早いものでもう4月です。シカゴもようやく、お散歩に気持ちのよい日が出てきましたね。お天気のよいときに、外にでるとそれだけで気持ちも体もリフレッシュできますね。今月の“アサコ先生にちょっと聞いてみよう!”のコーナーでは毎月読者の方々からたくさんのご質問を受ける中、「後任と上手に付き合えるか?」というトピックを取り上げてみました。
読者Sさんからの質問:駐在員として、今オハイオ州に住んでいます。この数か月で会社の同僚が数人日本へ帰国しました。後任の方たちがこの4月から新な駐在員として来ることになっています。私の住んでいる場所はシカゴの様にたくさん日本人駐在員がいないため、会社の同僚や、部下、上司など、家族の様に接したりすることも珍しくありません。今まで、同僚と仲良くしていたので、アメリカ駐在生活はとても充実していました。今後、後任の駐在員たちとも、以前の同僚との様に仲良く接する事ができるかどうか不安です。どうしたらいいでしょうか?
日本の4月は、学校、会社ともに、年度始めの月で人事の異動など、忙しい月ですね。住み慣れた日本から、言葉もわからなければ、国の習慣・文化も違う所に駐在員としてくる事は大きなチャレンジです。日本にいたころよりもアメリカでの仕事の方が忙しいと言う方も多いようです。朝から晩まで会社で仕事をしてやっと家に帰っても、日本とのメールのやり取りや、電話会議などで結局寝る時間は午前1−2時過ぎなんてことは良くある事だと、駐在員のクライエントさん達が口を揃えて言っているのをよく聞きます。
Sさんの駐在生活は、同僚の方たちと仲良く出来ていたために充実されていたようですね。アメリカ生活に慣れて行く中で、親しくできる友達がいる事は、大きな支えとなります。日本では経験出来ない事を、一緒に経験することで、絆は強くなっていったことでしょう。安心でき、信頼できる同僚がいることで、仕事が辛くてもチームの一員として一緒に頑張れる!と思えるものですよね。Sさんと同僚の方々が築きあげた信頼関係はこの先も友情として続いていくことでしょう。
Sさんは4月からくる同僚の後任と、仲良くやっていけるだろうか?と不安なようです。今まで仲の良かった同僚たちがいなくなることで、Sさんは、取り残された感や、寂しさ感などを感じているのでしょう。Sさんは人間関係を大事にしているからこそ、新しい方と同じような関係を作れるか?などとも思うのでしょうね。
後任の方々も、Sさんが渡米してきた時と同じように、「アメリカの生活に慣れる事ができるだろうか?」「英語での仕事をこなす事は本当に大丈夫だろうか?」などのアメリカ生活・仕事などへの不安を感じているかもしれません。もちろん、「新しい土地で頑張るぞ!」と言う意気込みもあるとは思いますが… 後任の方々にとってSさんは、アメリカ生活を上手にこなし充実した生活を送っている先輩と見えることでしょう。
日本人は自分が困っていても誰かに助けを求めたりしない人が多いです。相手に迷惑をかけると思ってしまい、ヘルプ!と言えないのかもしれません。もしかしたら新しく来る後任の方々も最初は、仕事そしてプライベートでも四苦八苦するかもしれません。そんな時にSさんの様にアメリカ生活を経験していて、どうしたら充実した生活を送れるかを理解している人が傍にいてくれたらとても心強いと思うのです。
Sさんが後任の方々に手を差し伸べてあげたり、彼らから相談されたら快く相談に乗ってあげる事が、彼らとのつながりの始まりだと思います。後任の人もSさんは親しみやすい、信頼できる人だと感じるだろうし、Sさんも彼らの相談に乗る事で相手に親近感を感じるでしょう。人間関係で大切なのは「信頼」です。信頼関係を築くには時間が必要です。毎日の生活、仕事上などでの経験などについて色々な会話を重ねる事で、お互い心の距離も近くなります。これはどんな人間関係でも同じです。
まずは、後任の方々を知っていく事から始めてみてはどうでしょう。同僚とのような友情関係を、後任とも同じ様に作ると言うよりは、後任たちと接する時間が増える事で、彼らとどう接してよいかSさんなりに把握できてくると思います。そうした上で何等かの人間関係が出来上がります。そしてお互いへの信頼が増えるほど人間関係も深いものになるのではないでしょうか。
Sさんは同僚の人たちととても良い人間関係を築けた人なので、新たに後任として来る人達とも上手にやっていけると思いますよ。本当に後任たちとうまくやっていけるのかな?と不安になりそうになっても、自分は、人と上手に人間関係を保てるのだということを忘れずに、自信をもっていてくださいね。
これからもどんどんとご質問・ご希望などをお気軽にお寄せください。