今年は暖冬で、過ごしやすいと油断をしていたら、なぜか雪の多い2月でした。やはりシカゴの冬はあなどれなかったですね。でも、春はもうすぐそこです! 今月の“アサコ先生にちょっと聞いてみよう!”のコーナーでは毎月読者の方々からたくさんのご質問を受ける中、「期待と失望・・・」というトピックを取り上げてみました。
読者Sさんからの質問:こんにちは。初めて投稿しますSです。14歳の娘が一人いる駐在ママです。最近娘は、お泊まり会をする程仲の良い親友が出来て、よろこんでいました。娘の友達のママ(Qさん)と私も、一緒に買い物に行ったり、お茶をしたりするような友達関係になっているのですが、最近やけに、その方から「これして欲しい。。あれしてくれる?」という要求が増えてきています。「この間、面倒を見てあげたのだから、明日は私の娘を4時間ほどあなたのお家に預けさせてくれる?」という事をその当日に言われたりします。「ちょっと今日は娘の塾で時間が無いから無理。」と言って彼女の用件を断ると彼女はすぐに怒ってしまい、2−3日は話もしてくれず、娘たちの遊ぶ約束もドタキャンをしたりします。
私はQさんが友達として好きなのですが、彼女の要求を断るのが怖くなりつい、いいよ。と言ってしまうのです。しかし自分の本音とは裏腹なことを言っている自分に対して、嫌気が差しています。なぜQさんは私がNOと言う事に対してあれだけ怒るのだろうか?といつも悩むばかりです。そしてそんなQさんに失望している自分も嫌です。
この様な人間模様はどこにいても起こることではないでしょうか?相手を思いやるからこそ空回りしたり、自分が思っている程相手が自分を理解してくれなくて、そんな相手に失望したり・・・。関係が近いからこそ、この様な事があるのです。めんどくさい!と言って済ませてしまえばそれだけの人間関係だったと言う事かもしれません。でも人間は一人でずっと生きていくことはできません。どうしても、他の人が必要になるのです。一人一人、生き方、考え方、感じ方が違うからこそ、その違いをどれだけリスペクト(尊敬)して受け入れる事ができるかによって、人間関係も変わってくるのかもしれません。Sさんのように、ママ友のQさんと仲が良いけれど、怒らせたくないから、自分の本音と違う事を言ってしまう。これは相手を思うからこそ、そういう行動に出ている一方で、本音をQさんに言って彼女と衝突するのが嫌で彼女に合わせているかもしれないですよね?
「これだけ自分がしているんだから、相手もその分返してくれるはず」というようなフレーズを聞く時があります。なぜそう思うのでしょうか?「xxxxしてあげたのだから、相手もその分、自分へ返してくれるのが当たり前」と思う人程、相手へ無理な期待をしているのです。もしかしたら、自分が相手にした行動はあつかましく、おせっかい的な行動かもしれませんよね。そうだとすれば、相手が100%リターンしてくれる可能性はないですよね?
Qさんはもしかしたら、Sさんにその様な「期待」をしているのかもしれません。「娘さんをみてあげているのだから、そのリターンは返してよね。」は言い換えれば、「これだけやってあげてるほどの貸しがあなたにはあるから利子つきで私に返してね!」と言うような期待感です。そうだとすれば、損するのはQさんとなります。人間関係において、恩着せがましい関係は上手くいきません。なぜなら恩着せがましく言う人は、それだけの「当たり前感=無理な期待感」を相手に持っている分、相手に対してその分失望するだけではなく、相手もその人にに対して引いてしまいリスペクトできる人間関係に結びつかないからです。
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マインドフルプロフェッショナルカウンセリング
保市麻子