で、つらいと感じている方々が口を揃えて言う事は「会社に行きたくない」です。Uさんのこの一年半のアメリカ生活は仕事に追われている日々だったようですね。会社と自宅の往復が多い上に出張も多い様です。自分の時間を取る事さえ十分にできなかったのかもしれませんね。
Uさんの様に仕事の事で悩みストレスを抱えている人は多いです。アメリカと日本では会社生活が随分異なります。日本にいた時よりも仕事時間が増えたという人が沢山います。一日中仕事をした後にも、家へ帰ってそのまま日本とのやり取りがあるのは日常茶飯事だそうです。いったい寝るのは何時になるのでしょう。ベッドに入った後も、仕事を処理してすぐなので、脳が刺激されている分、なかなか寝付けなかったりします。
仕事以外にもストレスはあります。言語の問題や、アメリカの地になかなか慣れない事、家族がアメリカ生活に適応する為のサポート。ストレスが溜まれば溜まるほど、色々な面で支障が出てきます。Uさんの様に体の変化が出てくるのはストレスが溜まりすぎている証拠です。
Uさんのように自分の体の変化に気づく事はとても大切な事です。人によってはストレスが溜まりすぎていてるにも関わらず、自分で分からない人もいます。これまた危ないパターンでもあるわけなので、日頃からストレス度を自分でチェックする事は大切です。
Uさんが気づいている体の変化と言うのはストレスが溜まると出てくる症状です。ストレスにより、憂鬱、何もないのに悲しくなる、自信がなくなる、空虚感を感じる、イライラする、今まで楽しかった事や、やりたいと思っていた事に無関心になる、寝ても寝たりないと感じたり、食欲増加などもあります。もちろん、たまにちょっとイライラしたり、多少睡眠が取れなくなっても数日で症状も消える経験はだれでもがあるのでは?
でもUさんの様に一年以上もこの様な症状が続いているのは普通ではありません。体が辛すぎる事を症状で訴えているのです。この様な症状が長く続けば続くほど、鬱病になっていく確率も高くなります。
ではどうしたら良いのでしょうか?まずは生活パターンを変える事です。仕事ばかりの生活がUさんを苦しめているので、仕事時間を減らす事がいいのですが、いきなりそれは出来ないと思います。なので、まずは仕事の切り上げる時間を1-2時間でも早くする、家に帰ったら日本とのやり取りの時間を減らす、帰ったら仕事のメールは見ないなど、「仕事」と「プライベート」の区別をはっきりさせることがとても大事です。
その次に、一日5〜10分ぐらいでもよいので自分の時間を作る事です。何をしたいですか?もし、全く思いつかない様であれば、コーヒーショップに行って美味しいコーヒーを買う、好きな曲を一人で聞く、散歩するなどはどうでしょうか?一日10分以上出来たらおもいきって、たまには半日自分の時間を取ってみてください。運動も大切です。趣味の一つが何等かの運動であれば、それを復活させる事も良いでしょう。仕事から離れて、自分の時間を設けて自分のケアをすることはとても大切です。
時には、お薬を試してみるのも良いかもしれません。色々と自分で生活のバランスを改善しようとしても、なかなか症状に変化がない時はお薬を一時的に飲むこともありだと思います。
お薬は症状を和らげる効果を持っていますが、ストレス発散方法ではないのです。生活パターンの変化の仕方がいまいちわからない、トライしているけどどうもうまく行かないなんて時には、カウンセリングに通い、ストレスに対応できるスキルを身に着ける事も良いかもしれません。スキルがあればまたのちに似たような境遇に立たされても、どのペースでどの様にストレスを対処していくかの判断が早くできます。
バランスのある生活を得る事でアメリカ生活も楽しいものになります。まずは、生活のパターンを少しづつ変えていき、気分も楽になり症状も良くなれば、仕事へのやる気も出て来ると思います。ゆっくりと回復に向かって進んでいくために自分自身を大切にしましょう。
これからもどんどんとご質問・ご希望などをお気軽にお寄せください。