学校も春休みとなり、家族でバケーションに行ったり、シカゴの暖かい気候を楽しんでいる方々もいるのではないでしょうか?今年は通常より一ヵ月半以上も早く貼るが訪れていますね。花壇のチューリップや水仙、そして街中の木が青々しています。これは地球の温暖化なのかしら?と思ったりもしますが、せっかくなので早い春をインジョイっするしかないですね。(笑)
さて、今月の”アサコ先生にちょっと聞いてみよう!”のコーナーでは毎月読者の方々からたくさんのご質問を受ける中、「鬱病は治りますか?」というトピックを取り上げてみました。
駐在員のAさんからの質問: こんにちは。駐在員としてミッドウェストに住み始めて6ヶ月が経ちました。まだまだアメリカの生活に馴染めなく、何かと日常生活に苦労をしている上に、仕事は日本にいた時よりも忙しく、朝6時出勤、帰宅時間はた大抵11時半頃の生活です。家に帰ってきても日本とのやり取りで仕事に追われ、寝るのは朝2時頃です。家族(妻・息子二人)は今はまだ日本にいます。この2ヶ月程、やる気がなく、会社へ行くのも億劫です。会社へいかなければいけないので出勤はしていますが、出勤しても集中力が以前と比べるとなく、小さいことなどのミスが最近増えています。失敗が多いため自分をいつも以上に責めてしまい、以前はある程度自分の仕事に対しても自信があったのですが、最近では自信がまったくありません。睡眠も少ないため、いつも疲れている感じがします。憂鬱に感じるときが多く、特に朝そう感じることが多いです。インターネットでいろいろと調べているのですが、自分の症状は鬱の症状っぽいようです。鬱って治るのでしょうか?
Aさんの様に駐在員としてアメリカに住んでいるが、日本にいたときよりも仕事量は多く、がむしゃらに働いている中、気がついたらある日、鬱になっていた・・・という話をよく効きます。そして「鬱病」という診断が出た際に「鬱になってしまった・・・もう直らないかもしれない」と不安に駆られ、それがかえってストレスになってしまう場合もあります。鬱病について一つ絶対にしてておいて欲しいと思うことは、「鬱病はココロのかぜ」と言われているぐらい誰もがいつでもかかる病気です。
鬱病の原因をこれだ!と断言できるものはまだないのですが、ストレス、遺伝、薬物乱用、まじめで几帳面、責任感が強い性格の人やタイプAの性格の人など、そして脳の気質のバランス異常などの要因があげられます。Aさんの様にアメリカ生活に適用するだけでも一苦労だというのに、その上仕事も日本にいた頃よりも忙しく睡眠時間さえあまり取れない生活を毎日していたらストレスも溜まり、辛くなるばかりです。鬱にならないのが不思議なくらいです。
鬱の症状として以下のものが典型的な症状です。憂鬱感、焦り、一人になりたい気分、どんよりした気分や億劫な気持ち、この先真っ暗な気分、ネガティブな思考、趣味に興味がなくなる、自分の身なりに構わなくなる、うれしいや楽しいと言う感情が乏しくなる、落ち込み感、すぐにイライラする、絶望感、朝方気分が優れないが夕方ごろからよくなる、漠然とした不安感、体がだるい、睡眠障害、集中困難、食欲減退・増加、体重増減、自傷願望、自殺行為などです。
欝は治る病気です。しっかりと時間をかけて治療をうけることが回復への道のりです。アメリカではカウンセリングそして精神科医からの処方箋のコンビネーションでの治療法が一番効果的だというリサーチ結果が出ています。精神科医(日本では診療内科など)に受診してもらい自分にあった抗鬱剤を処方してもらうことが大切です。抗鬱剤を医師の判断なしで中断してしまうと再発する確立が高いので、回復するまでは飲み続けることが必要です。そしてカウンセリングを受けることも必要になる時があります。鬱になると物事を悲観的に考えたり、ネガティブ的な発想をしやすいので、そのような思考を客観的そしてポジティブに捕らえることの訓練をするのもカウンセリングのプロセスの一つとなります。
そして日ごろからストレスを解消するように努力することも大切です。普段から休養やリラックス、運動などを適度にする、興味を持ったり、家族や友達と楽しい時間を過ごすことなどもよいでしょう。そして「笑いは薬」とも言われています。コメディ映画やバラエティー番組をみて思い切り笑い、ストレス発散してみてもよいかもしれません。
鬱になると生きる力を失います。将来が見えなくなり、希望が見えなくなり、希望がもてなくなったりもします。一人でたくさん悩んでしまうからこそ死にたい、自分がいなくなったらどんなに楽だろうかと思う時もあります。そういう時は要注意です。そのような時は主治医・精神科医やカウンセラーにすぐに相談する、またはすぐに緊急911に電話することが必要です。
鬱に負けない様に、日頃から自分を大切にすることを心がけてみましょう。
これからもどんどんとご質問・ご希望などをお気軽にお寄せください。
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マインドフルプロフェッショナルカウンセリング
保市麻子