今回ご紹介するのは、The best 100 Thai Food in The U.S.A　2007にも選ばれたお墨付きのタイ・レストラン『Thai Little Home Cafe』です。このお店はシカゴに出来た3番目のタイ・レストランで1973年にオープンした当初は『リトル・ホーム・カフェ』という名の通り、6席しかない小さなお店でした。本格的なタイ・レストランが少ないこともあり、当時すぐに注目を集めたこの小さなお店の前には連日行列ができたそうです。お店を拡大した後も数々のメディアに取り上げられシカゴでも有名なタイ・レストランとして成功しましたが、お店を切り盛りしていた家族の意向もあり一旦お店を閉めました。しかしお客さんからの強いコールバックもあり、2007年4月に場所をアーリントンハイツに移して再オープンするに至りました。移転した現在でもお客さんの98％はシカゴからわざわざ足を運んでくれる昔馴染みの方らしく、おじいちゃんから孫の3代にわたって利用してくださるご家族もいるそうです。

店内は決してお洒落というわけではありませんが、壁に飾られたタイ風の煌びやかな装飾品や絵画によってオリエンタルなムードが漂っています。また大きな窓から差し込む日光によって開放感があり、広々とした居心地のよい空間で落ち着いて食事ができます。

お料理はマネージャーのマックさんにアドバイスをいただきながら選びました。アペタイザーに選んだFresh Spring Rollsは残念ながらライスペーパではなく、卵と小麦粉をつかった春巻きの皮で巻いたものですが、薄くてさっぱりしていてクレープ感覚でいただけます。薄い皮の中にはきゅうりや豆腐、炒り卵やもやしなどが入っていて具材もヘルシー。ただし上にかかっているプラムソースは甘めなので、控えめにつけて食べるのがおすすめです。小さな一口タイプに切られていて、食べやすいのも◎。Satay Porkは香ばしいグリルの香りがたまらない豚肉のタイ風串焼きです。お肉はナンプラー、ココナッツミルクと色んなスパイスでマリネされているので下味がしっかり、また焼きたては驚くほど柔らかいです。カレー風の味付けでそのままでもいけますが、ピーナツ・ソースがさらにまろやかさプラスしてくれます。付け合わせの甘酸っぱいきゅうりサラダは、さっぱりしていて塩気のある料理の口直しにぴったりでした。シーフード好きの日本人には食べてもらいたい、というYam Squidもマックさんのお勧めです。軽く炙ったイカをネギやシラントロ、セロリ、赤玉ねぎなどの香菜と和えて、ライムジュースとナンプラーで味付けした風味豊かなタイ・サラダです。柔らかいイカはプリッとした歯ごたえがあり身の鮮度が伝わってくる感じ。見た目は涼やかですが、唐辛子も入っていてかなりスパイシーなので付け合せのレタスで辛味を和らげながら食べるのがお勧めです。

スープにはマックさんのイチオシTom Yum KungとBBQ Pork Yellow Noodle Soupをお願いしました。トム・ヤム・クンはたっぷり入った大きな海老のうまみが染み出たブロスにライムの香り、唐辛子の辛さ、そして香菜の爽やかさが合わさり絶妙なハーモニーを醸し出しています。はじけるような弾力の海老に滑らかな食感のきのこ類も入っていてボリューム感もあります。ただ日本人向けのためか辛さは控えめでしたので、お好みでチリ・ペーストを加えて辛さを調節してください。澄んだ鶏ガラベースのスープがおいしいBBQポークのヌードル・スープは、タイの屋台でよく食べられる汁麺で、メインというよりもアペタイザー的な料理です。玉子風味の細麺はコシのない柔らかいボソボソとしたタイプなので、好き嫌いが分かれそうですが、細めの縮れ麺はスープが絡まりやすく食べやすいです。BBQポークもとっても柔らかく、ダシにコクを与えていました。量は軽めであっさりした味付けなので、ちょっと食欲がないときでもこれなら食べられそうです。

メインにはHouse Fried RiceとPad See Eweをオーダーしました。チャーハンは優しい塩味でナンプラーの独特の香りが印象的なタイ風焼き飯です。水分の少ないタイ米を使っているのでご飯もパラリといい具合に仕上がっていて、上にのった半熟目玉焼きのトロトロの黄身を混ぜながら食べることでまろやかさがとってもアップ！パッド・シー・イウは太いビーフンを醤油で味付けしたヌードル料理なのですがここのビーフンはもっちりしていて味付けもまろやかなので、非常に食べやすくお勧めの一品です。具に選んだ海老も大きくて身が引き締まっていて食べ応えも満点です。野菜ではアスパラや青梗菜などと一緒に菜の花が入っているなど、旬のものを積極的に取り入れて調理しているのも嬉しいポイントです。

Thai Banana Pieはバナナをココナッツミルクで炊いたもち米で包み、さらにバナナの葉で巻いて蒸した伝統的なタイのデザートです。蒸したてのもち米はトロトロ、そして中に入ったバナナもフワフワの柔らかさで口の中でとろけていく感じです。トロピカルな南国気分にさせてくれるココナツミルクとバナナの葉の香りに、上にのった小豆のコクと食感がいいアクセントになっていました。しっかりと煮出された紅茶の味が甘いコンデンスミルクにバランスよく調和したThai Iced Teaもお忘れなく。味わい深い紅茶の香りとミルクの甘さが口の中をリフレッシュしてくれるドリンクです。

シカゴの歴史にも深くかかわるお店だけに、これからも長く愛されるお店であってほしいですね。ゴルフロード沿いのこのお店は、ミツワから3分ほどのロケーションで便利な場所にもあります。特にランチタイムは安くて早くておいしいと評判なのでお買い物のついでのランチにいかがでしょうか？

（5/3/10）

クレープ感覚でいただけるFresh Spring Rollsは具材がヘルシーで食べやすい。	香ばしいグリルの香りがたまらないSatay Porkは、お肉が驚くほど柔らか。	軽く炙ったイカを色んな香菜と和えた風味豊かなタイ・サラダYam Squidはかなりスパイシー。
Tom Yum Kungは大きな海老がたっぷり！具材のうまみや香り絶妙にあわさったブロスは最高です。	澄んだ鶏ガラベースのスープがおいしいBBQ Pork Yellow Noodle Soupはあっさり味。	ナンプラーの独特の香りが印象的なタイ風焼き飯、House Fried Riceは半熟玉子の黄身を混ぜてまろやに！
もっちりとした太めのビーフンを醤油でまろやかに仕上げたPad See Eweもお勧めの一品です。	辛さが足りない場合は、お好みでチリ・ペーストを加えて調節してください。	ココナッツミルクで炊いたもち米でバナナをくるんで蒸したThai Banana Pieは南国の香り漂うデザート。
しっかりと煮出された紅茶の味が甘いコンデンス・ミルクにバランスよく調和したThai Iced Tea。	壁一面にずらりと張られたディアから得た賞や記事等が、お店の功績を示しています。	大きな窓から差し込む日光であたたかみと居心地のよさを感じる店内。