『Mago Grill』はアーリントンハイツ駅から程近い”Metropolis Performing Arts Center”の建物内にあるメキシカン・レストランです。暖かいテラコッタ色と赤を基調にしたモダンなインテリアの店内はライティングがとってもお洒落で、テーブルに置かれたワカモレ用のすり鉢がデコレーションの一部になっているのもユニークです。

席につくと、ブルーコーンとホワイトコーンを使った温かい2種類のチップスに、3種類ものサルサが出てきました。サルサ・ベルデと呼ばれる綺麗なグリーンのピリ辛サルサは、トマトのような形をした緑色のベルデ・チリという唐辛子を使って作られています。真ん中の赤いサルサは、赤いトマトと燻したチリペッパーを使っているのが特徴。見た目よりもずっと繊細でまろやかな辛さがあり、玉ねぎと香菜の香りがアクセントになっています。コクのあるピーナツ入りのソースは、まろやかな味の中にも舌にビンビンくる辛さがあります。どれも個性的な味でチップスとの相性が良いので、飽きずにいくらでも食べられます。

アペタイザーにはGuacamoleをハラペーニョ抜きで、それからAll Tasting Ceviche という３種類のセビーチェが楽しめるものをオーダーしました。テーブルサイドで作ってくれるワカモレは、フレッシュな材料を使った作りたてが味わえるのが◎。アボガドに香菜や玉ねぎ、トマトを加えて、ライム果汁をギュッと搾っただけのシンプルなものですが、素材のバランスと塩加減はさすがにバッチリ！今回はハラペーニョを抜いてもらったので、辛いのが苦手な子供達にも大人気でした。ハラペーニョ抜きとハラペーニョ入りのどちらも食べたい場合は、ハラペーニョをサイドにリクエストすることもできます。オール・テイスティング・セビーチェはCamaron（海老のセビーチェ）と、 Mojarra （ティラピアのセビーチェ）、それにAtun （マグロのセビーチェ）の３種類が彩りよく盛られています。キャマロンは小さめの海老とプラムトマト、グリーンオリーブ、ハラペーニョ、香菜やアボガドを、スパイシーなトマトソースで和えたもの。オリーブの塩気とトマトのさっぱりとした酸味が、味をしっかりと引き締めています。プリッとした海老の食感も非常によく、特に海老好きにはたまらないセビーチェです。ティラピアのセビーチェは、ライムビネグレットが効いたさっぱり風。味に深みのあるロースト・パプリカのしんなりとした柔らかさ、淡白なティラピア、それにジカマのシャキッとした食感など、特徴ある素材が見事に調和しています。マグロのセビーチェはパッション・フルーツジュースが使われているので、結構甘めの味ですが、一緒に入っているハバネロのおかげで、後からじんわりとくる辛さも。その他に、マンゴーの角切りや赤玉ねぎ、香菜、それにプラムトマトがはいっています。マグロは調理する前にシトラスを使ってマリネしているようですが、残念ながら魚のくさみが残っていました。また日本人にはちょっと違和感のある甘目の味付けなので、好みが分かれるかもしれません。

メインにはFilete Churrascoというメキシコ風のステーキ、California Burrito のセクションからPaster というポークの入ったブリトー、それに９種類の中から３種類を選べるTacosをオーダしました。メインの食事にはトルティーアー・スープがついてくるのですが、これがとっても美味。チキンと野菜をじっくり煮込んだブロスはコクがあり、トッピングのトルティーヤ・チップスのパリパリとした食感と香ばしさがよく合います。ステーキシュラスコには、チミチュリソースというハーブを使ったソースの上に、サワークリームのようなさっぱりとしたバターがのっています。お肉は適度な噛み応えがあり、コクのあるソースとマイルドなバターとの相性も抜群。サイドについてくるズッキーニのグリルとポブラノマッシュポテトも、ニンニクの香りがよく、しっとりとしていて美味しいです。パスター・ブリトーは辛味の少ないグアジロというチリで煮込んだポークを、レタスやビーンズ、チーズ、コーンと一緒にトルティーヤで包んだもので、ジューシーで柔らかいポークがたまりません。そのまま食べても十分に美味しいですが、サルサ・ベルデと一緒に食べると、酸味と辛味が加わって一層奥深い味わいになります。タコスはいろんな種類がありますが、Camaron、Mojarra、それにChicken Tingaを選びました。キャマロンはテキーラにつけて臭みをとったプリプリの海老に適度に辛いサルサソース、それにまろやかなチワワチーズが合わさり、口に入れると何とも言えない一体感を出しているところがいいです。モジャラ・タコスは、揚げたティラピアを柔らかいコーントルティアにのせ、サワークリームとキャベツと香菜の入ったチポトレ・コールスローを上の添えています。ティラピアのサックリ感、それにコールスローのシャキシャキ感が瑞々しく、全体的に薄めの味付けなので軽〜く食べられてしまいます。チキン・ティンガは、さいたチキンをトマトベースのソース、それに飴色の炒め玉ねぎをのせたタコスです。チキンのジューシーさと玉ねぎの甘みが良く出ているところが気に入りました。

デザートには、週変わりでフレーバーが変わるフランと、フライド・アイスクリームを頼みました。当日のフランはモカ・フレーバーで、コーヒーの香りがほんのり漂う大人味。滑らかなのに、どこかもっちりとした不思議な食感は病みつきになりそうです。このお店のフライド・アイスクリームは、丸状にしたアイスクリームにコーンフレークの衣をつけて、冷凍庫でいったん寝かしてから揚げています。そのおかげで衣はクランチーで香ばしく、アイスクリームはしっかりと冷たいまま。チョコレートアイスクリーム、バニラアイスクリーム、それにイチゴアイスクリームの3種類があり、コクのあるチョコレートソースが非常によくあいます。

ちなみに取材した時点では、こちらのレストランではアルコールの飲み物を扱っておらず、自分の好きなワインやビール、テキーラなどを自由に持ち込むことができるBYOB制をとっていました。金曜日と土曜日の夜は夜中の１時までと夜遅くまでオープンしているのも嬉しいポイントですね。

（3/7/2011）

トルティアチップスには色鮮やかな3種類のサルサがついてきます。	フレッシュな素材を使った作りたてのGuacamoleは人気のメニュー。	異なるフレーバの3種のセビーチェが楽しめるAll Tasting Ceviche。
メインの食事についてくるトルティーアー・スープもとっても美味！	辛味の少ないグアジロというチリでポークを煮込んだものがぎっちりと詰まったPaster Burrito。酸味のあるサルサ・ベルデと一緒に食べるのがオススメ。
Tacosは9種類あるメニューの中から、お好きなものを3つ選ぶことができます。	独特のチミチュリソースで味わう、メキシコ風ステーキのFilete Churrasco。	Cheese Quesadillasにフライドポテトのついたキッズメニューもあります。
このお店のフランは、フレーバーが毎週変ります。こちらはモカ・フラン。	最後の締めにぴったりのフライドアイスクリームは、パリパリとした衣が香ばしい。	暖かいテラコッタ色と赤を基調にしたモダンなインテリアの店内。